状態: 完結, 文字数: 6,105, 投稿数: 11 # キャラショーの悪夢 234 :ピカ星 ◆LMKplaQJMQ:2008/09/13(土) 02:49:56 キャラショーの悪夢 都内にあるビルのイベントホールで、「ブレザーカーニバル」が催されている。ブレザーカーニバルというのは、夢見る少女達に絶大な支持を受けている変身美少女アニメ「学園戦士ブレザー・ベガ」の同人イベントである。会場ではいくつかのサークルが力作の同人誌を販売している。他に昨日放送された第35話での衝撃の展開について喧々諤々の議論をする集団、大声でオープニングテーマを歌っている集団がいくつか見られる。一見よくあるオンリーイベントのように見える。しかし、ただ一点他のオンリーイベントとは決定的に異なっていた。会場の壁際に設けられた特設ステージには、こんな看板がかかっていた。 学園戦士ブレザー・ベガ 着ぐるみショー 1回目11:00~ 2回目14:00~ イベント主催者の粋な計らいで、プロの着ぐるみショーチームが招致されていたのだ。開演30分前であるにもかかわらず、ステージの前はすでに満員で、各々の自慢のカメラの準備に余念がない。 235 :ピカ星 ◆LMKplaQJMQ:2008/09/13(土) 02:51:03 一方こちらはステージ裏。壁とステージの間の空間は控え室となっている。ステージの両脇には出入り口の扉がそれぞれ付いていて、そこから入りとハケを行うのだ。 「ただいまー」 明るい声と共に1人の女性が控え室に入ってきた。彼女の名はプラム。うら若き19歳である。今回のショーでは主役のブレザー・ベガの中に入っている。 「おかえりー。ずいぶんと遅いですわね。ひょっとして“大”のほうじゃなくって?」 お嬢様口調でプラムを茶化したのはミウラだ。彼はスレンダーというか骨が目立つひょろりとした男で、ブレザー・デネブを演じている。 「デネブ、悪ふざけはよしなさい!厳罰に処すわよ!」 そういって、悪乗りした男はカワチだ。彼は少しむっちりとした肉付きのよい体格だ。ブレザー・アルタイルの中の人だ。 「んもう、違いますって!ちょっと会場の中を見て回っていただけですってば!」 膨れるプラム。「でも、大人ばっかりで子供が1人もいない会場なんて初めて。いたずらされたら嫌だな・・・」 「大丈夫、ほとんどのオタクはマナーいいですし、心配ないですよ」 「そうそう、普段のショーでも子供達と一緒に盛り上げてくれるんでありがたいっすよ」 ブレザー・ベガ達の敵、バンカラ団の幹部を演じる2人の青年、クルシマとオガワが優しい言葉をかける。 「何くっちゃべってるんだぁープラム!!開演時間迫ってんだぞ!さっさと着替えて来い!」音響担当のオヤジ、ウツギがどやす。プラム以外のメンバーは全員着替えを済ませ、後は面をかぶるだけという状態だ。 「は、はいっ。行ってきますぅー!」 236 :ピカ星 ◆LMKplaQJMQ:2008/09/13(土) 02:52:38 プラムは急いでカーテンで区切られた彼女専用の着替えスペースに向かった。 着替えスペースに入って、急いで服を脱ぎ捨てた。そして、肌色のタイツに身を包んでいく。少し管理がいい加減なので、前任者達の汗のにおいが鼻を突く。 その後で白くテカテカしたレオタードを着ていく。このレオタードは首周りにワイシャツの襟がくっついている。そこに短めの赤いネクタイを通して結ぶ。ちょうどネクタイが彼女の豊かな胸の上にちょこんと乗っかって、健康的なお色気を振りまいている。レオタードの下の部分には赤を主調としたチェック柄のミニスカートがついているが、直立しているときでもレオタードの股間の白い部分がちらついて、恥ずかしい。さらに上には胸の辺りまでの長さまでしかないブレザーを着る。胸には「全ブ連」のエンブレムの刺繍がはいっている。最後に太もも中ほどまでの長さの真っ白なソックスと黒いローファーを履いて・・・と。おっと、変身道具のブレイズウォッチを付けるの忘れてた・・・これでよしっと。ちなみにデネブはネクタイ、ブレザー、スカートの色が緑、アルタイルは青となっていて、コスチュームの形状は3人とも同じである。着替え終わると同時プラムはみんなのところに駆けていった。 237 :ピカ星 ◆LMKplaQJMQ:2008/09/13(土) 02:53:39 ここで、学園戦士ブレザー・ベガについて説明しておこうと思う。全国ブレザー連盟(全ブ連)の指導の元、ブレザーは順調に普及していた。しかし突如、ブレザー殲滅をもくろむ謎の集団「バンカラ団」が現れた。バンカラ団は「レトロンディ」という怪人を使って、「ブレザー狩り」を始めた。全ブ連はスーパーコンピュータで3人の女学生を選び出し、彼女らに協力を求めたのだった。かくして、元気いっぱいの赤毛そばかす娘「ブレザー・ベガ」金髪縦ロールの高ビーお嬢様「ブレザー・デネブ」、「厳罰に処す!」が口癖の厳しい委員長キャラの眼鏡っ子「ブレザー・アルタイル」の3人は今日も制服の選択の自由を守るべく戦い続ける、とまあこんなしょうもない感じのアニメなんだが、なぜか大ヒットして、来年度春からの新シリーズで「ブレザー・スピカ」なる新キャラが登場するんだとか。 「よし、じゃあ台本の確認を始めるぞ」ウツギが中心となって台本の最終チェックを行う。 今回のショーのストーリーのおまかな流れは以下のとおりである。 1. レトロンディ登場。会場の“お友達”に襲い掛かる。 2. ブレザー・ベガ、ブレザー・デネブ、ブレザー・アルタイル登場。レトロンディ撃退。 3. ブレザー・ベガ、学校に忘れ物を取りに帰るため、はける。 4. レトロンディ再登場。催眠装置でデネブ、アルタイルを操ることに成功、4人ともステージから掃ける 5. ベガ登場。レトロンディと一緒にいるデネブ、アルタイルに会う。 6. 操られた2人に攻撃され、ベガ、ピンチ。 7. お友達の声援で復活し、催眠装置を破壊。 8. 3人の合体技「インフィニット・サマー・トライアングル」でレトロンディを浄化。めでたしめでたし 確認が終わると開演の五分前。通信用のイヤホンをつけ、ライムはベガの面を手に取った。燃えるようなカーリーな短髪、そばかすの目立つ笑顔。 「今日もよろしくね」ライムはそうつぶやくとベガの顔をかぶり、外れないようにしっかりと固定した。他の全員も面をかぶり、所定の位置に付く。 「よしじゃあ行くぞ」ウツギが音楽を流す。 238 :ピカ星 ◆LMKplaQJMQ:2008/09/13(土) 02:55:01 低重音の不気味な音が響き渡り、学ランを着た2人の怪人が出てきた。2人とも毛深く、ゴリラのようである。赤い目にとがった歯の醜悪な顔つきだ。 レトロンディ1(クルシマ)「我らはバンカラ団の忠実な戦士レトロンディ。この世から憎きブレザーを消し去るために日々戦っているのだ」 レトロンディ2(オガワ)「おおっと、ここには人間がたくさんいるぞ。もしかすると、この中にもブレザーの奴が隠れているかもしれないぞ」 「よし、しらみつぶしに探して、引きずり出してやる!」 2人がステージから降りて、“お友達”に襲いかかろうとしたその時、 「待ちなさい!! ブレザアアァ、オンッッ!」×3 変身シーンの効果音が流れ、ベガ、アルタイル、デネブの三人が勢いよく飛び出した。 ステージの中央に立ち、名乗りを上げる。 「希望の星、ブレザー・ベガッ!」シャキーン! 「裁きの星、ブレザー・アルタイルッ!」シュピーン! 「魅惑の星、ブレザー・デネブッ!」キラーン! 三人とも効果音にあわせてケレンミたっぷりに見得を切る。 べ「私達には制服を選ぶ権利がある!」 デ「レトロンディみたいなイケナイ子は!」 ア「厳罰に処す!銀河のチリになりなさい!」 レ1「また出たな、今日こそ貴様らを倒す!」 レトロンディ達がステージに上り、バトルが始まった。 「ガンバレー、ベガアアァ!」 「デネブ、負けんなああぁ!」 「アルタイル、立てええぇ!」 観客達は惜しげもなく声援を送る。カメラのシャッター音が絶え間なく響く。外付けのフラッシュの光が互いの目を焼く。 レトロンディを撃退し、はけていくベガ達。観客達はしばし小休止したり、カメラの絞りをいじったりしている。 239 :ピカ星 ◆LMKplaQJMQ:2008/09/13(土) 02:56:43 再びレトロンディがステージに現れた。 「・・・やれやれ、またやられてしまった」 「そうっスねえ」 「一体奴らの弱点は何なんだ?」 「・・・そうだ、奴ら3人一緒じゃないと力を発揮できないっスよ」 「なるほど・・・、しかしいったいどうやってばらばらにするんだ?」 「先輩、僕にいい考えがあるっス」 耳元で何かヒソヒソと内緒話をしている。 「・・・さすがだな、お前のような天才を後輩にもって俺はうれしいぞ!」 「これで先輩と僕は幹部昇進間違いなし。グッフッフ」 「早速準備をしよう。今日がベガどもの最後の日だ」 ・・・そういって舞台袖にはけていく2人。 軽快な音楽と共に、アルタイル、デネブがステージから出てきた。 「この公園においしい移動クレープ屋さんが来ているのよ」 「庶民の味も、たまにはいいですわね。楽しみですわぁ」 ザアアァ~、ガッ、ぴぃ~ 「あー、ただいまマイクのテスト中」 ア「この声は!」 デ「レトロンディ!」 あたりをきょろきょろと見回す2人。 「あいつら、公園にある防災用のスピーカーでしゃべっているのね」 「忌々しきブレザーの戦士ども、これが貴様達の最後になるのだ!」 「何ですって!?」 次の瞬間、ウォンウォンウォン・・・という奇妙な音が流れてきた。 デ「・・・・・・何ですの、この感覚」 ア「体に力が入らない」 デ「はあはあ・・・それに・・・なんだか・・・眠い」 ア「もうだ・・・め」 2人ともその場に倒れてしまった。そこへレトロンディ達がやってくる。 「作戦成功っスね」 「ああ、これで後はベガだけだ。ふふふ・・・はははははは」 レトロンディ達は2人を担ぎ上げ、はけていく。 240 :ピカ星 ◆LMKplaQJMQ:2008/09/13(土) 02:57:50 レトロンディ達は2人を担ぎ上げ、はけていく。 「おまたせー、あれ、2人共もう帰っちゃったのかな?」 再び、登場したベガはきょろきょろと辺りを見回す。 「おやおや、誰を探しているのかな?ブレザー・ベガ」 レトロンディが出てきてベガに尋ねる 「ひょっとしてお友達を探しているのかい?」 「あんた達の仕業ね。2人を返しなさい!!」 すごむベガ。 「ああ、返してやるよ。出て来い。デネブ、アルタイル」 次の瞬間、観客達とプラムはみな凍りついた。 「デネブ!アルタイル!」 完全パッケージショーなのでせりふが流れていくが、ベガは棒立ちしたままだ。 舞台袖から出てきたベガとアルタイルは、エナメルのボンデージに身を包み、後ろ手にロープで縛られ、目隠しをしていたのだ。こんなの台本にない。 「ライム、声のとおりに演技をするんだ。さもないとクビだ」 イヤホンからウツギの冷たい声がする。ライムはパニックになっていたが、クビがかかっているので、とりあえず演技を続ける。 「今、ほどいてあげるからね」 ベガは2人のロープと目隠しを外してあげた。その途端、デネブはベガの後ろに回って、ベガの両腕を上に伸ばさせ、右の腕でがっちりと固定してしまった。さらにアルタイルも、あぐらをかくような感じで足を組み、ベガの足を動かせないようにしてしまった。 べ「ふ、2人とも、どうしちゃったの!?」 ベガの声が震えている。完パケの内容も練習時のものとは違っているようだ。中にいるプラムも脳内がショート寸前だった。 (一体何がどうなってんのよ!?) 241 :ピカ星 ◆LMKplaQJMQ:2008/09/13(土) 03:00:23 デ「わたくし、ずっと前からベガのこと、好きだったんですの・・・。友達としてではなく、恋愛対象として・・・。今、やっと自分に正直になれましたの。もう迷いませんわ」 そういうとデネブは左手でベガの胸をつかみ、もみ始めた。 デネブ「あぁ、ベガのここ、暖かくて柔らかい。学校で、隣の席のあなたを見るたび、あなたの胸をモミモミしてみたいって、私の手で形を変えてみたいって思ってた。学校から帰ると、私のショーツには恥ずかしいシミができてたわ・・・。できることなら、もっと早くこうしたかった・・・」 このせりふを言っている間にも、次第に愛撫が激しく、早くなっていく。プラムは大声を出して助けを求めていた(ちょっ、ミウラさん止めて、あうっ)が、面の中でむなしくこだまするばかりで、誰にも聞こえない。 ア「私もベガを性的に欲していたの・・・。でも、私、女の子だから、ベガに嫌われるのが怖くて・・・。でも、私はもう我慢できないの」 そういうと、ベガのスカートをまくり上げ、レオタードの上から人差し指の腹を使ってツゥ―と指を割れ目に沿って滑らせる。 「ハアァ、割れ目、スッゴク蒸れてる・・・。あら、小さいベガもかわいい~。あ、今ピクピクってした。そんなにシてほしいのね。小さいほうのベガは悪い子ですねえ。厳罰に・・・処しちゃうんだからぁ」 いまや、アルタイルの指はレオタードの内部に侵入し肌タイツ1枚隔ててプラムの豆を刺激していた。 観客達はもはや、写真を撮るのも忘れ、目を皿のようにして3人の行為を見ていた。彼らはもう何も考えようとしなかった。目玉だけの存在となっていたから。 一方、プラムは残酷なほどの快楽の中、1人あえいでいた。ベガの面の穴はピンホールなので、視界が狭く、自分の体がまったく見えない。だから、誰がどのような刺激を与えてくるのか分からない。身構えて防御することができない。ゆえに、急に刺激箇所を変えられると、実に切なくなってしまい大きく腰が引けてしまうのだ。 (ミウラさんもカワチさんも、どうしてこんな、くうぅ) 242 :ピカ星 ◆LMKplaQJMQ:2008/09/13(土) 03:01:23 ザァ~、イヤホンからの声だ。「楽しんでいるかね」 (ウツギさん、一体これはどういうことなんですか) 「これは、約束を破った君への罰なんだよ」 (約束、一体何のこと?) 「君の歓迎会を開いたとき、こう言っていた。『私、まだ経験がないんですよ』そして君はこんなことを言っちゃった。『この中の誰か、私の“初めて”もらってよ~』」 (あれは、酔った勢いで、約束ってわけじゃないです!) だが、通信は一方向。プラムの声は面の中で響き、耳がキ―ンとなっただけだった。 「だが君は最近彼氏ができて、一夜をともにしたそうじゃないか。我々は君に罰を与えようと決意した。そう、君以外のメンバー、観客達はすべてグルだ。皆、君の処罰される姿を見に来たってわけだ。このオフ回を開いたのも俺達だよ。安心しろ。何もケガさせようってわけじゃない。究極の快楽の世界への片道旅行にいってもらうだけさ・・・。じゃあな、永遠に。」 ライムの心はぽっきりと折れた。自分はそんな身勝手な理由で罰せられるのか。だが、ここからの脱出は不可能だ。もう自分は自分には戻れないかもしれない・・・。突然、ベガの面が外れ、プラムの顔がさらされた。それは美しく淫らな、快楽と絶望で彩られた表情だった。 「はい、カットー、以上でクランクアップですー。おつかれさまでしたー」 向こうから、スーツ姿の男が駆け寄ってくる。 「プラムちゃん、初めてにしては上出来だよ!君はきっと大物になるぞ!」 243 :ピカ星 ◆LMKplaQJMQ:2008/09/13(土) 03:02:28 数ヵ月後、DVDレンタルショップの一角で、あるDVDが大量に貸し出されていた。パッケージにはこう書いてある。 「キャラショーの悪夢 ~美人Fカップ着ぐるみアクターを襲う淫乱な罠~ AV界の新しいキラ星、にじいろプラム デビュー作!! 映像特典として、お面内に小型赤外線カメラを取り付けて撮影したショー中の面下の顔を完全収録!!」 <完> この物語はすべてフィクションです。 ご感想お待ちしています。 248 :ピカ星 ◆LMKplaQJMQ:2008/09/13(土) 14:17:51 申し訳ないです。「ライム」って書いてあるところ、「プラム」に脳内変換してください。