Dollersシリーズ6 “人形の恋”

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完結
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361夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
Dollersシリーズ6 “人形の恋”
「一体何が言いたいのよ、お母様は!?」
白と黒のタイルが壁一面に貼られた廊下を1人、女の子がプリプリしながら歩いている。ショートヘアの茶髪を左右に振り乱しながら、つかつかと足音を立てて早足で歩いている。猫耳のカチューシャをつけ、ビキニのような露出度の高い衣装に身を包んだ彼女もまた、Dollersに住まう人形の1人であった。やがて彼女はドアの前で立ち止まる。よく磨かれたあめ色のドア。表札には“Yuri’s room”と書かれている。彼女はドアをノックした。しばらくすると中から女性(の人形)が出てきた。青みがかった黒の長髪、黒いタンクトップにデニム、胸元には金のネックレスといったクールないでたち。そのシャープな目は猫耳少女を捉えると、少し和らいだ様に見えた。
「あら、かわいらしい仔猫ちゃんだこと」
「ユリ姉さん、今、時間大丈夫ですか?」
「ええ、雨でお客様もあまり来ないみたいだから大丈夫よ。中に入って、アスナ」
ユリはアスナにとって頼れる先輩であり恩師だ。アスナが人間だったとき、Dollersにやってきた彼女に至高のサービスをしたのはユリだし、その後、やっとの思いでDollersに戻り働かせてほしいと嘆願したときに、渋るリュネを説得してくれたのもまたユリだった。お客様へのサービスの仕方から掃除のやり方まで丁寧に教えてくれたユリを、アスナは尊敬と親しみをこめて「姉さん」と呼んでいた。
ユリはアスナを部屋に招きいれると、ベッドに腰掛けた。
「それで今日はどうしたの?また仕事のグチでしょ?」
「さすが姉さん。話が分かるなあ。実はですね・・・・・・」 
362夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
数時間前・・・・・・コンコンとドアをノックする音がする。
「はぁ~い」
アスナは最高の笑顔で来客を出迎える。
「やあ、また来ちゃったよ、アスナ」
ワンポイントフレームの眼鏡の向こうから、優しい目がこちらを見ている。紺のスーツを着たその青年は、名をユウジと言った。彼はアスナについた常連客で、毎週金曜日の夜9時に決まって現れた。
「待ってたわ、早く中に入って」
ユウジは少し照れながら部屋に入った。壁は一面薄いピンク色で、ぬいぐるみをはじめとしてかわいらしい小物が隙間無く並べられたその部屋は、正に女の子の部屋という感じで何度来てもこそばゆい感じがするのだ。ユウジがきょろきょろしている間に、アスナは熱い紅茶を入れる。
「ありがとう」
ユウジはすっかり上の空で、紅茶を冷まさずに飲んで口の中を火傷してしまった。
「そのネクタイ。すごくよく似合ってるわ」
「・・・・・・うん」
「最近、お仕事のほうはどう?」
「・・・・・・うん」
「そんなに私とシたいの?」
「うぇ!?」
ユウジは紅茶をすすりながらアスナの胸元やスカートから伸びる足ばかり見て、質問など頭に入っていなかったのだ。
「そ、そんなわけないじゃん」
「へえ、じゃあこの膨らみは何?」
アスナが指差す先で、ズボンが見事に盛り上がっていた。
「こ、これはその」
「正直に言ったほうが身のためよ」
アスナはユウジのふくらみに人差し指を置き、ゆっくりと往復させ始めた。その中で何かがピクリと反応する。
363夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「や、やめて」
「ほらほら、下のモノみたいにはっきり言えば?」
アスナの顔はユウジの顔からほんの3センチしか離れていない。
「あう、ここ一週間、出すの、我慢していて・・・・・・溜まっているんだ」
「それは体に悪いわ。どうしてそんなことしたの?」
言葉を促すために、今度は指でグリグリと棒と思しき部分を責める。
「自分で出すよりも、アスナが、出させてくれる方が、ずっと・・・・・・気持ち良いから」
「仕方ないわね。またシてあげるわ。今日も着替えたほうがいいの?」
「うん、そのブラウスも素敵だけど・・・・・・・今日はこれでお願い」
ユウジは部屋のクローゼットから一着の衣装を取り出した。それは猫をモチーフにしたピンク色の衣装で、かなりの露出面積を誇るセクシーなものだった。早速アスナは着替え始める。もちろん、ユウジの目の前で。
「そんなにじろじろ見ないでよ。・・・・・・恥ずかしいじゃない」
しかし、アスナは表情一つ変えることなく(人形なので)淡々と着替えていく。だが内心はどうだったのだろう。年頃の男に自分の着替えを、一糸纏わぬ姿をさらす。この男は今、何をオカズにして興奮しているのだろう。目の前にいるアスナに対して?それともアスナの中で羞恥心に悶える操演者に対して?どちらにしてもアスナはこの男の欲望の餌食にされ、しかも彼の視線によって、それを常に自覚させられるのだ。これに興奮しない人間がいようか?アスナはユウジの視線を察知し、その集中する場所に興奮できるイベントを仕掛けた。例えば、ユウジが形のいい胸に注目しているときは、わざと手で押さえていた胸をこぼれさせて、淡い桃色の乳首を見せ付けるのである。こうして、自分の思いどおりに相手の興奮を煽っていると言う考えが、絶えず襲う皮からの締め付けと、汗が皮に吸収され(そのため皮は乾燥することなく、人肌に近い弾力を保てる)体熱が皮の中にこもることによる熱責め同様、アスナの興奮を高めることにもなるのだ。ユウジは苦しそうなくらい肩を上下させて息をしながらアスナのショーを見ていた。
364夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「これで完成っと。似合ってるかニャ?」
アスナは手をグーにして猫手を作り、ポーズをとる。頭には猫耳のカチューシャ、もこもこの布でできたビキニ(尻尾までついている)、指が出るタイプのグローブには肉球があり、オーバーニーのふわふわした布のソックス。まるでファンタジーゲームに出てきそうなそのシルエット。
「うん、よく似合ってる。僕の目に狂いはなかったな・・・・・・」
「ん?何?」
「なんでもない。じゃあ、早速気持ちよくしてもらおうかな」
アスナは早速ユウジのズボンとパンツを脱がせた。そそり立つユウジのモノにそっと手を添えて、指の腹で軽くなでてやる。ユウジは滑らかな皮の触感に耐え切れない。声をかみ殺そうとしても漏らしてしまう。すぐにユウジのモノは限界硬度に達した。
「もうそんなに感じちゃってるの?お楽しみはこれからよ」
アスナは相変わらず微笑みながら責めの手を止めない。(そう、本番はこれからよ。私がどんな風に感じているのか、あなたには想像がつかないでしょうね?ぎゅうぎゅうに締め付けられて敏感になった胸やお股を衣装にくすぐられて、その上快感で緩んできたあなたの顔でいやらしい気持ちが増していく。私だけが楽しんじゃ悪いわよね。少しだけ分けてあげる。)アスナはユウジのモノを左手でぎゅっと握り締め、充血した棒の先端を右の人差し指の先でクリクリと刺激する。
「うわあっ、ダメだ、強すぎる!」
しかしアスナは手を休めずに、しかしイかない程度に行為を続け、仕上げにペロッと一舐めするとユウジは盛大に放出してしまった。
365夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「・・・・・・アスナはウチに来て何年になりますか?」
ユウジを入り口まで送り、満足そうに彼が帰っていくのを見届けた後、リュネがアスナに質問をしてきた。
「ええと、だいたい5年になります」
リュネは目を合わせずにこう言った。
「まだまだ、サービスというものが分かっていませんね」

「・・・・・・それで不機嫌だったってワケかぁ」
「そうなんですよ。あの人、いつもワケ分からないことばかり言って。いつかガツンと言ってやるんだから!」
ユリは少し笑ってからこう尋ねた。
「ねえ、そのユウジってどんな人なの?」
「いいお客様ですよ。カッコ良くて、そして結構エッチで。でも、いつも私のことを気遣ってくれます」
ユリはあごに手を当ててさらにこう言った。
「アスナはユウジさんのことが好きなのね。ずいぶん積極的にサービスしてるみたいだし」
「えへへ、バレちゃいましたか。ユウジさんは私の初恋の人なんですよ」
ユウジはアスナの中の人の近所に住んでいたお兄さんで、よく一緒に遊んだりご飯を食べたりした仲だった。自身の恋心を意識したのは中学生の頃。その後彼一筋の片思いを続けていた。そして3ヶ月前、突然彼はDollersに現れた。地元に残って働いていたが出張でこちらに来ていてふらりと立ち寄ったのだと言う。彼はいつも決まってアスナを指名した。自分が人間だった頃の恋心が再燃したのは言うまでもない。彼はアスナの中身がかつての幼馴染だとは夢にも思っていない。だが、恋焦がれていた相手が自分の体に魅惑され、自分のサービスに酔いしれ、自分だけにエッチな姿をさらけ出すというのは、アスナにとってはうれしくて、心の底から自分にできる最高のサービスをしてあげようと思えるのだ。
「姉さんは恋をしたことあるんですか?」
「そうねえ、一時ものすごいイチモツのお客様がいらして、すっかり虜になったことはあったけれど・・・・・・・フフッ、冗談よ」
そのときドアが開いてリュネが入ってきた。
「ユリ、ご指名が入りました。キャバレーで一緒にお酒を飲みたいそうです」
「分かりました、お母様。すぐにそちらに向かいます。あ、それと・・・・・・アスナをサポートとして同行させたいのですが?」
リュネはユリの顔を見て、何かを察したようにうなずいた。
「いいですよ。あなたに任せます」
そういうとリュネはあわただしく部屋を出て行った。
「あの、姉さん?」
「昔に返ったつもりで、私のサービスを見ていきなさい。たまには気分転換もいいでしょう?」
そう言ったユリの笑顔は、なにやら意味深に見えた。
366夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
高度経済成長期の華やかさを思わせる広々としたキャバレーで、ユリとアスナ、そして客であるオオウラが三人で談笑を楽しんでいた。ユリは真紅のボディーコンシャス、アスナはユリから借りた、淡いピンク色のボディーコンシャスに身を包み、すっかりホステスになりきっていた。
「部長就任おめでとうございます、オオウラ様」
とユリがシャンパンをオオウラの持つグラスに注ぎながら言う。
「ありがとう、せっかくの祝い事なのに報告したい人が誰も思い浮かばなくて、結局ここに来てしまったよ。この年になって独り者とは寂しいものだ・・・・・・いや、今はそんなことは忘れよう。君たちも遠慮せずに飲みなさい」
「いえ、残念ながら私たちは人形ですから飲むことはできません」
「そうかい、そりゃ残念だ。だが、こんなにかわいらしいお嬢さんに囲まれて飲む酒は一段とうまいな」
そんな、たわいのない会話を続けていたが、アスナはもどかしくて仕方がなかった。オオウラがユリの後ろに回した手で、ユリの豊かな胸をグニュリとつかんでいたのだ。ただでさえピチピチの衣装に圧迫されていた胸を、死角からムンズとつかまれては、とてつもない刺激に襲われるだろう。しかしユリは少しもけいれんすることなく、それどころかその手に自分の手を添えて、グニュグニュと一緒に乳房を弄びだした。じらすようにゆっくりと、しかし確実にツボをとらえながらイタズラは続く。アスナは止めなかった。サービス中は黙って見学するというのが見習いの頃からのルールだったからだ。しかし、そんな光景を目にしては、触られていないアスナの体もすぐに火照っていく。
「オオウラ様、よろしければ胸だけでなく、お尻のほうもお楽しみください」
367夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
ユリはそういうと立ち上がり、テーブルに手を着いて自らの尻をオオウラに差し出した。
オオウラは待ってましたとばかりに手を尻に当て、服の上からさすり始めた。アスナとしては、それはもう見るに耐えないものであった。無防備な尻を相手にさらけ出すだけでも気恥ずかしさでむずむずするのに、後ろを向いて相手の顔が見えない中、時折聞こえてくる卑猥な独り言を聞いてくると、そこからいやらしいことをされている自分の姿を想像してしまうのだ。体は快楽に屈したとしても決して取り乱さないで、凛とした表情で耐えている自分を。アスナならそんなことをされたら、10分と持たずに悶絶してみだらな姿をさらしてしまうだろう。しかし、アスナが見習いの時代からユリが悶絶して醜態をさらしたところを一度も見たことがないのだ。事実、オオウラは今、ボディコンの下から手をいれ、パンティの中に侵入させて直接尻を触っていた。
「ええのう、ええ桃尻しとるのう。本来ならここで俺のモノをねじ込むのが道理なんじゃけど、この年になると、尻をなでるだけで精一杯じゃ。カンニンしてくれや」
「お気になさらず。オオウラ様に楽しんでいただけることが第一ですから」
尻など直に触られては、穴の中に張られている皮まで引っ張られてたまらない状態になるはずだが、ユリはそんなそぶりを見せず、むしろ計算された言葉と体のけいれんでオオウラの興奮を的確に煽っている。アスナは辛抱堪らずボディコンの上から自分の下腹部をさすって、悶々とした気持ちをやり過ごしていた。
368夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「さすが姉さんですね。見ているだけだった私まで火照っちゃいました。お客様も大満足でしたし」
自分の普段着に着替えながらアスナが言う。結局オオウラは、1時間にわたりユリの弾力のある尻を肴に酒を飲み、大満足して帰っていった。
「そうね。でも正直アブなかったわ。もう少しで堕ちそうだったもの」
ユリも普段着に戻り、ほっとしたような声色で答えた。
「またまたぁ。でもあんなに触られてよく平気ですね」
「ええ。体を触れてくるって事はこちらに心を開いてくれているってことだし、それによってお客様の心の中が見えやすくなるわ。体温、脈拍、呼吸・・・・・・たくさんの情報が私の体に伝わってくるの。でもそれだけではダメ。一番大切な物は・・・・・・」
「“イメージ”ですよね。それ何回も聞きましたよぉ」
「そう、お客様はどんな孤独を抱えてここにいらしたのか、一体何を期待して自分を指名してくれたのか・・・・・・それをイメージし、きちんと答えるのが私達人形の一番のお仕事。アスナ、あなたにはそれができているのかしら?努力を怠るとすぐにサービスに影響が出るわよ」
(はいはい。お母様といい姉さんといい、どうしてここの人はこうサービスにうるさいのかしら?)
そう考えながら、ふとユリの顔を見た。なぜか「分かってないなあ」とユリの顔に書いてあるような、そんな表情に見えた。
369夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
そして一週間が経ち、金曜日がやってきた。Dollersでは決まった時間に来て決まった娘を指名するお客様がいるとき、そこだけ予約と言う形であけておくことになっている。アスナはリュネから「夜九時ごろまでに準備をしておくように」と言われていた。せっかくユウジに会えるのだから、体をきれいにしておこうと思い、大浴場に向かった。
大浴場には男湯と女湯があり、それぞれスパリゾートさながらの規模を誇っていた。人形達は脱衣所で服を脱ぐとまず、脱衣所と大浴場の間の通路にある「脱皮所」に行く。あの薬品が満たされた浴槽につかる。顔はリュネに作ってもらわなければならないので、通常は首から下だけ脱ぐ。薬品が浸透して皮がひび割れてきたら、浴槽を出て皮をはがしてゆくのだ。アスナの皮の下から、真っ白に輝く本当の肌が現れた。普段、光にさらされないため皆雪のように白い肌になるのだ。そして、いよいよ穴の中の皮をはがすときがやってきた。穴の中には薬品が入っていかないので、穴の周りの皮をはがし、そこをつかんで無理やり引っ張り出すしかないのだ。
「んん・・・・・・」アスナは無理やり肛門から皮を引っ張り出している。人形になってからというものご無沙汰になりがちな排泄の悦びを思い出す瞬間である。腸がめくれ、皮と一緒に出て行きそうな感覚は、それだけで最高の愛撫となる。やっとのことで後ろの穴の皮を引きずり出すと、今度は前の穴に手を掛ける。これから起こることを思うと手が震えるが、覚悟を決めて一気に引っ張り出す。
「んんっ、こんなところでっ、だめぇ」
何とか抜き出すことができたが肛門の刺激ですでに敏感になっていた体には強すぎる刺激だった。人形の間溜まりに溜まった芳しい匂いのする淫液をここぞとばかりに噴出した。アスナは2、3回空腰を使って、その場にへたり込んでしまっていた。
「あ~あ、そんなに勢いよく抜くからよ。まぁ、ゆっくり抜いたら抜いたで、じらされて感じちゃうから同じかな」
そういって手を差し伸べてきたのは淫子であった。アスナは手をとってどうにか立ち上がった。
「淫子、ありがとう。恥ずかしいところを見られちゃったわね」
「いいって、これくらい。今日の日替わり風呂は、バラ風呂だって。一緒に入ろうよ」
370夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
その後、念入りに体を洗い(鏡に映る自分の姿は人間の体に人形の頭とちぐはぐで、久々にみる生の乳房をみて自分に興奮していた)、バラ風呂をたっぷりと堪能した後、先ほどの通路の途中にある脱皮所に再びやってきた。脱皮所には先ほどの浴槽のほかに大きな噴水があるのだ。噴水と言っても噴き出しているのは皮になるあのどろどろの液体である。
「先に私が淫子に塗ってあげる」
そういうと、アスナは液体を手で一すくいして、淫子の肌に塗ってあげた。均一な厚さに塗るのは最初こそ難しいが、慣れてしまえばどうという方はない。それは塗られた瞬間から淫子の体熱を吸収し、収縮しようとする。足に塗ったとはいえ、皮膚が引っ張られる感じはなんともむずがゆい。そんな淫子にかまわずアスナはどんどん塗っていく。下半身に差し掛かったとき、アスナは近くにあった黒い円筒を2本つかみ、肌色の液体をたっぷりつけた。
「じゃあ、入れるよ」
アスナはその筒を淫子の前の穴と後ろの穴に突っ込んだ。
「くああっ・・・んおおぅ、毎度のことだけど、キツいな。穴の中でゴリゴリいってる」
完全に固まるまでこの状態でいなければならないので、淫子はこの上なく興奮し、アスナはこの上なくうらやましく思った。快楽を我慢する淫子を見ていたアスナは少しイタズラをしてやろうと思った。胸に塗る際に、強く揉んでやったのだ。ただでさえ下が大変なことになっている淫子にはたまらない愛撫であった。その場に崩れ落ち、ひざを着く。
「ちょっと、やめてよ~。くすぐったいよ~、ひゃぅ、あんっ」
仲間に自分の醜態を晒さぬようヘラヘラ笑いつつ、淫子は必死で興奮を押さえ込もうとするが、体がいうことを利かずピクンピクン反応してしまい、口からは嬌声が漏れる。それは煽っているアスナの興奮を高めさせ、さらに行為をエスカレートさせる。穴をふさがれているのでイくこともできず、地肌を直接触られる。淫子の置かれた状況は、悲惨というよりはうらやましく思える。猫のようにじゃれあいながらの隠微な遊戯もやがて終わりを告げる。
硬化した皮には、乳首など色の濃い部分がくっきりと桃色に浮かび上がり、黒い筒を抜いてやるとしっかりと挿入のための穴ができていた。抜く瞬間に淫子が悶絶したのは言うまでもない。首の周りには継ぎ目もなく、中に人を入れた痕跡はどこにも見られない。
「それじゃ、今度はアスナの番ね。たっぷり気持ちよくしてあげるから覚悟しなさい」
そういうと淫子は同様の手順でアスナに液体を塗りつけていく。先ほど弄ばれた分をきっちりアスナに返すべく、興奮を煽るようなねっとりとした手つき液体を塗り広げていく。アスナとしては、先ほどの遊戯で温まっていた体を優しく撫で回され、収縮していく皮に締め付けられていくのだから、淫子よりも一段と強い刺激を受けているだろう。しかし、淫子もまた、それを想像してわざと敏感なところに執拗に塗りつけたり、白く美しいアスナの肢体が肌色の快楽に塗りつぶされ飲み込まれていく一部始終を近くから見ているのだから、先ほど塗っていたアスナ以上に興奮を煽られていた。
「ねえ淫子、こういうのはできないかな」
塗り終わった後、アスナは淫子にコショコショと耳打ちをした。
「うん。すごくいいじゃない。がんばってやってみる」
371夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
そして夜九時、アスナは白いシャツにピンクのカーディガン、チェックのスカートと言った飾らない格好で、ユウジが来るのを今か今かと待っていた。心臓が喉の辺りで鼓動しているような気がした。コンコンとドアをノックする音。アスナはドアまで走っていき急いでドアを開けた。勢いが良すぎてユウジの顔面にドアをぶつけてしまった。
「ごめんなさい。だだだ大丈夫!?」
「うん・・・・・・何とか」
ユウジは鼻を押さえながら笑った。アスナはユウジをせかして部屋に入れた。
「今日は何がいい?仲間に頼んで、いろいろな衣装を借りてきたの。セクシーなレオタードからフリルがたっくさん付いたゴスロリやセーラー服まで何でもあるわ」
「・・・・・・今日は何も着なくていいよ。むしろ何も着ないでほしいんだ。君のきれいな体をよく見ておきたい」
予想外のユウジのリクエストに少し戸惑いながらも承諾し、いつものようにじらしながら、1着ずつ脱いでいく。珍しいことにいつも着衣のままだったユウジも一緒になって服を脱いでいく。5分後には、すっかり裸になった二人がいた。
「アスナ、裸の男と女が部屋で二人きりになってすることと言ったら、ひとつしかないよな」
「そうかしら?私は人形だから良くは分からないわ。人間の男と女なら一体何をするの?」
アスナはとぼけてユウジの言葉を促す。赤面しながらユウジははっきりと答えた。
「今日は・・・・・・今日こそはアスナの中に入れたいんだ」
「その言葉を、ずっと待ってた」
アスナはゆっくり頷くとその場に座って開脚し、指で自分の割れ目を押し広げた。
「さあ、早く来て。私の中に」
だがユウジはしばらくその場に棒のように突っ立っていたかと思うと、くるっと体を後ろに向けてしまった。
「やっぱり、後ろからにするよ。恥ずかしくて目を合わせられないし」
「仕方ないわね・・・・・・ほら、これでいいでしょ」
ユウジが振り返ると、床に四つんばいになり、こちらに肉付きの良い尻を向けているアスナがいた。ユウジは少しほっとして、アスナの腰に両手を当て、自分のモノをアスナの穴にあてがう。
「じらさないで。待ってるほうも辛いの。」
ユウジは固くなった棒を少しずつアスナにねじ込んでいく。カリ首のあたりまで入ったところで先端に何か当たるものを感じた。
「あれ、これはなんだろう」
「ユウジさん、女の子には“乙女の膜”があるの。そこが破れると大人の女性になれるの。お願い、もっと突き上げて、私の処女を散らしてほしいの!」
372夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
ここで風呂場の場面まで時間を少し巻き戻す。
「うん。すごく良いじゃない!がんばってやってみる」
そういうと淫子は円筒の底面に液体を薄く塗りつける。厚すぎれば破れないし、薄すぎてもきれいに膜を張ることができない。淫子は苦労しながらも、絶妙な厚さの膜を仕上げ、アスナの穴の入り口付近のところにねじ込んで固めた。
「ふぅ、やっと完成~。でも、処○膜を作りたいなんて、アスナにとってそのお客様は本当に特別な人なんだねぇ・・・・・・」

さて、まさかアスナに処○膜があるなんて思いもよらなかったユウジは激しく混乱していた。しかし、せっかく女の子の処女をもらえるという心遣いをしてくれたアスナに報いるため、ユウジは一層強く突き上げた。ズンッ、ズンッ、ズンッッ!
「ふわわぁっ、私、人間の男に処女を捧げちゃった。もう乙女じゃなくなってしまったのね」
膜は作り物だから傷みはなかったが、破れる際に、引っ張り上げられていた内壁が皮の弾性で元の位置に戻るときの刺激で強く感じていた。ユウジのモノを最奥まで飲み込んだその後は、ゆっくりとピストン運動をして、お互いに興奮を高めていく。ユウジはアスナの中の襞にモノをこすられ、内壁からの締め付けを強く感じながら、アスナのきれいな背中のラインに見とれていた。一方、アスナも自分の中に入ってきている待望の感触を楽しみながら、時々振り返ってユウジの表情をうかがう。ユウジはアスナの愛撫に夢中でそれに気付かず、しまりのない顔をアスナにさらしてしまっていた。
(ユウジさんったら、こんなにしまりのない顔しちゃって。人間だった頃の私には絶対に見せてくれなかったエッチな顔を・・・・・・。)
ユウジのエッチなところをもっと引き出してやろうと、さらに腰を振る速度を速める。それに呼応するかのようにユウジの右手がアスナの乳房に伸びてきて、目いっぱい変形させてきた。もはや二人は何も考えず、今ある快楽に身を預けていた。
「アスナ、アスナ、ああアスナ・・・・・・・」
「ユウジさん、ユウジ、ユウジ・・・・・・・」
二人でお互いの名前を呼び合うばかりである。そしてやがて、二人同時に絶頂を迎える。
「アスナアァーーーーー!!」
「ユウジイィーーーーー!!」
びゅるるっ!びゅるるっ!と盛大な水音がアスナの体内で響いた。穴に収まりきらない愛液があふれ、アスナの尻と太ももを濡らした。ユウジは力が抜けたのか、がっくりとアスナの背中に寄りかかった。皮一枚隔てて、ユウジの早鐘のような鼓動が、やけどしそうなほどの熱がアスナに伝わってくる。熱い吐息を首筋に感じる。
(人間だった頃には、こんなこと考えられなかった。私は人形になれたからユウジさんとエッチできた。たくさんの言葉を交わして、たくさんの表情を私に見せてくれた。私、人形になって本当に良かった・・・・・・。)
373夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
物思いにふけっていると、再び内壁の締め付けが強くなる。それに気付いたユウジは起き上がってまた腰を振り始めた。それに共振するようにアスナもひたすら腰を振り始める。どうかこの幸せな時間が続きますようにと、それだけを願いながら・・・・・・。

「・・・・・・今日は今までで一番楽しかったよ。もう大満足」
「良かった。ここではお客様の笑顔がチップだから」
二人は彼は枯れ果てるまで後体位のままつながり続け、やっとのことでつながり続けたいという未練を断ち切ってDollers入り口までやってきたのだった。
「また来たいけど、明日地元に帰るからしばらくは来られないな。また東京に来たら寄るよ」
「はい。お待ちしています」メイドさんが笑顔で言う。
アスナは顔では笑っていたが、内心とても寂しかった。もうどうせしばらく会うことはないのだからと思い、自分の正体をばらしてしまおうと思った。自分の思いを伝えるには今しかないと・・・・・・。
「あの、私、実は・・・・・・」
「さて、向こうに帰ったらすぐに妻にサービスしなきゃ。食事にでも連れて行くかなぁ」
ユウジがスーツの内ポケットから指輪を取り出し左の指にはめる。そう、結婚指輪を。
「え・・・・・・」
「君、俺の嫁さんに良く似ていてさ。ウチの嫁さん仮装してエッチなんて絶対やってくれないから、本当に楽しかったよ。君テクニックもあるし。これからもがんばってね」
「・・・・・・そ、そう。じゃあ、またいつかいらしてくださいね」
アスナは笑ってユウジを送り出そうとした。しかしドアが閉まりきる直前とうとう我慢できなくなり、しまってゆく扉に駆け寄る。
「待って!私は!ずっと!ユウジさんのことが!」

・・・・・・好きでした・・・・・・

言い終わる前に、扉は閉まり、再び開くことはなかった。アスナの体は扉の前で震えていた。無論それは快楽によるものではなく、悲しみからくるものであった。

(ユウジさんが見ていたのは、人間の私でもなく、人形の私でもなく、自分の奥さんだったのね・・・・・・・。)
374夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「知っていたんですか?お母様」
「ええ、来るたびここで指輪を外していました。それでなくともお客様が何を抱えているのか一目見れば分かるものです。アスナといるときは独身男性として振舞いたかったのでしょう」
「どうして、どうしてそれを言ってくれなかったんですか?」
「お客様が見せたい顔だけを見て差し上げる。それもまたサービスの内です。色恋沙汰に浮かれてお客様のことをろくに見ようとしないで、ただ性のご奉仕だけしていたあなたには分からないかもしれませんが」
そこまで聞くと、アスナは全力で走り出した。手で顔を覆って流れてもいない涙を隠しながら。
「お母様。一体何があったんですか、アスナは。すごい勢いで走っていきましたけど」
「ああ、淫子。ちょうど良いところに来てくれました。実はお願いがあるのですが・・・・・・」

長い廊下を駆け抜け、階段を二段飛ばしして、ユリの部屋にノックもせずに入るなり、ユリの胸に飛び込んで泣きに泣いた。泣きながらワケを話した。ユリはただ「うん・・・・・・・うん・・・・・・」と相槌を打つだけだった。
ひとしきり泣いた後、アスナは部屋にあった姿見に映る自分の顔を見てこういった。
「こんなに悲しいのに。涙の一滴も流せないで、顔に笑いが張り付いていて・・・・・・。
ホント、私って・・・・・・。」
「何を言ってんの!!辛いときにしみったれた顔を見たい奴がいるか!?」
突然のユリの苦言にばつが悪くなり、うつむいてだまりこむアスナ。
「いい?この笑顔はお客様を癒すためだけのものじゃなく、自分自身を癒すためのものでもあるの。他人の孤独に向き合い共有することやそれと実らない恋。私たちは人形と言っても、生きているから不完全で、そんな些細なことで傷つくこともあるわ。そんな時笑っている自分の顔を見れば悲しさが薄らいで、乗り越えることができるの。そのための笑顔なの。感情を表情に出せないのは少し悲しいけれど」
アスナは黙って聞いていた。少し間をおいて、ユリは言葉を続けた。
「ねえ、アスナ。着ぐるみショーって見に行ったことある?」
「ええ。幼稚園で何か女の子向けアニメのショーを何回か」
「楽しかった?」
「はい。ショーの後に握手会があったんですけど、そのヒロインがほっぺたにチューしてくれたんですよ。アレはうれしかったなあ。後でこっそり、楽屋を覗いたら中身が中年のオジさんだと分かってがっかりしたんですが」
ユリは腕を組んでこういった。
「それで良いと思うの。お客様は自分の孤独を癒すので精一杯。中の人がおじさんだろうが昔の幼馴染だろうが知ったこっちゃない。でも、ここで過ごした、まさに夢幻のような時間の思い出はいつまでも心に残る。それで十分だと思うの。それこそが私達人形の生き方の1つよ」
アスナはハッと顔を上げた。目の前のユリの顔は穏やかで、かつ強い信念を秘めた顔をしていた。
375夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
なんてね」
「全然OKですよ。恥ん子も聞きたいです」
「いや、恥ん子。ここ突っ込むところだから。“演歌”と“ええんか”をかけた駄洒落だから」
そんなにぎやかな会話の真ん中で、アスナは再び見えない涙を流していた。

皆ありがとう。私のために・・・・・・。

私はアスナ。お人形としてがんばっています。
恋はできないけれど、素晴らしい仲間と先輩に囲まれて、私は幸せです。
<Dollersシリーズ6 “人形の恋” 終わり>
この物語はフィクションです。
376夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「あとがき」こんにちは。夢幻です。前回、やりすぎたので、今回は割りと大人しめに書いたつもりです。5本書いてマンネリになってきたかなと思ったので、今回は少し変化球問い言うことで人形サイドのドラマを書いてみました。あと非処○=処○膜損傷というわけではないそうですが今作ではイメージを優先しました。着脱のシーンは一応入れましたが、もっと研究してみます。ご感想お待ちしていますm( _ _ )m。反省材料や、次回以降(あれば)のネタにできるので、詳しく書いていただけると幸いです。
追記>>375そのときコンコンとドアをノックする音がした。
「こんばんわー。あ、やっぱりここにいたのか、アスナ」と淫子が言う。
「淫子に恥ん子。どうしてここに?」
「お母様が私たちにお休みをくれたの。一緒にカラオケで盛り上がってきなさいって」
と恥ん子がうれしそうに言う。
「ユリさんとアスナにもお休みをくれたの。一緒に行きましょう」
「そうそう、久しぶりにユリさんの演歌を聞きたいっス」
「え~。私が演歌歌っても“ええんか”・・・なんてね」
なんてね」の前が抜けていました。申し訳ないです。