地域のボランティアヒーロー トライアングルズ(仮)

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完結
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10
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505名無しさん@着ぐるみすと
分かりました。それでは行きますね。
(着ぐるみといえば着ぐるみなんですが戦隊系です)
書き物に関してはシロウトですのでご了承願います。
また基本的にあり得ないようなストーリです。あくまでお遊び程度に
考えてくださいね。
506名無しさん@着ぐるみすと
夏休みが目前という休日。

地域センター前の掲示板に張られていた

「地域のボランティアヒーロー(ヒロイン)「トライアングルズ」を一緒にやってみよう!!」

という募集の張り紙。これに仲良しの3人組のサツキ、シホ、サオリは目を留めた。

3人ともスポーツなどをやっていたりしていて体力には自信があった。

この募集には、オーディションがあるらしく
3人ともオーディションを受けることにした。
親もボランティアということならと簡単に了承してくれた。

オーディション当日。オーディション内容は簡単な体力測定と面接。といっても面接は面接とよべるものではなく懇談に
近いものだった。


1週間後
オーディション結果が、届いた。あのオーディション会場には、30人いたからまさかそのうち3人が選ばれるとはおもっても
みなかったが、考えていた事とは逆に仲のいいのが3人そろっていたという理由で
3人とも合格であった。明日から夏休みである。さっそく次の日に打ち合わせなどがあるらしい。


次の日
衣装あわせやスタッフとの打ち合わせに3人は向かった。

衣装は、予算の関係上ヒーローショーなどをやっているアクションチームからのお下がりのスーツで、まかなうことになっていたが
3着とも、状態はよくキズひとつないとても良い状態だった。

3人とも着る衣装は、すでに決まっておりサツキは、ハリケンブルー。シホは、アバレイエロー。サオリは、このアクションチームの
オリジナルキャラクターで、ハリブルの衣装をアレンジしたハリケンピンク。

サイズは、オーディションのときに測っており 着ぐるみは、調整されぴったりカラダに合うようになっていた。

早速スーツを手渡されスタッフと更衣室に入った3人。
「じゃ早速着てくれるかな?」
「はーい!」元気のいい声で、シホが答えた。
おぼつかない手付きでスーツを着る。
初めての、着ぐるみ体験。下着のみを着けた体が、ゆっくりと着ぐるみのチャックで、まだ幼い体が徐々に封印されていく。

着用完了。
「キツイ」「ピチピチ」「カラダに密着する!!」など互いに声を発した。
3人ともブラ線・パンツラインがしっかり透けていた。
そしてマスクを被った。「えーみえにくいし息苦しい」「こんなに着ぐるみって視界悪いの?」


会議室に入った。はじめて着ぐるみを着た3人は、視界の無さとスーツのぴったりに驚きながらも
ワクワクしていた。

そこにいたのは、いかにもやさしそうな30半ば前後の女性が数人すわっていた。
3人とも相手がやさしそうな女性ということもありほっとした。

3人はマスクを机の上に置き、席に座ると、「よく合っているわね。どう着ぐるみの着心地は?」とリーダから聞かれた。
そこで、シホが「うぅ~んピッタリフィットしてる」と答えた。
すると、リーダーの横に座っていたスタッフから「からだにしっかりあっているほうが、激しい動きができるから
そのほうがいいわよ」と間髪いれずに言った。

会議は進みその日の打ち合わせなどはおわった。
さっそく3日間研修をして4日後から幼稚園に夏祭りイベントにいくことになった。
3人は、「え?いきなりするの?」と思ったが、ワクワクしていた。
509名無しさん@着ぐるみすと
研修当日。
クーラーの良く効いた大きな部屋つまり昨日の会議室である。薄着では肌寒いくらいであった。

激しいアクションの練習で視界の狭さもありミスも連発であったが、クーラーが良く効いていたので、ほとんど汗ばむこともなかった。

そして、4日後。

近場の幼稚園だったため全員現地集合となった。衣装は、スタッフが持ってくるとのこと。

3人が現地についた頃には、リーダー以外全スタッフが到着していた。3分ほどまっているとリーダーも到着し
幼稚園が用意した控え室に入った。この日は、少し歩くだけで汗が出てくる真夏日。最高気温は、28度であった。

機材は、リーダーの知り合いが、プロで、そこから機材を調達したとのこと。

さっそく控え室で、怪獣役のキャスト(女性)と最終打ち合わせをし着ぐるみに着替えた。
この幼稚園は、金なし私立の幼稚園で、施設もボロボロで、当然控え室には、エアコンも扇風機も無かったため
窓を開けようにも園庭で遊んでいる子供たちに、見られないようにするために開けるができなかった。
控え室の温度は、どんどん上がっていき軽装のスタッフも汗をかくぐらいになっていた。
当然ながら着ぐるみを着ている3人は、ジッとしているのに汗ダクダクであった。
特に汗かきのシホは「暑っいな~」と愚痴をこぼしていた。
サツキとサオリは、黙っていたが、顔を真っ赤にして、汗を垂らしていた。

クーラーが良く効いていた研修の時とは、当たり前ではあるが、まったく異なる環境に
体がついて行っていないようであった。

スタッフが、公式HP用ということで、デジカメを取り出し、写真を撮っていた。汗だくの彼女たちを撮っていた。

そして本番。ステージのある外に飛び出す。

声は、マスクの中の小型マイクを使って取る。

自己紹介をしていく「トライアングルズのシホで~す。サオリで~す。サツキで~す。」
そして、お決まり怪獣の登場だ。「わぁははは、お前ら地獄に叩き落してくれるわ!!」

3人のマスクの視界は元のものより少しオリジナルさを出すために改造してあり、すこし視界が狭くなっている。

激しいアクションが続く、「はぁ!」「とりゃ!」

さすがに激しいアクションを続けると息が切れる。敵を倒して追い払ったところで、言わなきゃいけないセリフがあるのに
3人とも「ハァハァ」「ハァハァ」「はぁはぁ」と息を切らしていた。

そして、スタッフが、たまりかねてエンディングの曲を流した。しかたなく、エンディングのダンスを3人は踊り始めた。
踊りながらもはやりサツキは息を切らして「ハァハァ」といっていた。

スピーカーからサツキのこもった声が聞こえる。最後は握手会である。
1人1人と握手していく。そして、1人1人に声をかけていく。

ショー終了。追いかけられないようにダッシュで控え室に戻った。
3人は、初めての炎天下での着ぐるみだったため汗だくだくで、スーツにべっとりと汗が染み付いていた。
シホは、スーツの生地が特に薄いため
ブラ線もしっかりと汗で染み透けていた。そしてまたスタッフがデジカメで写真を撮った。

汗を拭き私服に着替えて、幼稚園をあとにした。

クルマの中で、リーダーから次なる活動を予告された。それは・・・2日後。川原での清掃活動。
サオリが活動内容を聞いてみると「着ぐるみで川原を掃除するんですよ」と返事が返ってきた。
512名無しさん@着ぐるみすと
その日は、センターで、スーツに着替えリーダーのワンボックスにスタッフと3人そして、スポーツドリンク
を積んで、予定時間通りに川原に到着した。お昼の気温は、幼稚園公演の時よりも高い30度で、着ぐるみを着て、ハードな清掃活動など
トンでもない。絶対に熱射病になり下手をすると命にかかわる。そこで、リーダーには考えがあった。
 川原の道の端に、クルマを止めておくそして、3人もしくは、スタッフが、体力の限界を感じたらそこに入り休憩するのだ。

「暑ッ」クーラーの効いたワンボックスから出てきたシホが、言葉を発した。

そして、活動開始。3人のすぐ近くには、必ずスタッフがつくようになっている。
3人が活動を始めると同時に、小さなお友達がやってきた。そして、握手など相手をしながら、ゴミをひろっていく。

そして、1分もしない内に、全身から汗が流れ出てきた。そして、もう10分もするとマスクの下に汗が溜まるほど汗ダクダクになった。
スーツにもしっかり汗が染み付いている。

まだ、炎天下の着ぐるみは2回目だ。まだ慣れない。

そして、35分経過・・・・一番最初にダウンしたのは、サツキであった。横についていっしょにゴミを拾っていたスタッフに
「私、もうダメ」と小声で言った。車まで約100mスタッフに付き添われながらフラフラになりながら、車に入った。
すぐさまスタッフが、エンジンをかけエアコンの噴出し口から冷たい風がでた。サツキはマスクを取りクーラーボックスの
スポーツドリンクを手にして500mlを一瞬にして飲み干した。休憩しているとガラガラとスライドドアが開いて
サオリとシホが入ってきた。2二人もマスクをとりスポドリを飲み干した。
まだ、汗が流れてくる。3人の顔は汗で濡れてベタベタだった。そこで、また写真を撮られた。

そして、10分後時計を見ると14時20分を回っていた。「じゃあ行きましょう後数時間です。」とスタッフが、言った。

3人はクルマから降りて、清掃活動を始めた。するとなんかなんだかオタクっぽい人が2人ぐらいで近づいてきて、
「すいません。写真とっても良いですか?」と聞いた。スタッフが「いいですよ」と返事をすると
高そうなデジカメで、3人の写真を撮った。そして、「できれば、マスクはずして欲しいんですけど・・・」と言ってきた。

 通常のアクションチームとは異なり
トライアングルズは、基本的にはお面を人前で、外してはいけない事は無かったので、外の音が聞こえいにくい3人にスタッフが、「マス
ク外して」と近くで言った。3人はマスクを外して、汗をかき赤くなった顔を出した。そしてもう一度写真を撮った。
 お面を外した3人に、「暑いですか?」と聞いてきた。サオリが「暑いですよもう死にそうなくらい」と答えた。
続いて、もう一人が、「スーツの着心地はどうですか?」と聞いた。サツキが「ぴたっりカラダに張り付いてます」と答えた。
じゃあ最後に質問と「やりがいはありますか?また、楽しいですか?」と聞いた。

シホが、「もちろん楽しいです。暑いけど・・・」続けて「子どもの笑顔見るとネ」と汗ばんだ笑顔でサツキが言った。
「ありがとうございます」と最後に写真をまた数枚とって、帰っていった。

その後、意識がモウロウとしながらも清掃活動を続けていたが、リーダーの判断で、予定よりも少し早い15:50分に切り上げた。
しかし、その後すぐに帰るのではなく、最後の町内会の会長や地域の小学校の校長の挨拶があり、その最後に
トライアングルズも紹介を受けた。

地獄の清掃活動は、開始から、最後のセレモニー終了まで、約2時間30分間続いた。クルマに戻りお面を脱いだ3人は、
グッタリしていた。事務所に帰り私服に着替えた後は、ミーティングがあるのだが、とてもそれど頃ではないので、
リーダーが、クルマで各家まで、送り届けた。
 三人が、着ていたスーツは、汗でグッショリと湿っており元々の光沢を失っていた。
また、ニオイも凄まじく臭いがニオイが染み付いていた。
516名無しさん@着ぐるみすと
次の日も予定が入っている。それは、地域の夏祭りだ。
午後5時から、5時40まで、ショーを行いそれから、20分間握手やサイン会などを行う。

そして、しばらく休憩し19時から21時まで、やぐらに上がり盆踊りをしたりお祭り会場を練り歩くのである。
ミーティングを16時から行うといいう事で、3人は、ちょうどその時間に事務所についたのだが、
特に、シホは疲れが取れていない様子であった。その後、ミーティングが終わり簡単な立ち回りの練習をして
から、スーツに着替えていた。着替えの途中で、サツキが「汗臭ぁ」と言った。確かに昨日の汗は乾いているが、
ニオイはしっかりと染み付いていた。3人は、クルマに乗り込み事務所を出発した。

さっそくショーが始まった。

三人も練習などで経験もでてきたため、今まではどちらかというと一方的に戦って勝つというパターンだったのを悪役とたたかって一時的に負けて
それから勝つ方向に持っていくという新しいやり方で行われるようになってきた。
初めのうちは今までとほぼ同じで変更はなしだが、中盤からはやられる方向にもっていきそして最後には仲間で助け合って勝つというパターンである。

そして、ショーも中盤。 前半でかなり体力を使ってしまったが、ここからは激しいアクションではなくいかに苦しめられているかを表現するのである。
 催眠術をかけられ、サツキとシホが縄でしばられてサオリが怪人のしもべにされてしまい、しばらくすると縛られている二人の催眠がとけるが、
サオリの催眠は強く縛られながらも抵抗する二人に仲間のサオリから攻撃をうけてしまう。最終的にはサツキとシホの声がサオリの心に届き
怪人があわてている間に縄を解いてもらい三人で怪人をやっつけるという設定だ。

 悪役が「ふっふふ 催眠術をお前らに掛けてやる覚悟しろよ」と少し低めの声で言うと会場の子供たちはどよめき「がんばれー」と叫ぶ子供もいた。
催眠術を掛けるヒュアァヒュァァという音が出るとグッタリフラフラになる動きをしてしもべにされるサオリ以外は灼熱の床に倒れこんだ。
そして怪人とサオリの手によって細い縄が体に縛られていく、そして大方グルグル巻きにされたら大きなピンで留められた。この時実はサツキとシホの
縄の縛り方がきつくとても苦しい状態であったがここで声を出すわけには行かないまだ催眠が掛かっている設定だからだ。

 そして、サツキとシホの催眠が解けた。二人は「はやく縄を解いて!」「サオリそんな悪者の手下になっちゃダメだよ」と声を上げる。だが
まだ強く催眠が掛けられているサオリにはその声は届かない。そして、怪人が「俺のしもべよあのウルサイやつらを蹴散らしてこい!」と言うとサオリは
縛られたままなんとかやっとの思いで立っている2人に蹴りかかった。本当は軽くければ2人は自ら倒れるはずが力を入れてしまいサオリの上にサオリより少し体重の
重いシホが将棋倒しに倒れてしまった。「うぁぁ~!」「痛いぃ」2人は演技ではなくマジで痛いと声を上げしまった。だが観客はもとより蹴った張本人のサオリも
気が付かなかった。そして、無理やり2人は怪人とサオリにムチ(といってもニセモノ)で叩かれた。
 「ビシィバシィ」音響機器からの音ではあるがそれに合わせて「あぁ」「うぅ」と苦しむ二人の声はリアルであった。

「お願いやめて」「サオリ目をさまして!」しばらくするとサオリが「私、何をしていたんだろう」と一言言って目を覚ました。エンディングが流れる中
三対一の暴力で怪人を蹴散らした。そして最後には『今日もトライアングルズの活躍によってこの街は守られたのであった』というナレーションが入った。


 初めての試みのサイン会であるが、視界が聞かないにしては3人ともがんばっていた。手で感覚を取りながらのサイン会であった。
そして、握手会もワキに汗を染み付かせながらもこれも無事終わった。
517名無しさん@着ぐるみすと
しかし問題が発生した。休憩場所を用意してくれているハズだったのに
何かの手違いで休憩場所がとられていないことがわかった。なんとかリーダーが、手筈を整えてくれたが、その休憩場所は、
教室であった。実は、この夏祭りは、学校とその横の大きな市民公園と学校のグランドを借り切ってやっているので、教室しか開いているところが無かったとの事。
当然、古い学校であるからエアコンもないし子どもたちから見られるのを防ぐために窓は、閉めているため暑い。
三人はマスクを脱ぎ休憩していたが、汗が額に流れ出る。ちなみに、窓は閉まっていたが、ある場所からは、しっかりと三人いる
教室がが見えるポイントがありしっかりと子どもたちに素顔を見られていた。

三人は休憩中にこんな会話をしていた。「つーか暑すぎるよね」「うん、こんな着ぐるみを夏に着てアクションするとか・・」
「昨日の清掃活動なんか熱中病で倒れそうだったよね」「ホント、ほんと」「でも、私、このボランティア大好きだよ
人のためにもなるし、子どもたちの笑顔がかわいいし」

そして、夜になった。温度も幾分下がった。早速やぐらの上にあがり覚えたばかりの盆踊りを踊った。

そろそろ盆踊りをやめて練り歩きに行かなければ、ならないのにスタッフが来ない、10分後リーダーが1人走ってやってきて
言うには、2人いたスタッフ。1人は、子どもが熱を出したので、帰らなければならない。リーダーは、家に忘れ物を
したので、とって来るという。

どちらにせよ、どちらかがもどってくるまでの約40分間は、スタッフがつかないという事になる。
会場は、広く照明が薄い場所もある。視界が悪い3人には、大変である。

はじめのうちは、明るい場所で、小さなお友達と握手したり抱っこしたり、写真を撮ったりしてやってる方も楽しかったのだが・・・
だんだん、暗くなってきた。マスクの見えるところが、黒い特殊プラスチックであるためほとんど前が見えなくなっていた。
すると後ろのほうから、高校生くらいの年齢の声が聞こえてきた。「おい!アレみろよブラ線入ってるぜ」「ホントだ、真ん中の
白いやつなんか、パンツのラインも」「三人とも太ももムチムチやしワキに汗かいとうし」「なぁあいつら中学生らしいで
顔見たくない?」「おうやろうぜ」「じゃああの茂みに連れ込んでやろう」「じゃいっせいのうで」その時、3人は、腕を捕まれ
茂みの中に連れ込まれた。直ぐにマスクを剥ぎ取られ三人とも汗だくの顔を見られた。「おぉうなかなかカワイイじゃんか」
「おいネーちゃん汗臭せーぞ」
その後、この事は誰にも喋るなと脅されて、なんとか解放された。

3人は、すっかり怯えてしまった。この暗い区間を抜けるまでまるで、子どものように寄り添って歩いた。


「はぁ~疲れた。」「暑かったね」事務所に帰りやっとスーツを脱げたのは、夜の10半であった。


夏休みも後半に差し掛かってきた。

今度は、地域のショッピングセンターからお呼びが掛かりショーをすることになった。場所は屋上である。

いつものように支度をする。時間は13時からと15時からそして17時からの三回である。
ただ、いつもとは違い3公演もあるのだ。しかも、今回は要望によりマスクオフを増やすとの事特に、最後の公演は
完全マスクオフショーだそうだ。
518名無しさん@着ぐるみすと
あ、『事務所』って表記があるけど正しくは『センター』です。
ストーリーに直接影響はないけど訂正させてもらいます。すみませんでした。
526名無しさん@着ぐるみすと
朝の8時、開店時間よりも早く入りセットを組み立てリハをする。

そして、13時。第一回目だ。この夏は例年にもまして異常気象なほど気温が高く、
トライアングルズの活動している地域も、そうであった。

 ちょうどお昼。真上から太陽の熱線がトライアングルズの三人を襲う。
光沢のある3人のスーツが、反射してさらにテカテカになった。
 どんどん、薄いスーツに汗が染み付いてゆく。ワキ、背中、首周り・・・汗っかきなシホは完全に変色していたし、
通気性のある部分が胴の部分しかないサオリとサツキは、肌とぴったり密着しているラバーで出来た網タイの中に
汗が溜まってムレムレであった。

そして、握手とサインである。なんと、ここではお面を脱いでくれという。マスクをはずした三人は
汗ボトボトで、床やテーブルに汗をこぼしているほどであった。


握手とサイン終わり、休憩のためにテントに入る。しかし、ここにはクーラーもなければ電源もないため扇風機さえ
ないのだ。しかも、終わるまでスーツは脱げないため地獄であった。

そして、15時をこなし17時からの回である。トライアングルズの三人は、最初マスクオフで行うことに
すこし、悩んでいた。理由は、ヒーロー・ヒロインと言えば、着ぐるみだし着ぐるみといえばマスクだし・・・。

しかし、やれと言われれば、しなければならない。温度も下がってきたが、やはり暑い。
スーツはもはや今までの公演で完全に汗で濡れていた。

頭から、汗が流れてくる。もう汗は顔全体でビショビショになっていた。
アクションが終わり息も絶え絶えになった。そして、握手とサインだ。なんだかオタクなオニーサンがたくさんいた。
だが、スマイルでしなければならない。しかも握手とサインは素手である。
一人の男がサツキの手をグッと握り締め次に顔をなでた。サツキは一歩引いた。だが、一瞬不気味な笑顔になり帰っていった。


次は大きなイベントとしては最後になる地域の運動公園でのサマースポーツフェスティバルだ。この行事では実際に子供たちとスポーツをした後
昼食タイムにショーが行われる
528名無しさん@着ぐるみすと
サマースポーツフェスティバル当日

この日は、今までより若干温度が低くかったが湿度が高くムシムシした不快指数の高い日であった。

子供たちよりも先に運動公園に到着した三人はスタッフと一緒に昼食タイムに行われるショーにつかうステージを設営した。
だがあまり施設が整っていない芝生と簡単な観客席・トイレがあるだけの簡単な公園なのでやむなくトイレでスーツに着替えた。

そうこう準備をしているうちに子供たちが集まってきた。開催時刻にはまだ時間があったためトライアングルズの三人の周りには来ていた
子供たちの群れができた。「握手して!」「一緒に写真とって」などと言う子供たちが多かったがやはりそこは最近の小学生。
「いじめようぜ」「蹴ってやれ」とイジめはじめる子供もいた。その瞬間、ワルガキによってサツキのチャックが半分まで開けられた
キャーとサツキは叫んだ。だがサオリがすぐに閉めたため多くの子供たちに見られる事はなかったが、一部の子供たちが見ており
サツキのブラと背中が丸見えになった。

そして9時。開会式が始まりトライアングルズの三人が進行を勤めた。「じゃみんなー頑張ろうね!!」と声を掛けると
素直な小学生は「はーい!」と元気のいい声で返事を返した。

まずはドッチボールとサッカーだ。サオリが交換ドッチボールに入りあとの2人はサッカーについた。

ドッチボールはさほどキツクはなかったが、サッカーはジュニアクラブチームに入っている子も多くかなりの運動量だ
湿度が高いため汗が蒸発せずスーツに汗がしみこんでゆく、「おねいちゃんたちスーツがぬれているよ」と子供に言われた。
さらに視界が悪く足元を石に取られてサツキは転んでしまった。芝生の部分ではなく砂の部分に突っ込んでしまった。ケガはなかったが
汗をかいているため砂がドロドロにスーツについてしまった。

何とかドッチとサッカーは終了。次は短距離である。コレはさすがに小学生と中学生では差が開きすぎるのでトライアングルズは応援に徹した。


そして、昼食タイム子供たちは日陰になっている観客席や木の影で食事をするがトライアングルズはその間ショーをやらなければならない。
舞台裏に三人と後からきたスタッフや悪役と最後の確認をしながら水分を取った。朝からマスクはずっとオンの状態。
汗が溜まっていた。ショーもマスクオンで行う。

暑い中スポーツをしてショーまでするとなると体力的にそろそろ厳しくなってきた。だがショーが終わったら次は午後の競技。
午後は長距離(800M)と玉いれだ。長距離には小学校6年生の体力に自身のある男の子ばかりが出る中には県のジュニアマラソン優勝者までいる。
トライアングルズからは今の時点で一番体力の
残っているシホが行く事にした。だがシホはスーツのすべてが大量にかいた汗で濡れていた。

玉入れは全員でおこなう。

そして長距離走が始まった。すでにショーなどを経ているためシホも体力があまりなかったが熱中症にかかりかけの二人は出せないため
シホが出ている。実際、軽装で体力のある小学生は速くシホも本気で頑張ったが3位であった。

玉入れの頃にはもう三人ともフラフラであった。何とか玉入れが終わり閉会式となった。閉会式はマスクオフで行われ汗だくの顔で
登場した。そしてイベントとしてこの夏はトライアングルズ最後のイベントになる事を告げた。そしてみんな良く頑張ったねと言う感じで
表彰式が行われた。

最後に子供が帰ったあと三人は裏へまわりマスクを被り泣いていた。よほどトライアングルズが気に入ったのだろう。いやよほどトライアングルズとして
活動する事が楽しかったのだろう。するとリーダーがやってきて「もう夏休みの活動は終わるけど、トライアングルズの活動は
今まで見たいに大きなショーはもう多分できないだろうけど小さなイベントとかボランティアだったら続けるつもりよ」と言った。
つまり規模は縮小するが時々の活動はあると言う事だ。三人は抱き合ってよろこんだ。

~終わり~
529名無しさん@着ぐるみすと
作者です。ここまで読んでくれた方ありがとうございました。
出来るだけシンプルにと思って作りましたが、ややこしい所も
あったかもしれません。また終わり方がうまく出来なくて続くと見せかける
ような終わり方になってしまいました。

実は私は汗フェチというか戦隊モノのヒロインがショーなどで
汗をかいているのが結構好きでして、結構その影響が入っています。
読み苦しいところもあったかもしれません。すいませんでした。
また感想などお願いします。(叩きはNGで願います批判はOKです)