Dollersシリーズ9『ブログ』

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624夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
Dollersシリーズ9『ブログ』
着ぐるみ達が癒してくれる不思議な店、”Dollers”
今宵も孤独を抱えた人々が癒しを求めやってくる。
【Prologue】
「今日もお仕事終了~」
その日アスナはいつものようにサービスを終えて自分の部屋に戻った。1日で5人のお客様のお相手をして、そのうち3人にエッチなサービスをしたものだからもうグロッキーという感じである。腹の中など擦られすぎて痛みでジンジンといっていた。だが彼女はベッドに飛び込みたいのを我慢してノートパソコンの電源を入れる。パソコンが立ち上がったらすぐにあるブログにアクセスした。「アスナの明日なろブログ」・・・・・・アスナのブログだ。
「ふふ、今日は何を書こうかな♪」
内容は近況報告であったりファッションについてであったりとありふれたものだった。まあアスナはまだまだ未熟だからリュネへのグチに話題は偏りがちであったが。

☆忘れ物に注意☆     3月■日 5:32
最近、だんだん暖かくなってきたね(*^_^*)
私の店では脱いだコートを忘れちゃう人が増えています。
今日も私がお相手していたお客様がコートを忘れて帰ってしまわれたの。幸いお客様は途中で気付いたみたいでお店に戻ってきたから良かったけど・・・。
「お客様の忘れ物に気付けないで本当のサービスが出来ますか!?」って店長に怒られちゃった・・・(T_T)。皆さんも忘れ物には気をつけてね❤
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625夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
ブログを始めてから一週間、毎日更新し続けてきた。「そろそろ誰かからコメントが欲しいなあ」と思って、今まで書いた日記を見返していると・・・・・・昨日の記事にコメント
が付いている!アスナはドキドキしながらクリックした。
C                           3月×日 23:08
はじめまして。偶然このブログを見つけました。お仕事がんばってください。

業者の広告ではない、誰かからのコメント。たったこれだけの言葉がこんなにもうれしいものなのか。
アスナはブログのハウツー本を急いで引っ張り出しパラパラとページをめくった。
「コメントをもらったら返事を書きましょう。これを“返し”といいます」
(なるほど。コメントをもらったら返事を書くのがマナーなのね。そうすることで何度も見に来てくれるようになるかもしれない、か・・・。)
アスナは早速返事を書いた。急ぐ必要などないのに早く返事を書こうとして指がもつれてしまう。

アスナ                        3月△日 4:10
Cさんコメントありがとう。お仕事がんばるよ!Cさんもがんばって!

アスナはうれしくて、うれしくて、その後何度も自分のブログにアクセスしてはコメントを読んでニヤニヤしてしまった。アスナはこれがブログを書くことの楽しさなのだと思った。こんな自分の言葉でも耳を傾けてくれる人がいるのだ。
626夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
【1】
次の日、アスナは仕事が終わるとまっすぐ自分の部屋に戻りパソコンの電源を入れた。はやる気持ちを抑えつつ自分のブログにアクセスすると・・・・・・あった!昨日の記事にコメントが2件も。早速クリックして中身を確認した。

C                          3月△日 7:12
大変だったね。僕も忘れ物には気をつけるよ。
C                          3月△日 22:37
僕も仕事ミスっちゃって・・・(T_T)。あーあ・・・

昨日の人がまた見に来てくれた。しかも一日に二回も!初めて自分のブログを気に入ってくれた人が出来た。アスナは前の日にも増して喜びをかみ締めていた。だが一方で少し迷った。(同じ人からの二つのコメント。どうやって返事したらいいんだろう?・・・・・・やっぱり別々に返事を書いたほうが良いよね)
2つの返しコメントを書き終えるとアスナは新しいブログの記事を考え始めた。読んでくれる人がいると更新するのにも張り合いが出てくる。昨日にもまして一生懸命に文章を考えていたため昨日よりも休む時間が遅くなってしまった。今のアスナにとっては、Cに喜んで欲しい、それが全てだった。
627夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
【2】
・・・・・・Cが初めてコメントをくれてから一か月が過ぎた。コメントを書いてくれるのは相変わらずCだけだったが、コメント数は日を追うごとに増えていった。しかしアスナは最初の頃のように素直に喜べなかった。コメントの内容が「寂しい」とか「悲しい」とか、Cのグチになってきたからだ。内容はともかく、せっかくCさんがコメントを書いてくれたんだから、と“返し”で悩み相談をしたり励ましの言葉を書いたりした。全部に真剣返事を書いたものだから、最近はアスナの休憩時間はほとんどブログの更新に費やされていた。仕事が終わったらすぐ部屋に戻って、すぐにブログの更新とコメント返しをして、また仕事に行くという有様であった。アスナはほとんど休めていなかったが、『自分は人形だから我慢すれば平気だ』と自分に言い聞かせて働いた。さあ今日もブログの更新をやらなければ・・・・・・。アスナはいつものように仕事を終えると急いで自分の部屋に向かった。しかし、自分の部屋の前に着いたとき、向こうから二人の人形がやってきた。淫子と恥ん子だ。
「よお、アスナ。ちょうど良かった」
「ああ、淫子に恥ん子じゃないの。どうしたの?」
「いや、たいしたことじゃないんだけど。最近三人で遊んでないなあと思って」
「そうそう、久しぶりにカラオケでもどうかなあって思って誘いに来たの」
アスナは弱弱しく笑って首を振った。
「ゴメン。やらなきゃいけないことがあるから」
そういってドアを開けて中に入ろうとしたそのとき、淫子が勢いよく手を掴んできた。顔では笑っているが何か鬼気迫るものを感じさせる。
628夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「そんなこと言わずにさ、最近付き合い悪いぞ」
恥ん子も一歩前に出てアスナに迫る。
「アスナちゃん、悩みがあったら私達相談にのるの」
それでもアスナは首を横に振った。友達付き合いをないがしろにして見ず知らずの人との会話に興じているなどと言ったら、おそらく傷つくだろう。それにCは自分を頼ってくれたのだ。自分ひとりで助けたかった。
「アスナ、最近変だよ」
「私が何しようと勝手でしょ!!ほっといてよ!!!」
淫子が何気なくこぼした言葉についかっとなり大声を出してしまった。すぐにハッとして二人に謝ったものの、3人の周りにはすっかり気まずい空気が流れていた。
「ああ、こっちも悪かったよ」
「ごめんなさいなの」
アスナは二人の顔を見ないで部屋に入った。二人に悪いと思いながらも状況を何も知らずに自分を責めた彼女らに苛立っていた。私は自分のブログを読んでくれる人を大切にしたいだけなのに。助けたいだけなのに・・・・・・。

「どうでしたか?アスナは何か言っていましたか?」
ドアが閉まる音の後で、廊下の曲がり角からリュネが現れ、淫子と恥ん子に問いかけた。
「すみません。うまく聞き出せませんでした」
「そうですか・・・・・・」
「お母様が直接聞いたほうが早いかも、なの」
リュネは悩ましげに首を振った。
「アスナは変なところで頑固になりますからね。無理やり聞き出して説き伏せようとしても返って逆効果かもしれません。心配ですがしばらく様子を見ましょう」
629夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
【3】 
「本当に申し訳ありませんでした」
アスナが淫子たちとケンカして数日後、彼女はリュネと一緒にお客様に頭を下げていた。アスナはビールを注ぎながらCさんに何を言って励ますか考えていたため、ぼうっとしてしまいお客様の服に派手にこぼしてしまったのだ。ビールまみれになった服はリュネがすぐに洗濯して乾かしてくれたおかげでシミも残らずに済み、お客様も笑って許してくれた。だがDollersはお客様に癒しを与える場所、そのお客様を驚かせてしまうなんて本当に大変なことをしてしまったとアスナは見えない冷や汗を流していた。
「アスナ、どうしてあのようなミスをしたのですか?」
お客様をお見送りした後、リュネは私の方に向き直り尋ねた。その声はとても穏やかでかえって不気味だった。
「その、ちょっとぼうっとしまって・・・・・・ついうっかり」
「ついうっかり・・・・・・そうですか。Dollersの人形はお客様にとってかけがえのないものを扱うこともあるというのに、自分のミスを『ついうっかり』で軽々しく片付けるなんて。ユリの指導もこの程度だったと言うことですね。ここで待っていなさい、アスナ。すぐにユリを呼んできますから。二人一緒に罰を与えます」
私のせいでユリ姉さんまで罰を受けるなんて・・・・・・。アスナは立ち去ろうとするリュネの足にすがり付いて、あわてて本当のことを言った。最近ブログを始めたこと、コメントを書いてくれる人が悩んでいること、自分ひとりで助けようと苦心していたこと・・・・・・。
最後まで聞き終えるとリュネはその場にしゃがみこむと、アスナの顔を見ながらこう言った。
630夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「そういうことでしたか・・・・・・。最近アスナの様子がおかしいと他の人形達から聞いていました。私は淫子達にさりげなく様子を探るよう指示しておいたのですが、今日の事を受けてあまり悠長なことをいっていられないと思い、少し脅かしました。しかしどうして自分ひとりで解決しようとしたのですか?」
「それは・・・Cさんは私を頼ってくれたわけで、自分だってもう一人前だからお母様みたいに癒せるって思って、それで・・・・・・」
リュネは肩をすくめて少し呆れたように言った。
「本当にあなたときたら・・・・・・自分が正しいと思ったらいつも勝手に行動を起こしてしまうんだから。ワタクシが止めてもCさんを助けるのをやめないのでしょう?」
「はい!もちろんです!」
アスナの威勢のいい返事に、リュネはやれやれといった感じで額に手を当てるとこう言った。
「仕方がありませんね。それならワタクシに策があります。それにはアスナの協力が不可欠です。もちろん引き受けてくれますね?」
アスナが快く同意するとリュネは作戦をアスナに話した。
リュネの作戦とは、アスナのブログにDollersの場所を書き、会って話がしたいと書くことだ。あれだけアスナに興味を持っていたCのことだ。間違いなく会いにやって来るだろう。もし他の人がそれを見てDollersに来てしまっても、Dollersには選ばれた人しか入れないから問題はない。後はアスナがとっておきのサービスを施してCの心の傷を癒すのだ。
631夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
【4】 
アスナがDollersの場所を書き込んでから3日後、CがDollersにやってきた。リュネはいつものようにDollersについての説明をするとアスナの部屋のままでCの案内をする。
「では、ごゆっくりどうぞ」
リュネはCを部屋に入れると深々とお辞儀をすると扉を閉めてどこかへ行ってしまった。Cは呆然として玄関で靴も脱がずに突っ立っているばかりである。
「いらっしゃいませ。さあ上がって。早く、早く」
アスナがCの元に走ってきて手をとると、Cは靴を脱ぎ捨て引かれるままに部屋に上がった。アスナの手は滑らかなゴムのような触感であったが、その手のぬくもりは確かに人のそれだった。
Cは小さいテーブルの前に座らせられた。アスナがお茶を入れてくれる間、Cは落ち着きなく部屋をキョロキョロと見回していた。もちろん突然着ぐるみ(それも継ぎ目や縫い目が見当たらないくらい精巧なつくりのもの)が接客をする店など、普通の人は何かの冗談だと思うだろう。しかしCの場合、懐疑心よりも好奇心のほうが勝っていた。着ぐるみのアスナに一目ぼれしてしまったのである。元々、自分が好きなブログを書いている人に「店に来て欲しい」と言われたとき、少なからずいやらしい想いを抱いていた。そこへさらに、ブログの執筆者が少女着ぐるみだという第二の衝撃である。Cはアスナを見て、まるで大好きなアニメの世界からキャラクターが飛び出してきたかのような錯覚を覚えたのだ。
Cはアスナが入れてくれた紅茶をすすると、まるで肺の中の空気を全て入れ替えるかのように深く息を吸って吐いた。おっかなびっくりしながらも懸命に話しかけ始める。
「今日は呼んでくれてありがとう。それにしても・・・・・・変わったお店で働いているんだね」
「そうね。人形が働いているお店なんてそうそうないものね」
「あの、せっかく会えたんだから本当の顔を見せてくれないかな?」
「本当の顔?なあに、それ?」
軽くはぐらかされたがCはひるむことなく言葉を続ける。
「ほら、アスナちゃんの中の人の顔だよ。そんな着ぐるみなんか脱いでさ。そのスタイルからして女の人でしょ?」
632夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
アスナは声を出して笑うとこう言った。
「そんなに疑うなら・・・・・・調べてみる?」
「え?」
「隠さなくていいのよ。女の子のお部屋に呼ばれたんだから少しはエッチなことを期待したんじゃない?」
Cは胸中を言い当てられ、顔を赤くして俯いた。彼の様子を見てうれしそうな笑みを浮かべるアスナ。
「良かった。実は私もCさんがどんな人なのかなって、ずっと考えていた。想像するだけじゃ足りなくなって、思い切って誘ってみたの。そうしたらやっぱりCさんは私のタイプだった。だから、早いうちに相性を確かめたくて、その、アソコとアソコの・・・・・・」
そういってアスナはCの背後に回りこむと背中に乳房をぎゅっと押し当てた。ただでさえ皮に締め上げられ快楽を与えられている乳房をさらに圧迫するのはアスナにとって辛いことである。しかし辛いのはCにとっても同じだった。まるでマシュマロのような柔らかさのふくらみを2つ背中に感じさせられる。着ぐるみとはいえ女性が初対面の自分にここまで大胆な接し方をしてきたのだ。うぶなCは見る見るうちに体が熱くなるのを感じた。
「ねえ、いいでしょ?」
Cは興奮のあまりアスナを振り払って立ち上がった。呼吸は荒く肩で息をしている。
「ハァハァ・・・。そんなこと、他の男にも言ってきたんだろ?いくら俺が奥手に見えるからって、ハァ・・・だまされないぞ」
「確かに私は今まで他のお客様のものだった。でもそれはお仕事だったから。今私は私の意志でCさんだけのものになりたいの。もちろんお金を払う必要なんてないわ。これでも信じてもらえないかしら?」
とうとうCは落ちた。
「シャワー、浴びてきていいかな?」
633夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
【5】 
シャワーを浴びてから裸で部屋に戻ったCはアスナを見て目が飛び出るかと思うくらい驚いた。アスナの体にはたっぷりと生クリームが塗られ、その上に種々のフルーツがちりばめられている。乳房にはそそり立つ乳首を模した苺が飾られ、股間には女性の茂みを思わせるようにチョコレートソースが網目状にかけられている。まるでアスナがケーキに化けたかのような見事な出来だ。女体盛りなどフィクションの世界では見たことがあるが実物を見るのはこれが初めてである。
「これは一体どういう・・・・・・?」
「クリームを舐めながら少しずつ裸を見る方が普通に見るよりもエッチに見えるでしょ?さあ、遠慮しないで、わ・た・し・を・た・べ・て」
Cはアスナの周りを一周し、アスナの中に人を入れた痕跡を探した。しかし背中にはジッパーは見られず、それどころかクリームが塗られていないところには継ぎ目や呼吸口すらない。やはりクリームの下に何かギミックが隠されているのだろうか?Cは正座をすると生唾を飲み込んだ。クリームを食べれば食べるほどアスナの肌が露になってしまう。もちろん恥ずかしいところも。Cはクリームに飾られたアスナの肢体を前にしてたじろぐばかりである。
「早く食べないとクリームが溶けちゃうよ。もう、仕方ないわね・・・・・・ほら、ア~ンして」
アスナは指でわき腹のクリームをすくうとCの前に差し出した。とうとうCは腹を据えてアスナの指をくわえた。口の中にクリームの優しい甘さが広がる。
「どう、おいしい?」
「・・・・・・おいしい」
634夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
Cはアスナの問いかけにぼそぼそと答えるだけで精一杯だった。2,3口食べた頃、アスナが一回にすくうクリームの量をわざと少なめにしてCをじらしていることに気付いた。このままではアスナの裸を拝む前に自分の気がどうにかなってしまう。事実、彼はもうクリームの甘さやフルーツの酸味を感じられなくなっていた。
突然Cはアスナを押し倒し、へその辺りを舐めだした。ぺろぺろぺろぺろ・・・一心不乱にアスナの腹をむしゃぶる。すっかりクリームを舐め尽くしてもアスナの肌を味わうことを辞めなかった。無味なる作り物の肌、しかしその肌から中にいる人の熱がはっきりと伝わってくる。先ほどまでの健全さはすっかり消えてCの行為を受け入れ感じている淫猥な女性が舌先にいる、そう思うと堪らず自分のモノを大きくさせながら舐め続けた。
アスナのクリームが胸と股の割れ目を覆うだけになった頃、さすがに舐めることに疲れたCは一旦舌をアスナから離した。クリームを舐め取った部分にはやはり何の継ぎ目も見られず、のっぺりとした皮があるだけだった。アスナの顔がこちらを見上げている。表情は変わらないはずなのになぜか悲しそうに見えた。自分が手荒な愛撫をした後ろめたさがあったせいだろう。Cはすっかり萎えてしまった。
「どうしたの?まだクリームが残っているわ」Cの気持ちに気付いていないのか、アスナはまだ食べろという。ますますCはいたたまれなくなった。
「でも、そうしたらアスナちゃんのオッパイとかもっと恥ずかしいところが丸見えになっちゃう・・・。」
アスナはCのほほに手を伸ばして撫でた。 
「遠慮しなくていいよ。Cさんに私の体を良く知ってもらいたいの。舐めてみて分かったと思うけど私の肌ってパツンパツンでしょ。もし私の中に人がいるとしたら大変よね。例えば乳首。元々皮に絞り上げられているところにCさんが体じゅうをナメナメしてくれたから、この苺みたいに立っていると思うわ」
アスナは自分の乳房の上の苺をさした。ショートケーキのように、ふわふわのクリームに鎮座したそれは、やはり女性の乳首を模しているのだ。おそらくその下に本物があるのだろう。
635夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
Cはアスナの言葉に操られているかのようなうつろな目で苺をくわえ、舐める。
「ん・・・・・・」
Cが舌を動かし、唇の力を変えるたびにアスナはわずかに身震いし身を捩る。アスナは苺を舐めるCを見て、自分の乳首が責められるのを想像しているのだろう。しかし実際は苺が乳首に押し当てられる刺激しか得られないのだからもの足りないはずだ。その証拠に「直接乳首を責めて欲しい」と彼女の目が訴えている(ように見える)。だがCは、じれったさを感じながらもCにされるままになっているアスナをもっと見ていたかった。小さな快感を与え続けられるもどかしさに耐え、ご褒美の強い刺激を待ち続けているであろうアスナを・・・・・・。Cは彼女を操っているような気さえしてきた。既にアスナの母たるリュネの術中にはまっていることも知らずに。
そろそろ頃合と思いCは苺を食べてしまうと、まず乳首をわざと外して乳房に乗ったクリームを舐める。やっと直接触ってもらえると思ったアスナは、まだじらされるのかと思い参ってしまいそうだった。そんなアスナの気持ちを知ってか知らずか、Cは執拗に焦らし続ける。すっかりクリームを舐め取ると、Cはついに乳首に口をつけた。
「ふわっ、あっ!・・・ああっ!」
焦らしに焦らしを重ねた上で、一番敏感な箇所を攻められたのである。Dollersで厳しい修行を積んだアスナでもこれは辛かった。体を跳ね上げ、大きく身震いをして反応してしまう。Cはしばらく舐め続けた。乳首から、母乳を思わせるクリームの風味がすっかり消えてしまうまで・・・・・・。
「もう片方も舐めてちょうだい。お願いだから・・・・・・」
アスナは収まらない興奮をこらえてCに頼んだ。イくことができない人形は、行為を受ければ受けるほど感度が上がりより大きな快感を受けることが出来る。しかしアスナには、作戦通りCの心を一気に開ききることが求められている。Cの攻撃を受けつつも理性を失わずに彼の心の傷をさらけ出させなければならないのだ。余裕を持ってCを誘いつつも、内心これから与えられる刺激を想像し体をさらに熱くしていた。
Cはさっきと同じように苺をすぐには食べず、まるで本物の乳首を攻めるように執拗に舌で転がしたり、しゃぶったりする。違うのはアスナの状態だ。さっきの乳首攻めで体はすっかり湯上りのように火照り、陽炎でも見えるかというほどであった。感度がずっと良くなった体でCの焦らし戦法を受けながらも、少しも顔をゆがめることは出来ず、人形ならではのスマイルを絶やさない。
636夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「かわいそうだから、そろそろ直接触ってあげようかな」
乳房のクリームをすっかり舐めとったCは、直接舌で乳首を弄びはじめる。さらにCは空いている方の乳首を容赦なく指でこねくり回す。アスナは大きく仰け反りながら、搾り出すように嬌声を上げながら彼の行為を受け止める。
(耐えるのよ、アスナ。た、え、て)
そうやって自分に言い聞かせながら自分の理性をつなぎとめるアスナ。だがCの攻撃はねちねちと続いた。
二つの乳首が露になったが、アスナは隠そうともせずCに見せ付けている。桃色の突起は今にも破裂しそうだ。
「最後はここね。私はお人形だから排泄物は全く出さないわ。汚くないから安心して。さぁ、私の・・・・・・をどうぞ召し上がれ」
にちゅっ。アスナは股間に塗られたクリームに手を入れて外側に広げた。おそらく割れ目に手をかけたのだろう。ここまで来るとCはためらわなかった。アスナの股に顔を突っ込み顔をチョコとクリームまみれにしてむしゃぶりついた。
「あああっ、激しすぎっ!ちょっ、やめっ!刺激が強すぎて、ア~ンッ、私、おかしくなっちゃうよぉ~~~!」
散々Cの執拗な攻撃に堪えた体。その体の一番敏感なところをCに凝視され責められるのだ。さすがのアスナも大きく取り乱し、興奮の大きさを全身で表現する。Cも女性の股間を目の前にして、自分に責められ狂うアスナに気を良くしていた。しかしここで何かが舌に当たる。こりこりとした小さな塊。Cは何かのフルーツだと思いペロペロと舐めてみた。味はないが弾力がある。なんだろうと考えながらCは舐め続ける。
637夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
一方アスナはパニックに陥っていた。そう、Cが舐めていたのはアスナのクリ○○○に他ならなかった。ここを責められてはとても理性をつなぎ続けることは出来ない。アスナは絶えず嬌声を上げ、体はCの行為のなすがままに操られる。時間の流れがとてもゆっくりに感じられた。とうとうCはアスナのクリ○○○にかじりついた。その瞬間、ビクンッビクンッビクンッと、アスナの体が三回程跳ね上がり、ぐったりとしてしまった。心配になりCはアスナの股間から顔を離し様子をうかがった。程なくしてアスナは何事もなかったようにゆっくりと体を起こすと自分の体をタオルで拭いた。
「ねえ、大丈夫?」
「もちろん大丈夫よ。Cさんとっても上手ね。おかげでとっても気持ち良くイくことが出来たわ。人形だからエロ汁は出ないんだけどね」
アスナは軽く笑った。しかし、愛液はしっかりと作られ放出できずにアスナの体内に留まっていたのだ。しかも1回分の量ではない。さっき乳首を舌と指で同時に攻められたときにも密かにイき損ねていたのだ。2回位なら腹の膨らみはほとんど目立たないだろうが、アスナの中ですっきりとしないむず痒い感じを長い時間与え続けるのだ。先ほどの行為などなかったかのように振舞っているアスナだが、Cの行為が終わった後も快楽と戦っているのだ。
「あらあら、こんなに大きくなっちゃって」
アスナはCの股間を指差して言った。そこには膨れ上がったCのモノがぶら下がっていた。

「アハハ・・・。これは参った」
「男の人ってこうなっちゃうと出さずにはいられないんでしょ?」
「うん・・・・・・」
「苦しそうねぇ。私はエロ汁なんて出ないから良く分からないけど。・・・・・・すっきりさせてあげよっか?」
「いいの!?」
「さっきすごく気持ちよかったから、お礼にシてあげる。横になって」
Cはベッドに横たわるとアスナは尻を向けるようにしてまたがった。
「え?そっち向いちゃうの」
「うん。だって、おチ○チンいじっている時のエッチな顔見られるの、恥ずかしいんだもの」
「お願い。こっち向いていじってよ」
「ダ~メ」
Cの必死のお願いもあっさり断られた。Cの方を振り返ってアスナは言葉を続ける。
「もし気が変わったらエッチな顔を見せてあげてもいいわよ。気が変わったら、だけどね」
アスナはニコッと笑うと、Cのモノをしゃぶりだした。
さすがにDollersで修行を積んだだけのことはある。ほんの少し舐めただけでCのツボを探し出すと、舌先でチロチロと撫でたり唇で締めたりして執拗に責める。しかもアスナを舐めていたときに崩壊寸前だったモノを、Cがすぐにイかないように力加減をして刺激しているのだ。
こんな可愛い人形が自分のモノをしゃぶっている光景は正面から見れば絶好のオカズになるだろう。しかし実際にCに見えているのはフリフリと揺れているアスナのお尻なのだ。
Cはアスナの言葉を思い出した。

「もし気が変わったらエッチな顔を見せてあげてもいいわよ。気が変わったら、だけどね」

Cは今その言葉の意味を理解した。そして自らの指を彼女の引き締まったつつましやかなア○スに突き立てた。
638夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
驚いたのはアスナである。確かに『自分を責めてみろ』と挑発したものの、せいぜい足などを撫でるくらいだろうと思っていてア○スを責めてくるなんて大胆なことは想定していなかった。
(思ったより私に心を開いてくれているみたい。作戦は順調過ぎるくらい順調ね)
さっき2回もイき損ねたアスナはCのア○ス責めをありったけの精神力で我慢しながら、責め手を緩めないよう注意した。しかし、それは並大抵のことではなく、体が再び火照るのを止められない。
一方Cもアスナが一向に音を上げないことに焦っていた。このままでは自分の方が先に限界に達してしまう。こうなったら・・・。
「アスナちゃん、分かるかな?僕の指が」
Cはそう言うと、ほぐれて柔らかくなっていたア○スの中に指を突っ込む。
「やあぁっ!Cさんの指がぁ」
さすがのアスナもこの刺激には耐えられなかった。思わずCのモノから口を離してしまう。気を良くしたCは第二関節まで指を突っ込むとそこからピストン運動を開始した。
「ああ、やめてっ。お尻かき回さないでぇ・・・ひぁっ・・・分かったわ、前を向いてシてあげるから、許して・・・」
Cはその言葉を聞いて指を抜いた。アスナはすぐに向きを変える。前を見るとCが期待をこめた目でこちらを見ている。
「今度はオッパイも使ってCさんを楽しませてあげるね」
アスナはそういうとあまり大きくない胸を寄せてCの熱いモノを挟むと乳房を上下に動かし始めた。さらに舌を伸ばしてCのモノの先端をくすぐる。今度は本気だ。手加減をせずにCに崩壊を促している。アスナはCの指でまたイき損なってしまい、限界が近づいていたため、仕上げに入ったのだ。
我慢させられていたCはあっけなく出してしまった。あんまりたくさん出たので、アスナの顔が真っ白になってしまった。
「えへへ、私またクリームまみれになっちゃったね」
639夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
【6】
この後、Cはさらに2回イかせてもらい、帰るころにはぼうっと恍惚の表情を浮かべていた。
「今日は本当に楽しかった。また近いうちに遊びに来るよ」
ところがアスナは申し訳なさそうな声でこういったのである。
「ごめんなさい。あなたはもうここに来ることは出来ないの」
意外な言葉を聞かされて驚くC。
「え!?・・・・・・あ、『友達としては来るな』ってことだね。でも客としてくる分には『来るな』なんて言わないよね?」
アスナは無言で首を横に振る。
「そんな・・・・・・。僕のことを好きになってくれたんじゃなかったの!?あんなにエッチなことをしてくれたのに。アスナちゃんは僕をからかっていただけなの!?」
アスナの肩を激しく揺すって問いただすが、彼女は黙ってうつむいたままだった。顔は笑っているのに悲しそうな目をしている。Cはハッとして手を離した。
「ごめん・・・・・・」
「いいの。私、Cさんのことが好きよ。だから安心して甘えられたの。でもCさんは愛しているからじゃなくて、寂しさから逃れたいから私を好きでいてくれるんじゃない?」
心の中を言い当てられ、Cは観念したように話し始めた。
640夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「僕、昔から友達を作るのが下手だったんだ。自分は孤独に耐えられないって頭では分かっていたんだけど、自分がグループに入ることで、そのグループのバランスが崩れて自分や他の人が嫌な思いをするんじゃないかってずっと怖かった。『独立』っていうか『孤立』だよね。都内の大学に受かって上京したら、家族とも離れて本当に『孤立』した。そんなときにアスナちゃんのブログを見つけたんだ。アスナちゃんはこんな僕の言葉でも答えてくれた。僕はアスナちゃんのブログを読むときだけ孤独を忘れられたんだ。その上実際に会ってくれて、やっと友達が出来たって思えたんだ。だから『もう会わない』なんていわないでくれよ・・・・・・」
アスナは黙って聞いていた。Cが話し終えるとアスナはCの手を取り、彼の胸に当てた。
「目を閉じて」
Cは言われた通り目を閉じる。
「ゆっくり思い出してみて。今まであなたに話しかけてくれた人を」
Cのまぶたの裏に今まで言葉を交わした人の顔が浮かんでは消えていった。親、兄弟、先生、同級生・・・・・・。
「数え切れないほどの人があなたと話したはずよ。その中にはあなたと仲良くしたいと思っていた人もいるはずよ」
Cは心の中のモヤモヤが一気に吹き飛ぶような心地がした。そうだ、僕は傷つくことを恐れて、知らず知らずのうちに差し伸べてくれた手を払いのけていたのかも知れない。
Cはゆっくり目を開けるとアスナに尋ねた。
「今からでも作れるかな、友達」
アスナは自信たっぷりに笑って答えた。
「Cさんの気持ちは人形の私にも伝わったんだから大丈夫。私が保証するわ!」
不意にCの目から一筋の涙が流れた。Cはアスナに抱かれながら今までの寂しさを押し流すように泣いた。
641夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
【7】
「ご苦労様でした、アスナ」
Cを見送ったあと、アスナはリュネの部屋に報告に行った。
「Dollersは休憩所であって永住の地ではありません。辛い世の中に疲れたお客様に少しだけ休んでいただいて、再び世の中に送り出して差し上げる場所。彼を立ち直らせるためには、意固地になった心を一度ほぐす必要がありました。アスナと彼の親密さを早く高めるために、あのような刺激の強いサービスをせざるを得ませんでした。・・・・・・何か言いたいことがあるのですか、アスナ?」
アスナは聞きにくそうにリュネに尋ねる。
「あの、これで良かったんでしょうか?これでCさんが立ち直れたのか心配で・・・・・・」
「ワタクシも彼に会うまで不安はありました。ですが実際に彼に会って確信しました。この人なら大丈夫だ、と。母がこう言うのです。安心なさい」
接客経験豊富な母の言葉でアスナも心からほっとした。
642夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
「さて、今度はアスナに罰を与えなければいけませんね」
「へ?」
にやりとしたリュネがさらっと恐ろしい言葉を放ち、アスナはワケが分からずポカンとした。
「ブログのことを考えて、仕事をおろそかにしていたのでしょう?罰を受けるのは当然です。さ~て、どんな罰にしようかしら?」
なぜか楽しそうなリュネを見ながら、アスナは前に偶然聞いた先輩人形達の会話を思い出していた。

「この店で一番怖いのは、ダントツでお母様だよね~」
「この間もお仕置きされた奴がいて、そいつ2,3日恐怖で口が利かなくなったって・・・・・・」

これから自分を待ち受けている運命を考えると、見えない冷や汗が流れてくるような気がする。
「では、アスナの罰は・・・・・・ワタクシにブログの作り方を教えなさい」
「はい!?」
「ですから、ブログの作り方を教えなさい。なんだか面白そうだなって思ったんですが、いざ始めようとしたらどうもよく分からなくて・・・・・・」
「もう、お母様ったら~」
一気に体の力が抜け、アスナの表情が思わず緩む。
「ほら、笑わないで!早く教えなさい!」
「はいはい。誰にでも簡単に作れますよ、ブログって」
643夢幻征四郎 ◆qDggTAordc
【Epilogue】 
「さぁ、今日もブログ更新するぞ~」
Cがやってきた次の日、今日もブログの更新に張り切るアスナ。昨日の記事に付いたコメントは・・・・・・20件!しかも全部Cさんから!
(もう、全然変わってないじゃない~~!) 
と、少しがっかりしてコメントに目を通し始めるアスナ。だが、1件目のコメントを読んだ彼女はなんだかうれしそうだ。

C                           4月×日 12:37
今日思い切って隣の席になった奴に話しかけてみたよ。「実は前から話しかけたかった」んだって。アスナちゃんの言う通り、僕が気付かなかっただけで手を差し伸べてくれる人は結構いたんだ。アスナちゃん、本当にありがとう。

(お母様の言ったとおりだ。Cさんならきっと大丈夫。少しずつ変わっていければいいよね)

アスナはコメントを全て読み終えると、せっせと“返し”を書き始めた。
<Dollersシリーズ9『ブログ』終わり>
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・組織名はDollersの幸運以外全て架空のものです。
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