Dollersシリーズ4 〜そして真相へ〜

状態
完結
文字数
10,377
投稿数
18
他の形式
Plain Text
RDF
282夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
KG様、割り込んで書くことをお許しください。
 Dollersシリーズ4 ~そして真相へ~
私はついにたどり着いた。深夜の色町の中にひっそりと灯る赤いネオン、重苦しい扉・・・。そう、私はついにDollersの入り口を発見したのだ!Aの依頼を受けてからすでに2ヶ月が経過していた。ああ、なんと言うことか。まさかこんなにぎやかな通りに店を構えているなんて、一度探していた場所なのになぜ見落としていたのだろう!いや、そんなことはどうでもいい。早速潜入捜査だ。彼女達が一体何者なのだろうかという疑問、それ以上に継ぎ目のない着ぐるみとは一体どのようなものなのかという好奇心が私を突き動かしていた。早速扉を開けて中にはいってみる。
「いらっしゃいませ」
西洋のアンティーク様式の待合室で、肘掛け椅子に腰掛けていた黒髪のメイドさんがこちらに歩み寄ってきた。
「ここは私達人形が人間の悲しみを癒してさしあげる場所でございます」
顔や首周りを見る限り、Aの言っていた通り彼女には継ぎ目らしきものは一切見られない。本当にどこから中に入っているのだろう。いや、いくら見ても無駄だろう。AやBさんは衣服を脱いだ彼女達を目の前で見ていたにもかかわらず構造を見抜けなかったのだから。ここは一か八か、ここのオーナーに直接話を聞くしかないか。
「あの、どうかなさいましたか?」と小首をかしげるメイドさん。
「ここのオーナーと直接話がしたい」
はっきり言って駄目で元々だった。メイドさんの返答を待つ2,3秒がこんなにも長い。
「・・・・・・分かりました。こちらにどうぞ」
メイドさんはあっさり許可してくれた。オーナーの部屋に案内してくれるという。
途中、薄暗い廊下を延々歩いたり、階段を何度も上ったり降りたりした。外から見た限りでは、あのビルはここまでの広さはなかったはずだが・・・。
メイドさんは迷うことなく私を導き、やがて、黒い扉の前にたどり着いた。“VIP room”
と書かれている。
283夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「この部屋でお待ちください。すぐオーナーを呼んでまいります。お茶もお持ちしますね」
メイドさんは私を部屋に通し、パタパタと駆けていった。
部屋の中は薄暗く、オレンジ色の背の高い電気スタンドが優しく輝いている。天蓋つきの二人用ベッドが部屋のど真ん中にあり、近くに洒落たデザインの飴色の木のテーブルと椅子が置かれている。部屋の中は霞がかかっているようにぼんやりとしか見えないので正確な広さや様子はわからない。お香でもたかれているのだろうか?頭の中がトロリとなるような強烈で甘美な香りだ。私は椅子に座るとメイドさんのいない間にポケットのなかの小型録音器のスイッチを入れておいた。
「お待たせしました」
メイドさんがティーポットとカップを銀盆に持って入ってきた。しかし、彼女はメイド服ではなく、アダルティーなランジェリーに身を包んだあられのない姿だった。漆黒のレースの長い手袋と靴下(ガーターで引っ張り上げ、いわゆる“絶対領域”を形成していた)、見えてはいけないところがうっすら透けていそうなショーツとブラジャー(メイド服のときは分からなかったが、意外とふっくらした胸をしていた)。ウブな私にはかなり刺激が強い。しかし、おかしなことに部屋に入って来たのはメイドさん1人であった。彼女はテーブルにティーセットを広げ、目の前でポットからお茶を注いでくれた。透明に近い緑色で、なにやらミントのような香りが立ち上る。早速一口飲んでみると、すっきりとした味で歯磨き粉のようなピリピリした後味が残る。
「あの、オーナーはどこに?」
「ワタクシがオーナー兼案内人の「リュネ」と申します。“夢幻征四郎”様」
「!!なぜ、私の名を!?」
リュネはおもむろに立ち上がると、奥からノートパソコンを持ってきた。その画面には、こう書かれていた。
284夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
【妄想】着ぐるみ小説スレ第5章【連載?】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
114:夢幻征四郎:2008/07/13(日)00:20:53
私はAの話を時に悶々と、時に目を潤ませて聞いていた。Aはその後着ぐるみコスプレに目覚めたのだそうだ。
「どうしても淫子を超える子ができないんだ。」とAはいう。
「それにあのときのお礼を改めてしたいんだ」

私は一週間にわたりAに聞いた場所とその周辺を調べたが、何の手がかりも得られなかった。
「Dollersの扉はいつも苦しむ人の前にここに現れる」と淫子さんはいった。他にも目撃者がいるかもしれない。そこで2ちゃんねるにも報告書を書いたのだ。誰か情報を提供していただけないか。心あたりがあればこの掲示板に書き込んでいただけないだろうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ネット掲示板に実名で書き込みをするのはあまりお勧めできませんね・・・あなたのことはいろいろと調べさせていただきました。顔写真やら経歴やら見つけるのは造作ないことでしたよ。夢幻様はここに入る資格があることを「自覚」していなかったので今までここには入れなかったのですが、一応ここに入る資格がおありでしたので、このたびお招きいたしました」
「なぜ今更・・・。秘密をかぎまわる私を始末するつもりか?」
私は走って逃げようと思ったが、椅子から立ち上がらないうちにリュネは私を強く押さえつけると私の顔を両手でつかみ強引に彼女の唇に引き寄せた。
「む~~~」
私は激しく暴れて抵抗したがリュネの腕力は強く逃れることができない。しかも彼女は自分の口の中に舌を侵入させて私の舌に絡め始めた。
「んん~~~」
私は激しく困惑した。彼女はその豊満な乳房を私の胸に押し付けムニュムニュさせてきたし、ひざを私のモノのある位置にあてがい、ズボンの上からグリグリと刺激してきたからだ。リュネの舌が私の敏感な口腔をくすぐり、胸の感触をアピールし、モノを弄ぶ。女の武器をフル活用した攻撃が私の戦意を削ぐのに5分とかからなかった。
285夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「落ち着きましたか?」
もう逃げ出さないと判断したのか、私がぐったりとしてしまうと彼女はテーブルの向こう側の椅子に腰掛けた
「夢幻様を始末しようなんて・・・・・・いえいえ、逆です。憶測で物を言われてしまうと皆さん誤解してしまうではありませんか。他の仲間達と話し合って、いっそ真実をお話したほうがいいと決まりましてね。」
「へ・・・?ということは?」
「お答えできる範囲で、お話いたしますわ」
と、リュネは軽く微笑んだ(様に見えた)。内心あまりにも簡単に話が進んでいることに肩透かしを食っていたが、いよいよ彼女達の秘密に迫れるのだから、そこは表情に出さないように努めていた。
「先ほども申し上げたように、ワタクシ達はお客様の悲しみを癒すために存在しています」
「そこがよく分からないのです。その『悲しみ』とは何ですか?」
少しの間をおいてリュネははっきりとした声で答えた。
「・・・・・・孤独、特に性的な孤独です。食欲は食物によって満たせます。睡眠欲は寝ることによって満たせます。ですが性欲は・・・人によってしか、人による愛でしか満たすことはできません。しかし、それを望んでも得られないばかりに傷つき苦悩する人はあまりにも多い・・・。ワタクシ達は信じているのです。人形の仮初めの愛でも、お客様の苦悩を少しだけ軽くすることができる、と」
「あの、もしかしてここに入る資格というのは、その孤独感を自覚しているということですか」
ふられてしまったA、奥さんとの死別を改めて痛感していたBさん、確かに彼らは孤独感を強く感じていたはずだ。(夢幻は知らないが、タジマもまた、パートナーがおらず、性欲を発散できない孤独感をかかえていたのであのような行為に及んだのである)
286夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「はい。大なり小なりの孤独感を感じているお客様のみ、ここの扉を見つけることができるのです。そういえば、AさんとBさんはもう一度ここに来たいとおっしゃっているようですね。ここに入れなくなったのは孤独感から解放されて資格を失ったからでしょう。お気に召しましたようでうれしいのですが、早くここでのことは忘れて、明日を向いて生きていくように、とお伝え願いたいです」
 私はすっかり圧倒された。ただの風変わりな風俗店だと思っていたが、あまりにもしっかりとした営業方針にすっかり惹かれてしまったのだ。会話が途切れ、しばしの沈黙。会話を切りたくなかったので、私はハーブティーを一気に飲み干すと一つ質問を投げかけた。
「なかなか立派な営業方針ですね。しかし、一体この店どうなっているんですか?たての野の外見よりずっと広いですが。それに、いつから営業しているんですか?」
すると、リュネはハーブティーを注ぎながら思いもよらぬことを言った。
「ここは、あのビルの中ではありませんよ。おそらく『始まりも終わりもない空間』なんです。広さにも終わりがないので、こんなにも広いのです。時間的にも始まりと終わりがない、つまりワタクシとこの空間は『最初からあった』のです。人間の孤独を癒すことも『最初からやっていた』という具合なのです。ワタクシは不老不死の体で終わらない時の中、志を同じくする者に不老不死の法を施して、少しずつ仲間を増やしながら人間の孤独に寄り添ってきました」
私は口をぽかんと開けて、彼女の話に聞き入っていた。冷静に考えると彼女の話は信じがたかったが、不思議とうそを言っているようには思えなかった。
287夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「さて、そろそろ効いてきたようですね」
リュネが意味深な言葉をつぶやき、私の下半身を指差す。指の先を見るとなんと私のモノが、ズボンをつき破らんとばかりにいきり立っていたのだ。あまりの恥ずかしさに必死に手で隠す。何てことだ。いくらリュネが下着姿だからって・・・。そこまで考えた後、頭が真っ白になってしまった。
「照れることはありません。この部屋を満たしている香りには性欲を増進させる効果がありますから。自然なことです」
リュネはさらりととんでもないことを言う。
「なぜそんなことを!?私は別にサービスなんて求めてなんか・・・」
「お話ばかりでは退屈かと思いましてね。ご無理をなさらずとも、よく分かっていますよ。あなた、今まで女性を避けてきましたね?女性との付き合い方がよく分からない。ましてや性関係なんて皆目検討がつかない。そう思ったのでしょう?そのぼうぼうの髭と髪も、野暮ったい格好をすれば絶対に女性は寄ってこないと思ったからですよね?」
心の中を完璧に見透かされた私は、ぐうの音も出ず黙りこくってしまった。
「恐れることはありません、何一つ。ここでの秘密は永遠に守られます。ありのままの気持ちをさらけ出してもよいのですよ。メニューもございますが、お好みを言っていただけたほうがいいかもしれませんね」
女性経験のない私を見下すことなく、リュネは優しく誘ってくれているのだ。しかし女性への懐疑心が先にたち、私は頑なに口を閉じたままだった。
「特になしということは、お任せでよろしいですね。途中で気が変わりましたら、いつでもお申し付けくださいませ」
リュネはティーセットを端に寄せると、テーブルの上にぺたりと座り、ショーツの両脇の蝶結びを解いた。白いつるりとした恥部があらわになる。ブラジャーのホックにも手をかけ、押さえつけられていた乳房を解放した。
288夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「まずは女性の体をよく知っていただけたらと思いまして。人形ですのでワタクシの体は確かに作り物ですが、女性のそれを正確に模しております。たぶん中に人がいるとすれば、女性ではないでしょうか?」
そういうと、リュネは自分の割れ目に手をかけ目一杯開き、私に見せつけてきた。
「ここがク○○トス、女性の勃起体ですね。本物なら性的に興奮するとここが勃起し、股全体が湿ってくるのですが、私は人形ですゆえ、そうはいきません。ご了承ください。そしてここがいわゆる性の穴、ワタクシのは途中でふさがっていますが本物の女性でしたら・・・・・・」
知識のない私にも自らの体で分かりやすく示してくれる。私は好奇心に勝てず、そこをじっと見つめてしまっていた。
「そうそう、先ほどワタクシ達人形の体の仕組みについてお話しませんでしたね。私はただの人形ですが、もし仮に中に人が入っているとすれば、中の人はこれを体に塗っているのです」
リュネはそういうとお茶を持ってきたお盆の上にあった小瓶を手に取った。中には肌色のドロドロした流体が入っている。
「これは熱で収縮、凝固する液体です。これを体に塗ることで薄い膜を形成し、体温でちょうど良い固さで固まります。顔の部分は私のみが自由自在につくり換えることができます。仲間の顔もすべて私が作りましたの。それゆえに仲間達はワタクシを創造主(クリエイター)と呼びます。」
リュネは私の目の前で小瓶を振りながら話を続ける。
「それで、もし、もしもワタクシの中に誰かいるとしたら、その人は大変でしょうね。想像してみてください。熱で収縮してくる皮に、身長が縮む位ぎゅうぎゅう締め付けられて、そこから逃れようとしてとっさに皮を引っ張っても体に張り付いて決してはがれない。それに少しでも体を動かすと他のところがグイって引っ張られて切なくなってしまうでしょう。まるで無数の手がまとわりついているように。例えば・・・・・・」
289夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
そういうとリュネは自分の胸をつかみ、円を描くように揉み始めた。
「ほら、ワタクシのお股、皮が食い込んでいっているの、お分かりですか?」
確かにリュネが胸を揉む1サイクルごとに股の皮が上下どうしているのが分かる。
しかも、皮が食い込むときと元の位置に戻るとき、何かに反応してピクッと痙攣し、ばつが悪そうに足がもじもじするのである。
「その上、皮が熱の放出を阻害して、体じゅうがすぐに熱くなって、特に恥ずかしいところなんか、足を閉じていることが多いし、スカートやショーツやパニエに覆われているから、嫌らしい熱にさいなまれるのです。それにワタクシ達は穴がふさがっているから人間みたいにイって性的興奮を発散することもできませんし、細胞を活性化させているから気絶して逃れることさえ出来ないのです。それこそ、快感から逃れるためには服をすべて脱ぎ捨て指一本動かさずにじっとしているか、中から出てくるかしかないのです」
こう言いながらもリュネは自らを攻める手を止めない。むしろ、どんどん加速していく。
「じゃあ、そうしたらいいじゃないか。どうしてそんな苦しいところでがんばり続けるんだ?そんなことで一体何の得があるっていうんだ!?」
私は強い口調でリュネを問うた。なんとも悶々として、彼女の嫌らしいショーを見ていられなかった。
「裸になっているところを他の誰かに見られたら、羞恥心でかえって悶えてしまいますわ。結局、どうあっても快楽から逃げられません。でも、ここは素晴らしい場所なのです。この皮は細胞の活性化作用があって私たちに永遠の命を保障してくれますし、普通の人間には到達できない快楽の極致を味わうことができますから」
私は彼女の言葉攻めにすっかりやられてしまったようだ。口の中にたまった生唾をごくりと飲み込んで、リュネの体をまじまじと見ていた。こんなにきれいなのに・・・。常人が決して覗き見ることができない淫靡な世界を内包しているのだ。
290夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「あらあら、申し訳ありません。ワタクシばかり気持ちよくなってしまって・・・。でもご満足していただけたようですね。今度こそ夢幻様が気持ちよくなる番です。どうぞ、ベッドに入りましょうか」
私はリュネに手を引かれてベッドまで行き、服を脱がされる。思わず自分のモノを隠した私の手をリュネは優しく解き、彼女に促されるままベッドに寝ころがった。彼女はベッドの周りの藤色の薄いカーテンを締めてこう言った。
「夢幻様は横になっているだけでよいのです。自分だけ気持ちよくなっては悪いなんて考えないでください。ワタクシのことはお気遣いなく」
そういうとリュネは右手の手袋を外し、私のモノをこすり始めた。右手のすべすべと滑らかな感触は、まるで、シルクのハンカチがまとわりついているようだ。また左手はレースの布が私の敏感なところをくすぐる。そう、リュネは親切にも二つの触感を同時に楽しませてくれているのだ。普段の自慰ならまだ序の口という時間で、簡単に上り詰めてしまった。もう出るというところで突然リュネの手が止まる。
「え、どうしてやめちゃうの?」
「・・・・・・夢幻様、ワタクシが普段どんな気持ちになっているか、興味はありませんか?」
確かに、先ほどの彼女の話を聞いて、この行為の最中にもいやらしい熱と無数の手がまとわりついているように皮が体に張り付き弄ばれて、どんなにか悩ましいのかと興味があったし、常人に到達できない性感の境地に招待されたらどんなにかいいだろうと、リュネをうらやましく思っていた。
「そりゃ、興味あるけど・・・・・・」
「でしたら、先ほどの液体を塗って差し上げますわ」
291夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
そういうとリュネはベッドに持ってきていた先ほどの小瓶を取り出し、中の液体を私のモノに塗ってくれた。あるいは最初から私に体験させてくれるつもりだったのかも知れない。
液体は即座に固まって、次の瞬間、私はまるで牛の乳絞りのような感じで、モノを握られているような感覚に襲われた。予想をはるかに上回る締め付けと断熱性による自らの嫌らしい熱に軽く悲鳴を上げながら、リュネのことを考えていた。こんなのに全身覆われていたらさぞ辛いだろうに。さっき私のために、胸を擦り付けたり揉んだりしていたとき、ピクピク動くだけですむはずがないのだ。激しく身をよじって、床でもんどりうってもおかしくないのになぜそうまでして、慎ましやかであり続けるのか、メイド人形としての意地がそうさせるのか、それとも何か別の目的のためか・・・・・・。その疑問の答えが後者だと気付くのにさほど時間はかからなかった。
「せっかくです。ワタクシの中も味わっていってくださいませ」
そういうとリュネは仰向けになっている私にまたがり、滑りやすくするためのローションと私のモノにたっぷりと塗りたくり、彼女の割れ目を目いっぱい押し広げ、モノを彼女の穴にゆっくりと埋没させていく。
「はっ、ううぅん・・・、大丈夫、大丈夫だから、あうっ・・・くうぅ」
リュネの体は明らかに異物の進入を拒んでいた。少し入れると体が強く痙攣して辛そうだ。しかし、必死で自己暗示をかけて自身をなだめすかしながら、激しく悶えることなく、徐々に体内に沈めていく。あくまで余裕があるように、凛として振舞おうとする様子がいじらしく、かえって私の興奮を煽った。私のモノがこれ異常ないくらいガチガチになったころ、ようやく根元が隠れるくらいのところまで来た。
「いかがですか、ワタクシの中のお味は?」
「なんか、上手く言えないけど、こう、壁がムニュムニュして、時々キューと締め付けられて、すごく熱い・・・・・・」
「そうですか、ワタクシも夢幻様のモノの律動を確かに感じております・・・・・・。それではもう少しお楽しみを増やして差し上げます」
292夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
一時間くらいたったころ、私はもう5回はお預けを食らってかなりグロッキーだった。
「ふふふ、ワタクシの中の熱、ちゃんと夢幻様をエッチな気分にさせていますか?」
「もうそういうこと言うのはやめて!頭が変になる!」
そう言って私は手で耳をふさいだ。
「ワタクシ達人形は、お客様の心に直接声を送っております。耳などふさがれましても、ワタクシの言葉が夢幻様を悩ませるのを防ぐことはできません」
次の瞬間だった。突然私の体から汗が噴き出し、ガクガクと震え始めた。今までにない感覚。その刺激の激しさに私はすっかりパニックに陥った。
「あああああああっぁぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁああああああああぁぁぁああああ」
叫びを押さえられず、無意識にズンズンとモノをリュネの中に突き立てる。
「ああ、そんなに激しく腰をお振りになっては、私がもちません」
「はあはあ、助けて、お願いだから!」
私が懇願すると、リュネはすばやくモノを引き抜き、枕元にあった無職透明の液体を私のモノにかけた。すると、皮が見る見るうちに干からびて、ひび割れてぽろぽろとはがれた。それを見届けるとリュネは、今度は一気にモノを穴に埋め、再び腰を振り始めた。
「せっかくですから、中に出していただけますか?案内役をやっておりますとなかなか出番がなくて。久々に濃厚なお汁が飲みたいのですよ」
「そんな、中で出すなんて・・・・・・うわあっ」
結局我慢しきれずに中で出してしまった。ドプドプと音を立て注がれたそれは、穴から湧き水のようにあふれ出し、ベッドと彼女の下半身をねっとりと潤した。
「はあぁ、き・も・ち・イ・イ・・・・・・」
リュネは軽く身震いして嘆息した声を上げると、再びモノを引き抜きティッシュできれいに後始末してくれた。
293夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「ゴメン、シーツよごしちゃった・・・」
「いいのです。夢幻様のお汁のにおいに包まれて眠れるなら本望です」
「な、ななななな・・・」
「というのは冗談です。うふふ」
オイオイ。
「・・・・・・いかがでしたか。『初めて』は?」
「うん、いろいろあったけれど、そんなに悪くないかな。本当に愛し合える相手と寝るのだったら大丈夫かもしれない。でも、さっきのは一体?」
「あれこそが快楽の極致です。何度も何度も放出を我慢した結果、どんどん快感が強くなって、通常の10倍から100倍の快感を味わえるのです。これなら皮の中も良いものでしょう。どうです?夢幻様もここに残り、人形として生きてみませんか?」
「いや、それは・・・・・・」モノだけでも大変だったのに全身覆われたら・・・。そう思うと、私のモノは急激に回復した。
「うふふ。実際、この中に入り続けることができるのは、1万人に1人位です。先日も1人の女性が仲間に入ったのですが、最初のお客様がハードなプレイを御所網になりまして。精神崩壊してしまったのです。ワタクシは慌てて彼女を術で回復させ、記憶を書き換えた上で辞めていただきました」
その話を聞いてさらにモノが立ち上がってしまう。
「あら、回復が早いですね。まあ、先ほどのお茶には精液の生産を促進させる効能がありますから」
「あの、今度は、その・・・・・・。胸、触ってもいいかな?」
「はい、もちろんですとも。お茶の効果は最大12時間持続します。その間は何度お汁を出しても苦痛はありません。時間はたっぷりあります。ごゆっくりお楽しみください」
296夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
最終的に私はあの皮を使って、5回も快楽の極致を味わうことができた。大満足してそろそろ帰ろうと思い、お金を払うというと、リュネは、
「御代は結構です。ここはお客様の警戒心を解くために風俗店に擬態しています。最初から無料だというと、かえって怪しまれるので。お会計のときは、お客様だけにサービス、とか言って、ごまかしております」
と答えた。

「夢幻様、『青い月』という言葉をご存知ですか?」
「青い月?」
「あり得ないこと、という意味です。ワタクシ達人形もまた、『青い月』です」
「・・・・・・できればそうならないといいけど、もしこれから先孤独を感じたら、また来ていいかな?」
297夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「常に月が空にあるように、ワタクシ達は人間と共にあります」
298夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
店を出ると、東の空が明るくなり始めていた。帰ったらAやBさんに、そしてあの掲示板に報告書を書かなければ。一度振り返ると、そこにもう扉はなかった。再び前を向いて歩き出す。
299夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
私達は青い月に照らされているのかも知れない。
301夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
<終わり>
筆者の私が長いこと追いかけてきたのもまた、着ぐるみという名の「青い月」。月には決して手が届かないと知りつつも。
・・・・・・まあ、キザで気持ちの悪いあとがきはこれ位にして、と。真相を書きました。伏線はすべて回収したつもりです。
ご感想お待ちしておりますm( _ _ )m
324夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
ご感想ありがとうございました。申し訳ないです。読み返してたら抜けてた箇所があったのであげておきます。291と292の間に以下の文章が入ります。

そういうとリュネはゆっくりと自分の腰を上下に動かし始めた。動かすたびにぢゅぷぢゅぷと淫靡な水音が響く。
「ああ、や、やめて、それは、僕には、強すぎる」
「ご遠慮なさらずに、まだまだ序の口ですから、一段スピードを上げますね」
そういって、さっきまでの倍の速度で上下し始めた。初めての経験で我慢できるはずもなく、即座に限界に達する。
「も、もう駄目だ、出ちゃう」
「何が出てしまうんですか?夢幻様」
「何がって、くああっ・・・・・・!?」
刺激に耐え切れずリュネの中で放出してしまった・・・はずだった。しかし、私のモノはビクンビクンと動いただけで、肝心の淫液は皮に邪魔されて体内に押し戻されてしまったのだ。さっきリュネが言っていた「イって発散できない」というのはこういうことなんだと理解した。そんな私の様子の変化には気付かぬふりをして、リュネは腰を振り続ける。部屋の中にはギュポギュポとエッチな音が延々響いた。

・・・・・・以上です。毎回投稿ミスして本当にすみません。

正直、「液体を体に『塗る』なんて『着』ぐるみじゃない!」とお叱りを受けることを覚悟していましたので、ほっとしています。
ところで、まさかメイドさん(リュネ)がこのBBS見てたとはねぇ。案外フィクションでもなかったりして。(なんちゃって。本当にそうだったらいいですが)。不思議な空間で人の孤独を癒す着ぐるみ達って本当にありえないですね。
でも、そんなありえない月があってもいいと思うんです。優しく照らす青い月があっても。