Dollersシリーズ5 “兄妹考証”

状態
完結
文字数
10,715
投稿数
12
他の形式
Plain Text
RDF
336夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
Dollersシリーズ5 “兄妹考証”
着ぐるみ達が癒してくれる不思議な店、”Dollers”
今宵も孤独を抱えた人々が癒しを求めやってくる。

床一面に散らばったおもちゃやぬいぐるみ。扉を開けて目に飛び込んできたのはそんな、誰もが幼い日に見たありふれた光景だった。部屋の真ん中で2人の女の子がちょこんと座って仲良く遊んでいる。俺が部屋に入ってくると彼女達はぱっと振り返り我先にと俺の所に駆け寄ってきた。
「おかえりなさいお兄ちゃん♪」
「おかえりー☆ ねえねえお兄ちゃん、おみやげ買ってきてくれたー?」
ショートヘアの方の子が俺の顔を期待をこめた目で見ている(もっともその瞳は作り物なので、俺にそう見えただけだが)。
「えーと・・・・・・ゴメンな。今日忙しくておみやげ買い忘れちまったんだ」
「えぇーそんなぁ、楽しみにしてたのにぃー☆」
とショートヘアの方が俺の袖をぐいぐい引っ張りながら駄々をこねる。
「しょうがないわよ、ジャン。お兄ちゃんはお仕事大変なんだから♪」
とロングヘアの方が優しくたしなめショートヘアの方の頭を優しくなでる。そんな何気ない日常ドラマを展開している彼ら達3人だが無論本当の兄妹ではない。彼女達は生き人形、つまり一寸の隙のない着ぐるみなのだ。
337夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
10分程前、俺はこの奇妙な場所に来てしまった。どういう訳かぼろいビルにあった扉が目に付いてフラッと中に入ってしまったのだ。
「いらっしゃいませ。ここは私達人形が人間の悲しみを癒してさしあげる場所でございます」
古い西洋建築様式の応接間で、案内人を名乗るメイドさんからざっと説明を受け、成り行きにまかせてちょっと遊んでいこうと思い、指名する子を探してカタログを眺めていた。1枚の写真に目が留まる。
「あの、この写真、1枚に2人写っているんですけど?」
「はい、その子たちは必ず2人セットでご指名ください。料金は1人の時と同じでございます」
「それってめっちゃお得だね。どんな子達なの?」
「2人とも大変人懐こくて妹みたいな子達です。きっとフルヤ様のお気に召すと思います」
そこまで聞いて、再び写真に視線を落とす。
その写真の女の子達は軽く抱き合い、こちらにきらきらした笑顔を振りまいている。双子と言う設定らしく顔は瓜二つだ。写真の下にはこう書かれている。
「アン&ジャン ~Mischievous Twins~」
向かって右の子がアン、こっちが姉だそうだ。ブロンドのロングヘアは腰に届くくらいの長さで、軽くウェーブがかかっている。服装は黒と白を基調にした典型的なゴスロリ服で、レースがいたるところについたそれはふわりとした曲線を形作っている。描いてあるだけのはずなのに透明感のある、とび色の目に吸い込まれそうな気がした。あどけない顔立ちなのに結構発育のいい胸につい目がいってしまう。向かって左のショートヘアの子が双子の妹のジャン。彼は白いYシャツに黒い燕尾服、襟元にはちょこんと黒い蝶ネクタイをつけている。下はチェック柄の短パンといった感じだ。頭には小さなシルクハットがちょこんとのっている。双子らしくアンと同じブロンドにとび色の目だが、アンと比べてやんちゃな印象が強い。胸はお姉ちゃんに吸い取られてしまったのか、控えめである。なんだか双子と言うよりお坊ちゃんお嬢ちゃんといった表現がしっくりくる。ともかく俺は一度に2人相手にできると言う点に惹かれ、指名するに至ったのだった。それにしてもメイドさんの別れ際の言葉が気になる。
「くれぐれも寛容なお心で接してあげてくださいませ。たとえフルヤ様の貞操が狙われるようなことがあっても・・・・・・」
338夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「お兄ちゃんどうかしたの?ボーッとしてないで、アン達と一緒に遊びましょっ♪」
アンが俺の左腕にギュッと抱きついてくる。胸がムニュムニュとあたって兄としてイケナイ気持ちになってしまう。
「遊ぼ~、遊ぼ~、お兄ちゃ~ん、一緒に遊ぼうよ~☆」
ジャンも右腕に抱きついて揺さぶり、可愛らしくせがんでくる。見た目は結構いい年頃だと思うが、中身は結構あどけないようだ。そんな二人にせまられたら断れない。
「分かった、わーかったてば。・・・それじゃ何して遊ぼうか?」
「う~んとね、う~んとね、トランプやりたい☆」ピョンピョン跳ねながらジャンが言う。
「そうね、せっかく三人いるから、神経衰弱にしましょう。いいわよね、お兄ちゃん♪」
アンが同意を求めて俺の目を見てくる。ちくしょう、これじゃ格闘ゲームで対戦やりたいなんて言えねえよ!
「よし、神経衰弱な。かつてトランプ王と呼ばれた俺の実力を見せてやるぜぇ!」
「ジャンだって負けないよ☆」
「アンもがんばるわ♪」

とまあハイテンションなノリでカードを床に散らしてゲームを始めたわけだが、ここからが長かった。さすがに全力でやるのは大人げ無いと思い、少し手加減してわざと間違ったカードをめくったし、「7のカードはきっとこの辺にあるじゃないかな」とか「あっ、しまった。ハートの3はここにあったのか、ダイヤの3があそこにあったのになあ」とさりげなくヒントも出していた。だがアンもジャンもことごとく外して、一枚もカードが減らない。それにどうやらアンもジャンもわざと自分から遠いところにあるカードをめくっているようだ。しかもそのとき、二人ともピクンと身震いしては動きを止めるのだ。それにソックスをはいているため良くは分からないが、身震いすると同時に足の指がキュッと握られているようだ。ゲームを続けながら、いつしか俺の頭はなぜそんな動きをするのか解き明かそうとフル回転していた。ふと一週間前のことが頭をよぎる。

・・・・・・深夜、ネット上で恒例の掲示板巡りをしていたところ、とあるスレッドに行き着いた。「【連載?】着ぐるみ妄想小説スレッド」?覗いてみると、そこには着ぐるみを題材にした小説がいくつも書かれていた。読んでいくうち、こういう趣味もいいなと思っていると、1つ気になる小説があった。それは少しの隙もない完全な生き人形のような着ぐるみ達が孤独に喘ぐ人々を救済していく話だった。この文脈だとDollersは実在するって言っているようだが、まさかそんな。単なる都市伝説じゃねえか?と軽く流した・・・・・・・

そういえばこの店の名前は確か・・・・・・Dollers!まさか!?実在するわけがない。あれはフィクションなのだから。だがそれでは彼女達は何者なのか説明がつかない。小説どおり体には継ぎ目が見当たらないし、口の中まで素材で覆われている。こんな手の込んだことをするなんて普通では考えられない。ならば・・・・・・自分で出した信じられない答えに自分で絶句した。
Dollersは実在する!俺はそこに招かれた!
339夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「う~んと、これ♪あとは・・・・・・」
俺が考え込んでいる間にアンの番が来ていた。やはりカードをめくるときに自分から遠いところまでわざわざめくりに来ている。
「あれにしようかしら」
そういうとアンは俺の目の前のカードをめくろうと、散らしたカードの上をハイハイして近づいてきたではないか。1歩ごとに、ずっしりと垂れ下がった胸がぷるんぷるんと揺れる。俺は今設定上、兄として振舞っているが、こんな魅力的なものを男として見逃すわけにはいかず、つい視線が胸にいってしまう。
「あ、残念。また外れたわ・・・・・・お兄ちゃんどうしたの?お顔が赤いわ♪」
アンが不思議そうに首をかしげる。とっさにごまかそうと思ったが言葉が出てこない。
「い、いや、これは、なんでもないよ」
だがここでジャンがとんでもないことを言う。
「アン、お兄ちゃんはアンのおっぱいが気になってるみたいだよ☆」
うわ~これじゃ完全にスケベ兄貴じゃんか!?終わったよ、うん絶対嫌われた。
「お兄ちゃんはアンのおっぱいに興味あるの?」アンが無垢な目でこちらを見てくる。
「いや、その、あの・・・・・・」(いや、全然そんなことないですから!)
「見せてあげよっか?」
「・・・・・・へ?」
「お兄ちゃんが見たいのなら、アンのおっぱい見せてあげる♪」
そういうとアンはその場にぺたんと座ってゴスロリ服のジッパーをおろし、上を半分脱いだ状態になり、あらわになった白いブラジャーを下にずらすと、彼女の体つきに不釣合いなほど大きな乳房が姿を現した。部屋の照明が鈍く反射して、艶かしい陰影を演出している。
「うわ、すごく、きれいだ」
自分の体裁を考えもせず率直な感想が口から出た。アンは恥ずかしそうに斜め下を向き、ジャンは右手で俺を指差しながら口に左手をやり「クックック」と声を殺して笑っている。今度はアンの口から衝撃発言が飛び出す。
「お兄ちゃん、アンのおっぱい吸ってみてほしいの♪」
「え!いくらなんでも、それはちょっとダメだよ」
「どうして?アン、おっぱいが大きくなったのにミルクが出ないの♪お兄ちゃんに手伝ってもらえたら、きっと出るようになると思ったのに・・・・・・うっうっうっ」
アンは肩を震わせて泣き出してしまった(顔は笑ったままだが)。こうなると弱いのが兄の性なのだ。あわててアンをなだめる。
「分かった、分かったから泣かないでよぉ」
「・・・・・・じゃあ、おっぱい吸って♪」
もう逃げられない。意を決し、アンの乳首に口をつけ、軽くちゅうっと吸った。
「あん、もう少しで出そう。もっと強く吸って♪」
また泣かれても困るので、希望通りぢゅうぢゅうと思いっきり吸った。
「あはぁん、すごい♪こんなに引っ張られて、くすぐったくて気持ちいい♪」
アンは乳首から発せられる快感の波によって震えている。
「うん、ミルクまでは出ないけどアンのおっぱい甘くてすごくおいしいよ」
340夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
と突然、ジャンが駆け寄ってきた。なんと燕尾服やシャツの前がはだけて、乳房が丸出しではないか。
「アンばっかりずるいよ!ジャンのも吸ってみて☆」
そういうと、ジャンは俺の顔をつかんで無理やり自分の胸に押し付けた。着衣のときは洗濯板かと思っていたが、実物は小ぶりだが形がよかった。仕方がないのでジャンのも全力で吸った。ぢゅううっ
「んはぁっ、お兄ちゃん、すごい、強過ぎっ、ぅわっ☆」
ジャンは1吸いごとに仰け反ってよがった。アンのふんわりした乳房に比べなかなか弾力がある乳房だ。
「ダメ、お兄ちゃんはアンのおっぱいが好きなの♪」
アンはそういうと俺の顔を捕まえて再び自らの乳房に押しつける。マシュマロのような柔らかな胸に顔がめり込む。
「違うよ。お兄ちゃんはジャンのおっぱいの方が好きなんだもん。好きだよね?お兄ちゃん☆」
そういって俺の顔をアンから取り返し、再び自らの胸の弾力を俺に楽しませる。ひとつしかない俺の口を取り合って、少しでも長い間自らの胸に押し当て続けようとするなんてうれしいハプニングだったが、正直ちょっと参ってしまう。二人とも胸に俺の顔を押し当てるたびに、体の筋肉がキュッっと収縮するのだ。もしも、小説に書かれていたことが事実なら、二人の中ではぎゅうぎゅう締め付けられた胸をさらに俺の顔を埋めることでむちゃくちゃに変形させ、相当感じているはずなのだ。しかも着ぐるみを着ている最中は気絶したりして興奮から逃れることはできないそうだから、もう大変なはずなのに中から出てこないで俺を心地よくさせ続ける。俺の脳は急速に濁っていき、クリアな思考判断などできなくなった。流れに身を任せ俺の顔を二人の双丘にうずめるだけである。

「ねえ、アン見て☆」
突然アンが争奪戦をやめ、何かを指差す。彼女の人差し指の先で俺のズボンがまるでテントを張ったように盛り上がっている。恥ずかしくてぱっと手で隠した。
「あらあら♪お兄ちゃん興奮しちゃったのかしら?」
「ち、違うよ!そんなんじゃない!」
すると、アンとジャンはお互いに向き合い、
「ここは☆」
「やっぱり♪」

「確かめるしかないよね☆」
「確かめるしかないわね♪」

と声をそろえて言うと、俺にのしかかり仰向けに倒してしまった。
「な、なにをするん、うわっ」
一瞬、ふりふりのレースがついた白ショーツが見えた後、俺の視界は完全に黒で埋め尽くされてしまった。
アンが俺の胸の上に腰掛けて俺の動きを封じた。ロングスカートをふわりとひろげて座られたのだ。スカートの中の空気はかなり熱せられていてサウナのようだ。俺をとろかせるようなこの甘美なにおいは布がはき出した石鹸のにおいだろうか、それともアン自身がはき出したにおいだろうか。なんにせよおれの更なる興奮を煽ってくる。俺のズボンがはちきれる寸前までモノが膨らんでゆく。
341夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
カチャカチャというかすかな金属音が下半身のほうから聞こえている。一瞬何か分からなかったが、それはジャンが俺のベルトを外す音だと気付かされるまで時間はかからなかった。ズボンと下着がずり下げられ、下腹部一帯に涼しい空気を感じた。俺のモノが可愛い少女達の眼前に晒されてしまったようだ。
「うわあっお兄ちゃんのお○○チン、さっきよりもおっきくなっているよ☆ それにピクピク動いてる☆」
「そうね♪ アンのスカートの中のにおいをかいで、一層興奮しちゃったのかしら?」
「え~、お兄ちゃんって、エッチなんだなあ☆」
こんな破廉恥な会話がアンのロングスカートやパニエによって吸収されずにクリアに聞こえてくる。あの小説どおり彼女達は直接心に話しかけてくるからだろうか。これでは、興奮がとどまることはない。とうとうこれ以上ないくらいビンビンの最高硬度に至ってしまった。
そのとき、ズリズリと音がしたかと思うと、アンのお尻が迫ってきて、俺の口と鼻をふさぐ位置まできて止まった。口が利けないように、かつ窒息しないようにショーツを押し当て絶妙な高さで腰を浮かせている。パンツのにおいがより濃厚になる。どうも人間の体臭がほのかに感じられる。おそらく液体が硬化してできた彼女達の皮膚は、熱によってばらばらだった分子が結合し巨大分子となっているのだろうと想像していた。ある程度伸縮するそうだから、結構分子構造に隙間があると思われる。そこから皮膚呼吸したり、汗を水蒸気として放出することができるのだろう。それでも皮膚呼吸だけでは普通の人間が生命維持できるだけの酸素を供給できないが、この着ぐるみは何らかの方法で生命力を強めるそうだから・・・・・・いや、あくまでも想像だ。ただ、彼女達の中に間違いなく人はいること、そしてその中の様子を想像させる、汗のにおいをたっぷりと吸収したショーツのいやらしい香りを俺の肺腑の奥まで吸い込ませようとしていることは確かだ。
「うふふふ。ねえジャン、エッチなお兄ちゃんにいたずらしちゃいましょう♪」
「うん!いーたずーらいーたずーら、それっ☆」
4本の手が一斉に攻撃を開始した。玉袋をやわやわと刺激する手、棒をゴシゴシとこする手。ゴムのようなすべすべした、かつ弾力のある未体験の触感は俺をすぐさま上り詰めさせる。
「むご~、むごご~(やめてくれ~)」
「あれれ☆ 今何か聞こえなかった?」
「さあ?風の音じゃないかしら♪」
俺は必死に声を上げたつもりだったが、二人には届かない。いや聞き届けてなんかくれないだろう。あのメイドさんの言葉はこういうことだったのか。しかしなぜだろう、俺は二人のいたずらにいまひとつ乗り気になれない。
「ほらジャン、ここ触ってみて。カチカチよ♪」
「ほーんとエッチなおに~いちゃん☆ もっともっといたずらしちゃえー☆」
そうは言っても20本の指が休みなく絡みつき、それはもう素敵な香りのショーツのにおいを直にかがされて俺の意識は深い暗闇に落ちていった。
342夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
俺は無音の闇の中ではっきりとビジョンを見た。その中で俺が下着のにおいをかいでいる。そうだ。俺の家は両親共働きで、平日も休日も親達は家にいないことが多かった。そんなわけで俺はよく家事の手伝いをさせられてきた。ある時、洗濯物を洗濯機に放り込んでいると、見慣れないものが混じっていることに気がついた。母さんのブラジャーにしては小さすぎるし、何よりオシャレすぎる。それが一歳下の妹の初めてのブラジャーだと言うことに気付くまでさほど時間はかからなかった。さっきも言ったが母親はあまり家にいなかったので、自分にとっての一番身近な異性は妹だったのだ。不意に俺の中から何かが湧き上がり、家に誰もいなかったのをいいことに、妹のブラを、その・・・・・・鼻に押し当てクンクンにおいをかいでしまった。ショックだった。自分が気付かないうちに妹がこんなに大人の女性に近づいていたことに。それ以上にその妹に欲情してしまった自分に。
自分はひょっとして妹のことが好きなんじゃなかろうか?
その日以来、そんな思いが頭の中にこびりついてはなれなかった。長い間この思いを伝えるべきかどうか悩み苦しんだ。結局、思いを伝えられぬまま時は流れた。時は残酷にも、妹を美しい女性に、そして俺の知らなかった男の花嫁に変えてしまった。明日、あんなに可愛がっていた妹が嫁いでいくのだ。表向きは祝福したが自分の中で割り切れなかった。妹のウェディングドレス姿を見たくなくて明日の結婚式に出るのをやめてしまおうかとさえ思った。だが、アンとジャンに弄ばれてはっきりと分かった。

あれは恋なんかじゃなかった。

俺は妹と肉体関係を持ちたかったわけじゃない。ブラのにおいをかいだのは単に女性への好奇心からだったんだ。結婚を祝福できなかったのは、多分親よりも長い時間一緒にすごしてきた妹を取られるのが悔しかったからだ。彼、いい人そうだったな。安心して任せられるじゃないか。ハハハ・・・・・・。
343夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「あれ、何か汁が出てきたよ☆」
「本当ね♪ ねえジャン、今度はこんないたずらはどうかしら?」
はっと我に返った。双子の攻撃は一旦小休止して、作戦会議のようだ。突然やんだ刺激に反応しながら、俺は強い決心をした。自分の気持ちにふんぎりをつけてくれたお礼に、妹としてではなく、愛する女性として、

彼女に、シてあげなければならない。

「・・・・・・それじゃ、早速はじめま、ふひゃぁっ♪」
俺は床に投げ出していた両手で、おおよその見当をつけて掴みにかかった。当たりだ。俺の両手は正確にアンの豊かな乳房の、それも乳首を捕らえた。それをこりこりと刺激するのに加え、自分のあごと鼻を少し動かしてアンの一番敏感な割れ目を攻撃する。ショーツ越しだから、適度に刺激が弱まり、敏感になっているはずだ。
「ふあぁん、そこ、ダメ、ひゃンッ♪」
「エッチなお兄ちゃんはこーしちゃうぞっ☆」
モノの先端に締め付けられるようなムニュムニュした感触。と同時に快感神経が衝撃的な刺激を電気信号に変え、瞬く間に脳に達し、しびれさせる。その電撃は高速で全身を駆けめぐり俺の意に反して震えさせる。ジャンは俺のモノをくわえ唇で締め付けたのだ。アンも俺の攻めに負けずにモノの根元を甘噛みする。今なら心置きなくできる。3人で思いっきり攻め合える。何より二人は、自分達の中で恐ろしいほどの快感に包まれ、いつ壊れるかもしれない精神の形をとどめようと必死になっているはずだ。だがその快感を完全に押さえ込まないで、お客さんを楽しませるため適度に快感を言葉や仕草で表現しなければならない。だが自分自身もその言葉を聞き、一層快感を燃え上がらせてしまう。きっとけなげに振舞うキャラの外見を想像し「私ったら外はこんなきれいなのに中はなんて淫乱なのかしら」と思っているに違いない。そんな妄想をしていると、あっという間に終わりがきた。ジャンが俺の一番弱いところである棒の筋をぺロぺロなめたのだ。耐え切れず白濁液を吐き出してしまった。
「ドロドロになっちゃったー☆ しかもくさいー☆」
どうやらジャンの顔にだいぶかけてしまったようだ。アンは立ち上がると、ティッシュを持ってきて、後処理をしてくれた。
344夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「お兄ちゃん♪もうここから出て行っちゃうの?」
行為の後、すぐにズボンをはき、帰り支度をする俺を見てアンがさびしそうに言う。
「ああ、明日俺の本当の妹の結婚式なんだ。行くかどうか迷ったけど兄として出席しないわけにはいかないからな」
「えぇー、ジャンもっとお兄ちゃんと遊びたいよぉ☆」
地団太を踏むジャンを制してアンは言った。
「そうね。妹にとってお兄ちゃんは世界でただ1人のヒーローだもの」
「ヒーローか。だったらなおさら行かねえと・・・・・・。妹の結婚式すっぽかしたりしたら、ヒーローの名に傷がついちまうからなっ!」
二人に向かってウインクをすると俺は部屋を後にした。

きっとDollersは病院なんだ。孤独に喘ぐ人の心の傷を塞ぎ続けてるんだ。
345夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
さて、フルヤが帰った後のアンとジャンの部屋では・・・・・・。
「あーあ、アンのせいでお兄ちゃん帰っちゃったじゃないか☆」
ジャンが小突くとアンは床にへたり込んでしまった。見るとアンはガクガク震えている。口をきくのも辛そうだ
「あれれ☆ アン、もしかして、カイラクのキョクチにたどり着いたの?」
そう、アンはフルヤの攻めと彼を攻める自分に悶えた結果、限界を超えて究極の快楽を体感していたのだ。
ふと、ジャンは部屋のおもちゃ箱の中から何かを取り出した。ダンベルのように見えるが、両端が重りではなく、円錐が両端から飛び出している。円錐は先端こそ丸まっているものの螺旋の溝がついており、棒の前にも後ろにもドリルがついているといった代物である。
ジャンは顔にべっとりとついていたフルヤの愛液を手に取り、ジェル代わりに両端の円錐に塗りつけた。そして半ズボンを脱ぎ捨てると円錐の先端を自らの穴に当て、スイッチを入れると円錐が回転して、ジャンの穴を広げながらドリルが穴に飲み込まれていく。その間ジャンは経っていられず、ひざを突いてしまうがすぐ持ち直して、立ち上がる。奥まで飲み込んだので円錐は抜け落ちることなく、立派な擬似ぺ○スとしてそそり立っている。先端からぽたぽたと愛液を滴らせてアンに近づき、アンの恥ずかしい割れ目を自分の方に抜けておっぴろげるように座らせる。きれいなピンク色をした秘めたる場所にジャンは擬似ペ○スをあてがう。快楽のなすがままになって悦びに震えているアンには逃げる術はない
「本当は入れてほしかったんだよね☆ ジャンが代わりに入れてあげる☆」
そういうと、ジャンは再びスイッチを入れた。
「あはあああああああっ」
アンは刺激に耐え切れず床に寝転がり身をよじってよがる。今度は外側のドリルが勢いよく回転し、瞬く間にアンの中に飲み込まれていく。
「ジャン、お願い、やめてええぇ♪」
「えー、よく聞こえないなぁ☆」
そういうとジャンは腰を使ってズンッと擬似ぺ○スを奥に突き立てる。ゴスンとアンの中で鈍い音が響き、壁に当たる。アンの穴の最奥に到達したようだ。しかし、ジャンはスイッチを切らない。ちょうどそこはアンのGス○ットがある位置だった。ドリルはアンの穴の壁をゴリゴリとこすり、螺旋の溝が内壁を絡め取って引っ張りかき回す。普通の人ならただ痛いだけだろう。だが着ぐるみ達を覆う膜は丈夫で決して破れない。そのため適度に刺激が弱められ最高の快感を与えてくれるのだ。アンは一番大切なGス○ットを刺激され理性を保てるぎりぎりのところだった。
346夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「気持ちよさそうだね。もっといい気持ちにしてあげる☆」
ジャンはそういうと一気に擬似ぺ○スをアンの中から引き抜いた。奥に行こうというドリルの意思を無視した攻撃はあまりにも強烈だった。
「なんれっ♪ らめ、そんらのらめえぇ!」
アンは背骨が折れそうなくらい背をそらせる。それにかまわず、ジャンはピストン運動をやめない。ズンッ、ゴスンッ、ズチュッと言う音のサイクルがしばらく続いた。その刺激はアンから言語を奪うのに十分すぎるものだった。
「おく、いっぱい♪ らめ、らめなのにぃ!んおっ、ふあっ、あ・・・・・・」
だが、アンはまだ完全に快楽に身をゆだねたわけではなかった。無抵抗だったアンが突然ジャンの胸を掴んだのだ。
「!?」
予期せぬ反撃でジャンに一瞬の隙が出来た。次の瞬間、アンがジャンを突き飛ばして上から覆いかぶさるような形になり、一気にジャンの中から、引き抜いた。
「ふわわっ」
突然の刺激でジャンは寝転がったまま身動きできなくなってしまった。アンはジャンをうつぶせにし、彼女のア○ルにドリルを突きたてる。
「っあああああっ、んおおおおっ」
ドリルが奥に到達すると、アンは一気に擬似ぺ○スを引き抜く。
「抜かないで、お願い、ひゃぅっ」
ジャンは思いっきり弓なりになって刺激に耐える。そんなジャンに対して、アンは容赦なく擬似ぺ○スを再び突き立てる。
「ジャン、アンはね、ジャンだけに苦しい思いはさせないわ。一緒にやりましょう。1、2の、3!」
そういうと、アンは両方のドリルのスイッチを入れる。二人のよがる声が同時に響く・・・・・・。
347夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
フルヤの想像には間違いがひとつある。Dollersの着ぐるみに、中の人などいないのだ。分かりやすくいうとだ、着ぐるみ達は人間であった頃の、顔などのアイデンティティを膜で覆い尽くし、新しく与えられた顔を自らのアイデンティティとして受け入れる。永遠の生命を生きるため、着ぐるみを気の遠くなるほど長く着続けることを強いられる彼女達は、いつしか完全に人間だった頃のアイデンティティを忘れてしまうのだ。そうなると彼女達が着ぐるみを脱ぐこと、それは自分の存在が死に、無に帰すことを意味する。だから彼女達は極力着ぐるみを脱がない。そして、彼女達は与えられたキャラクターの生を全うしようとするのだ。アンとジャンの悪戯もそれに準じてやっていると言えるのだ。

その意味で、Dollersの着ぐるみ達は、本当の意味でキャラとしての人格を持ち生きる者達なのだ。
〈終わり〉

この物語はすべてフィクションです。リクエストにあった、人形同士の絡みをおまけ程度に入れてみたのですが、いかがでしょうか。ところで夢幻征四郎は今着ぐるみを作ることも、発注することもできず、イベントに写真取りに行くなど畏れ多くてできません。小説という形でしか着ぐるみへの愛情を表現できない。しかし、自分の小説は諸先輩方ののようにきれいにはかけません。どうしても悪意がたっぷりと混じってしまう。着ぐるみが好き。孤独を癒してくれるから好き。このことをどうしてもっときれいな言葉でかけないのか?悔しくて悔しくて、今作がんばりましたが、どうもまだまだでした。悔しいです。もっときれいに着ぐるみへの愛を説けるようなりたい。凡人ながら精進して戻ってこようと思います。ご感想お待ちしております。