ぬいぐるみの奥の世界(仮)

状態
未完結
文字数
2,791
投稿数
6
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Plain Text
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33ノベラー
彼女は着ぐるみフェチだった。
潜在的には小学校のころからフェチだったのだろう。
起源をたどると、見に行った戦隊物の着ぐるみショーで、
リーダーの股間がもっこりしていたことに軽いショックを受け、それがトラウマになったことなのかもしれない。
もともとぬいぐるみを抱いて寝ていた彼女は、いつの間にか、
ふかもこ系の着ぐるみを見ると、性的興奮を覚えてしまうことを自覚していた。

彼女はいわばロリコン系の外見である。
それゆえ、遊園地などで着ぐるみをみて「やーん、かわいいー♪」
等といって抱きついても、傍目から見たらほほえましい光景である。
だが、そのほほえましい光景とは裏腹に、
彼女自身は、着ぐるみの中で至福の時を過ごしているのであった。
34ノベラー
ある日のことである。彼女は、ふらっと、寂れた遊園地に立ち寄った。
日曜日であるというのに客は少ない。
別に着ぐるみ目的で立ち寄った訳ではないのだが、そこには、
一体のワニの着ぐるみがぶらぶらと歩いていた。
随分と使われていて、傍目にも生地がすれてうすくなってしまっていることがわかるのだが、大切に扱われているのであろう、不潔な印象は受けなかった。
たまに、子供が近寄っていくと、そのワニは愛想よくその子供に答えていた。
子供と楽しそうに遊んでいるワニの姿は、彼女にはかなり「萌え」を感じた。

子供がワニに手を振ってわかれるのを確認すると、
彼女はワニに背後から近づき、思いっきり抱きしめた。
突然の事にワニも最初は躊躇しているようであったが、相手が女の子であることがわかると、愛想よく抱きかえしてきた。
彼心臓を打つ音が早くなる。
傍に他人がいないのをいいことに、彼女は夢中になって抱擁を楽しんでいた。
ワニも、いやな顔一つせずに(着ぐるみだから当然だが……)彼女の抱擁に答える。
無意識の内に、彼女の右手はワニの股間に伸びていた。
そして、明かに固くなった棒に触れたことを確認した。
35ノベラー
(↑ あ、誤植がありますね。 まぁ、細かいことは気になさらずに。)

ワニもさすがにこれにははっとして、彼女の手を振り払った。
「どうしてやめちゃうの? いいじゃない、あなただって勃っているってことは感じているんじゃない。」
「そうだけど……」
篭った声が中から聞こえた。
「だめっ、着ぐるみは喋っちゃだめでしょう。」
彼女は着ぐるみに囁く。
「さ、続きを楽しみましょう。」
そう言うと、彼女はワニの股間にある「モノ」をぎゅっと掴んだ。
ワニも、最初は躊躇していたが、時が経つに連れ、胸を触ったり、スカートの中に手を入れたりとだんだん行動が過激になってきた。
また、彼女もワニの行為になんの抵抗もなく、するがままにされていた。
46ノベラー
(期待してくださってありがとうございます、最近忙しく手付かずなので申し訳ないです)

長い間彼女はワニの胸の中で至福の時を過ごしていたが、
やがて、閉園時間が訪れてしまい、彼女は仕方なく遊園地を去ることにした。
彼女は、ワニに萌えていたわけであって、中身の男性にはまったく興味がなく、むしろ、帰り道など、中身の男性の顔を見ないために
足早に遊園地を去って行った。
「中身の男性」も、それとなくそのことを感じていたのか、彼女を追うようなことはしなかったようだ。

次の週も、そのまた次の週も、彼女はその遊園地に通いつづけた。
「彼」の演じるキャラクターは、ある時はウサギで、ある時はアヒル、といった感じに、毎週かわっていった。
キャラクター達にはそれぞれ性格が決められているようで、「彼」は見事にその違いを演じわけていた。彼女も、抱きついた着ぐるみが、胸などを触りはじめて、ようやっと「彼」だと気づくこともたびたびあった。いや、むしろ、その方が彼女の望んでいることで、広い遊園地の中から、たった一匹の「スケベな着ぐるみ」を探すことが、彼女の週末の楽しみになってきた。
47ノベラー
(あ、ageちゃった、申し訳ない。)

しかし、その中でも彼女が特に萌えていたのはワニであった。
彼女が最初に出会ったから、というわけではなく
ワニのちょっと間抜けな顔と、優しい性格が妙にマッチしていたのが、
彼女の感覚にうまく溶け込んでいたからのではないだろうか。

また、他の着ぐるみと比べて、随分と古い感じで、すごく大事にされているな、というところも「萌え」の要素だったのかもしれない。
生地がちょっと薄く、中身の人のぬくもりを感じることができたというのもあるかもしれない。
(あくまでも彼女は中身の人には興味はない。中に人がいるということに萌えなのであろう。)

「彼」以外にも着ぐるみの中身の人は何人かいるようだが、演技は「彼」がだんとつであった。
周囲は、「彼」と彼女がつきあっている物だと考えはじめており、遊園地の中で強いハグをしていても、特に気にしなくなった。しかし、淫らな行為をしていることは、誰一人として知らなかった。

彼女がいつも通り、遊園地に来て、ワニと濃厚なハグを交わしている時であった。
彼女はふと、ワニの蛇腹にちょっとしたほつれがあることに気がついた。
しかも、うまい具合に丁度脚の付け根にあたる部分である。
穴の大きさは、丁度指が3本くらい入るくらいの大きさだろうか。
蛇腹の溝にあたる部分だったので、今まで誰も気がつかず、補修もされていなかったのであろう、いやむしろ、何かを期待して、「彼」が着ぐるみにちょっとあけておいたのかもしれない。
48ノベラー
(ageてしまったので、下がるのを待っていました。)

彼女はその穴に思わず親指、人差し指、中指を突っ込み、「彼」の固くなった棒に触れた。
触った感触からは、ズボンやパンツのような物を履いているとは思えない。
最初に触った時の感覚から、「もしかしたら」と思っていたのだが。

衛生上かなり問題があるのではないか?
彼女は一瞬そう思ったが、そんなことはどうでもいい。
彼女の指先が「彼」の棒に触れと、ワニは、突然の事にびくりと一瞬狼狽したように見えた。
彼女は、3本の指を使って「彼」の棒を握ると、ぐいぐいとしごきはじめた。
「うくっ……」
「彼」が必死に声をこらえているのがわかる。
「声を出してはだめよ。」
ワニはその言葉にこくりとうなずいた。

それにしても、3本の指ではしごきにくい。
しかし、棒を出してしまうと、人間の肌を露出することになり、
もしかしたら、彼女は萎えてしまうかもしれない。

彼女がためらってワニをみあげると、ワニは首を縦に振った。
いいから、着ぐるみの外に出してみろ、といっているみたいだ。
彼女は、思いきって、棒を外に出してみた。

「彼」は、着ぐるみのインナーウェアとして薄緑色の全身タイツを選んでいた。
そして、股間に丁度自分の棒が納まるように、全身タイツと同じ素材で竿状のものをつけていた。
よって、穴から出てきたのは、ワニの蛇腹と同じ色の棒であった。

「彼」は彼女のフェチイズムを理解していた。
何故なら、彼も充分に着ぐるみフェチだったからである。