足裏の冒険(仮)

状態
完結
文字数
1,954
投稿数
7
他の形式
Plain Text
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855名無しさん@着ぐるみすと
友達の沙希ちゃんから電話がかかってきた。
「真希ちゃん、明日予定ある?」
「ないけど」
「じゃあバイト代わってくれないかな?
急用が出来ていけなくなっちゃって」
「いいよ。どうすればいいの?」
「ありがとう。詳しい事はメールするね」
メールを確認すると集合時間と集合場所と持ち物が書いてあった。
「Tシャツとスパッツがいる?どうしてだろう?」
私は疑問に思ったが持って行く事にした。
次の日集合場所に集合時間に間に合うように行った。
すると女の人がいた。
「田中さんね。じゃあ行きましょう」
「はい」

「すいません。今日の仕事なんですか?」
私は質問した。
「聞いてないですか?今日着ぐるみ着てもらいますけど」
「え、そうなんですか?聞いてなかったので」
ちょっとびっくりしたけど、やってみたかったので少し楽しみだった。
857名無しさん@着ぐるみすと
現場に着くとそこは大きい薬局だった。
「終わる頃に迎えに来ますからね」
「わかりました」
裏口に行くと女の人が待っていた。
「田中さんですね」
「はい。そうです」
通路を抜けて控え室に案内してくれた。
「着ぐるみはこれです」
「え、何ですか。これ?」
「水虫薬の会社の着ぐるみなので、人間の足の裏をモチーフにした
着ぐるみなんです」
「そうなんですか」
「今日は1回30分、5回店頭に出てください。着ぐるみ着たら
しゃべっちゃだめですよ。もうすぐ時間なので準備してください」
「はい。わかりました」
私は服を脱ぎTシャツとスパッツに着替えた。
着ぐるみは大きい足の裏の胴体とタイツと靴だった。
まずタイツを履いた。厚地の肌色のタイツだった。
胴体の部分の後ろにあるファスナーを開けて着る。
足の裏の着ぐるみなので手を出す部分なく手は使えない。
視界が悪いし暑い。
「じゃあ閉めますよ?」
「お願いします」
最後に靴を履き着替え完了
860名無しさん@着ぐるみすと
「すいません、何て呼べばいいですか?」
「名前言ってなかったですね。私の名前は佐藤麻衣ですよ。
好きなように呼んでくれればいいですから」
「じゃあ田中さん行きますよ。
部屋から出たらしゃべっちゃだめですからね」
私はジャンプして合図した。
麻衣さんに誘導してもらい店頭に出た。
暑い。30分持つか心配だった。まだ早い時間のためか
お客さんは少なかった。
着ぐるみが変わっているのでびっくりする人が多かった。
一回目は何もトラブルなく終わった。
控え室に戻り麻衣さんに着ぐるみを脱がしてもらった。
「暑かったでしょう。どうぞ」
ペットボトルの水をもらった。
「ありがとうございます。すごい着ぐるみ暑いです」
水を一気に飲む。おいしい。

2回目3回目とも無事に終わり、休憩していた。
「田中さんそろそろ準備して」
「はい」
麻衣さんに手伝ってもらい着ぐるみを着る。
「じゃあ行きますよ?」
私はジャンプして合図した。
861名無しさん@着ぐるみすと
店頭に出ると子供達に囲まれた。
足を蹴られ痛い。麻衣さんが止めてくれたが、麻衣さんがいなくなると
また蹴られ、
「痛い」
痛くて声出しちゃった。どうしよう。
「何か声が聞こえたぞ。もっと蹴れ」
痛い。麻衣さんは危険だと感じて控え室に誘導してくれた。
控え室に戻り着ぐるみを脱がしてもらう。
「大丈夫?」
「蹴られた所痛いんです」
タイツを脱いで見ると赤くて少し腫れていた。
「ごめんね。ずっと付いてあげれなかったから」
「気にしないでくださいよ。麻衣さん別の仕事も
しないといけないんですから」
「店の人に頼んでチラシ配り代わってもらうから
私が着ぐるみ着る。田中さんに怪我させちゃったし。
気にしないで。私着ぐるみ着てみたかったの」
862名無しさん@着ぐるみすと
「そうですか。すいません」
私はタイツを脱ぎ着替えた。
麻衣さんに水をもらい休憩していた。
時間になったので麻衣さんは服を脱ぎタイツを履いた。
「汗くさいけど我慢してください」
着ぐるみ着るのを手伝い、
「閉めますよ?」
「お願い」
最後に靴を履かせた。
「行きますよ?」
麻衣さんはジャンプして合図した。
店頭に出るとまた子供に囲まれ麻衣さんは蹴られていた。
私が止めようとした時、麻衣さんは押されて転倒した。
近くの店員さんを呼んで麻衣さんを起こした。
「大丈夫ですか?」
小声で聞くと
「大丈夫」
と返事してくれた。
知らないうちに30分が経ち控え室に麻衣さんを誘導した。
863名無しさん@着ぐるみすと
「麻衣さん大丈夫ですか?」
「大丈夫。楽しいからまだやりたい」
「え、暑くないですか?」
「暑いし、重いし、苦しいけど楽しいよ。私Mなのかな?」
「それはわかりません」
「1人で店頭に出たい」
「危険です」
「大丈夫。店の人もいるし」
「もう時間だから田中さん、お疲れ様」
「店頭まで送って行きますよ」
「ありがとう。お願い」
私は麻衣さんを店頭まで送った。

「田中さんお疲れ様。帰りましょう」
事務所の女の人が迎えに来てくれた。
「着ぐるみは大変でしたか?」
「大変でしたけど、いい経験になりました」
865名無しさん@着ぐるみすと
863を書いたものです。
終わりましたので他の方どうぞ。