二人の秘密(仮)

状態
完結
文字数
4,450
投稿数
6
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Plain Text
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373◆TUrTQC5dZk
 ヒューマノイド型ロボットが一般に普及したちょっと未来の話。
 そんな未来にも、やっぱり着ぐるみが好きな人はいる。
 その中の一人、Aはアパートの一室で、とある工房に作ってもらった
着ぐるみの「ちえ」に扮して楽しんでいた。ブルネットでショートカットの
髪とくりっとした瞳の特徴的なちえちゃん。頬にうっすらピンク色の紅が
ある彼女はきっついスク水の上に、ふりふりのいっぱいついたメイド服を
着て、かわいいポーズをとって写真を撮影していた。もちろん一番初めに
これもきつめの真っ白な全身タイツをまといながら。
 当然、これだけいろいろ着ていると体は常に圧迫感に襲われることになる。
実際、動くたびにパツパツのスク水が引っ張られ、中の人であるAの股間は
刺激を受ける。すると、当たり前のことだが、気持ちよくなって、大きくなって
しまう。そのたびに撮影を中断した。真っ白な全身タイツに覆われた自分の手を
見ながら、その手を股間に運びたい衝動を抑えつつ、おさまるのを待つのだ。
そんな悶々とした気持ちと戦いながら、この甘い時間をちえちゃんは過ごしていった。
 撮影が一段落し、いすに座って一休みをしていると、突然呼び鈴が鳴った。
「えっ?誰だ。今日は家にいないって友達には言ってあるはずだけどな」
「おーい、A、開けなさいよ。あっ、そうか。今日彼はいないんだっけ」
 声の主はAの彼女の美優である。そこそこの美人である彼女はAの数少ない
自慢の一つだ。
「仕方ない、勝手に入るか。休ませてもらいますよー」
 美優は合い鍵を使って勝手に入って来てしまった。
 そして、いすにちょこんと座っているちえちゃんを見つけてしまった。
「えっ、なにこれ。あー、Aったらあたしに内緒でこんなロボットを買ったな」
 美優はちえちゃんのことをどうやら、メイドロボットだと勘違いしているようだ。
「これって音声はでるのかな。私はAの彼女の美優です。…駄目か。パソコンを
使わないと動かせないタイプね」
 そう言うと、美優は突然ちえちゃんのメイド服を脱がせ始めた。
374◆TUrTQC5dZk
(えっ、ちょ、ちょっと。美優の奴、いきなり何をするんだ)
 当然ちえちゃんの中にいるAはパニックになった。が、どうにか動くことなく
おとなしくメイド服を脱がされる。
「へぇー、体の固さは人間に近いな。あっ、下に水着着てるー。きつそうね。ふーん、
こうして見ると結構やらしいなあ」
 まじまじと美優に見つめられ、Aの脳内では照れと羞恥がぐるぐる回っていた。
 そして、美優はちえちゃんに食い込むように着せられて(着て)いるスク水の
肩紐に手をかけると、一気に脱がせてしまった。
「結構、いいスタイルじゃないの。あたし、これに負けたのかな」
 そうじゃないとAは脳内で必死に否定していた。
 美優はちえちゃんの内部でそんなメッセージを送っている男がいることなど、
全く知らないかのように、彼女の身体を睨め回していた。パッドとタオルで作られた
ふっくらとした胸、白全タイの下に一応はいているサポーターに守られた股間
(それでもいざとなるとはっきりと目立つ)、指先も分かれているタイツに覆われた足。
 とうとう、Aはこの状況に耐えることができなかった。むくむくと大きくなるAの物。
「Aでしょ」
 美優は別段驚きもせずに言った。
「結構前から知ってたわよ。Aにこういう趣味があること」
(えっ、ええっ!ど、どうしてバレたんだ。)
 ちえちゃんの中のAは恐慌状態に陥った。
「前にAの家に来たときに、見ちゃったんだ」
 ちえちゃんの顔を指さしながら、
「君や、その他にもこんな風なかわいい女の子のお面とタイツをね」
「そうか…」
 Aは観念して声を出した。
「待って、着ぐるみを着ている間は声を出しちゃ行けないんでしょ?」
 ちえちゃんは、はっとして両手で口をふさいだ。
「かわいいわね。実は、Aのを見ちゃった後、ネットでいろいろ調べてみたの。
それで……言いづらいけど、実は………実はあたしも、こういうのを着てみたいの!」
375◆TUrTQC5dZk
 ちえちゃんはどこからか白紙を探し出してきて、サインペンで書いた。
「着てみたいって、どういうことなの!?」
「こんな世界があったのかと調べていくうちに、段々とあたしもこういうのになりたい
と思うようになったの。白や肌色の全身タイツに身をおおわれて、更にお面をかぶって、
かわいい服を着る、そういうことにあこがれるようになっていったの。それで、昨日
出不精のAが旅行に行くと聞いて、今日ね、と思ったから来てみた。案の定だったわ」
 Aはかなりのショックを受けた。まさか美優がそんなことを考えていて、あっさりと
自分の嘘を見抜かれていたなんて。しかし、また、ある種の欲求が湧き上がってきた。

 彼女を人形にしたい。

 ちえちゃんは白紙にまた何かを書いた。
「私みたいになってみる?ぴっちりとした全身タイツに身をおおわれて、息苦しいお面を
かぶって、こんないやらしい水着やふりふりのかわいい服を着るの。もし、そうしたいの
なら、隣の部屋に行ってみて。いろいろあるわ。でも、タイツはもう一着しかないけど」
 しばらく美優は考えたが、やがて決心したようだ。
「分かったわ。あたし、やっぱり着てみたい。いろいろと手伝って」
「いいけど、私が着替えを手伝っていいの?」
「もちろん。君は女の子だし、あたしの彼氏だし」
 隣の部屋で美優はどの女の子になるか考えていた。横には、とりあえずスク水を身につけた
ちえちゃんがいる。Aのあそこはそのままだが。
 しかし、どの娘になるかなかなか決まらず、とうとうちえちゃんが一つの面を指さした。
肩まで掛かる程度の長さの、水色の髪に優しそうな笑顔の女の子。ほんの少したれた目が穏和そうな。
「ゆり、っていうの。そういえば、まだ紹介していなかったわ。私はちえ。この家のメイドです」
 美優は黙って頷き、面を手に取り、そのまま服を脱ぎ、下着姿になった。
「タイツに入るときは一応、下にこれを着たいから」
 そういう美優の手にはうっすらとピンク色のレオタードがあった。
「流石に、これはちょっとむこう向いててもらえる?」
 ちえちゃんは美優に背を向けた。ちょっと経った後、
「いいわよ」
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 振り向いたAが見たのは、ピンクのレオタードに身を包んだ美優のまぶしい姿だった。
 そして、美優は肌色の顔がでるタイプの全身タイツを手に取ると、背中のチャックを開けた。
そのまま、足を滑らせ、腕を通し、頭の部分もかぶる。ちえちゃんにチャックを閉めてもらった。
「これがいいかな」
 身体のラインがはっきりと出る姿の美優が手に取ったのは清楚で真っ白なブラとショーツである。
それを身につけた美優はいよいよ、お面をかぶることにした。緊張しているらしく、面を持つ
腕が震えている。そして、ついに、それを頭にかぶった。
「………前が見えない」
 まだ慣れないせいか、のぞき穴の位置がなかなか定まらない。ちえちゃんに調整してもらう。
うまくいったようだ。そのまま目の前にある鏡を見る。
「これが、ゆりちゃん…」
 美優は自分が着ぐるみを着ているという初めての感覚に意識がどこかへ行ってしまいそうであった。
「さ、ずっと下着姿でいるのも変だから、何を着ようかな」
 美優ことゆりちゃんもちえちゃんが使っていた白紙に書く。もっとも、美優は女性だから声を出して
も不自然ではないのでは、とAは思ったが黙っておくことにした。
「これにしよう!」
 そう書いたゆりちゃんが持っているのはさっきまでちえちゃんが着ていたメイド服だった。
まだうっすらとぬくもりの残っているそれを、何のためらいもなくゆりちゃんは着てしまった。
「せっかく着たんだから、写真を撮ろう」
 ちえちゃんはそう書くと早速デジカメを用意し、いろいろな写真を撮った。
 
 しかし、ちえちゃんの中身、Aにはそろそろ限界が迫ろうとしていた。美優は自分に夢中で気づいて
いないようだが、スク水姿のちえちゃんはずっと股間がふくらんでいたのだ。この状態のまま、もう
一時間近くが経とうとしていた。もはや、Aには理性が残っていなかった。
 そしてちえちゃんは突然ゆりちゃんに抱きついた。
「きゃっ、どうしたの、ちえちゃん」
 悲鳴のような声をあげるゆりちゃんこと美優。しかし、彼女も内心こうなることを望んでいたのかも
しれない。そのままちえちゃんにベッドへと押し倒され、メイド服のフリルがいっぱいついたスカート
をまくり上げられた。中には真っ白な、そして少し湿ったショーツ。
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 スク水姿のちえちゃんは、メイド服の上からゆりちゃんの胸を激しくもみながら、大きく固くなった
Aの物をスカートの中のショーツのこすりつけた。
「え、ちょっと…やめ…気持ちいいかも。も、も、もっと!」
 美優ものりのりになってきたようだ。自ら腰を動かす。肌色のタイツにおおわれた手で少々大きめの
自分の胸をもむ。
「はあっはあっ」
 ちえちゃんの息づかいが荒くなってきた。
「いくっ!!」
 裏声でそう叫び、最高の快感を迎えた。が、なんとAの股間はまた大きくなってきてしまった。
 ベッドの横に立ち上がったちえちゃんが股間の濡れた感触を気にしている隙に、ゆりちゃんは彼女の
後ろに回り込んだ。そして、ちえちゃんの股間に肌色タイツの手を持っていき、Aの物を握りしめて、
こう叫びながらしごき始めた。
「この着ぐるみ痴女がー、悪いのはここかー」
 美優にも理性は残っていないようだ。ちえちゃんは快感に身をまかせている。Aの出した液体はタイツと
スク水から染み出していた。
「う、うあっ!!!」
 Aは再び最高点を迎えてしまった。
 しかし、そのままちえちゃんは後ろを向き、両手でゆりちゃんの胸と股間を刺激し始めた。ちえちゃんは
声を出すことができない(そんなことをしたら雰囲気ぶちこわし)ので、はあはあという激しい息づかいの
まま、これでもかとばかりに揉み続けた。
 そして、ちえちゃんは最終兵器を取り出した。ちょっと前に発売されたばかりの、電磁波で刺激を与えて
快感を生み出す棒状の装置を。それを、タイツとショーツ越しでも効くのかと考えながら、ゆりちゃんの最も
敏感な部分にあてた。
「ああっ!」
 問題なく絶頂を迎えたようだ。
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 しばらくの時が流れた。

 ちえちゃんが白紙にこう書く。
「そろそろ、元に戻ろうか」
 ゆりちゃんは頷いた。
 二人でお互いに背中のチャックを開けあったりと、協力しながらちえちゃんとゆりちゃんを脱ぐ。
 二人が面を取るとかなりの量の湯気が上った。ものすごく汗をかいている。
 美優の肌色タイツとAの白タイツは全体的に汗で湿っていたが、特に股間部分の濡れ方が著しかった。
 二人は、それぞれ服を着た後、顔を赤らめながら見つめ合った。
「よかったよ」
「あたしも」
 短い会話が交わされた。そのまま、成り行き的に二人はキスをした。
「もう一回、やらない」
 美優が言った。
「そうだね」
と、いってAはベッドへと向かう。
「何やってるの。あたしはゆりちゃんになってやりたいの」
 Aは、もう一回自分からでた液体でびしょびしょに濡れたタイツを着ることになるが、大いなる悦びを
もう一度味わえるのかと、満面の笑みをうかべて美優をみつめていた。(終)