ミステリアスな撮影現場(仮)

状態
未完結
文字数
1,226
投稿数
1
他の形式
Plain Text
RDF
680スティッチの着ぐるみ
ある朝、
目が覚めると
まったく知らない部屋で寝ていた。
「あれ?ここどこだ??」
ふと部屋を見回してみると、ウシとネコの着ぐるみが壁にかかっていた。
そして、机の上にはノート型PCが置いてある。
僕はベッドから降りようと思い足を動かそうとすると、ジャラジャラと鎖の音がする。
見てみると、足に鎖が巻かれ南京錠で固定されている。
何重にも巻かれているためはずすにはかなりの時間がかかりそうだった。
鎖をはずし始めてしばらくすると、人の足音が聞こえてきた。
その足音に気が付いて寝たふりをした。
何人か人が入ってきていきなり僕がいる布団をはぐと「起きろ」と言われ目が覚めた。
なぜかその人たちは全員着ぐるみだった。
トラやウサギ、パンダといった動物の着ぐるみだった。
するといきなりトラの着ぐるみを着た人から
「今からちょっとした撮影をするからお前に手伝ってもらいたいんだ。
だからあそこにかかっているネコの着ぐるみを着て着いて来てくれないか?」
と頼まれた。
「どんな撮影ですか?」
と聞くと、
「俺たちにはわからない、監督に聞かないと…」
と返された。
鎖を外してもらい仕方なく着ぐるみを着て着ぐるみ集団についていくと、
どこかの収録スタジオのようなところについた。
しばらくは出番待ちでくつろいでいた。
トラさん
パンダさん
ウサギさんは、
監督らしき人に呼ばれて行ってしまったが、
少しして、自分もセットに入ることになった。
セットの雰囲気は、どこかの倉庫の入り口のような雰囲気だった。
内容は、
仲間を助けるためにアジトの倉庫に入り、ボスに仲間を放すように説得する
という感じだった。
声は、アフレコで別の人が入れるから動作だけでいいらしい。
監督によると、
そのシーンがOKならばそのまま続けての撮影
らしい・・・
一番びっくりしたのは、ボス役の着ぐるみがゴリラだったことだ。
そのあとの撮影のことはまったく知らない…
監督に聞いてみても、
「教えてもいいが、焦った感じの動きを出すには、聞かないほうがいいと思うぞ」
と言われてしまった。

スタッフの人から、全員にトランシーバーを渡された。
これで役の人全員のアフレコと、監督やほかのスタッフの声が聞こえるらしい。
一度リハーサルで扉の開き方や動作の練習をしてから本番となった。


順調に撮影も進み、いよいよ問題のシーンに入った。
トランシーバーとつながっているイヤホンからは、ボス役の声で
「お前一人でのこのことやってくるなんて、いい度胸してるじゃねぇか。
まぁいいや、おいお前ら!!こいつの仲間を連れて来い!!」
と、連れて来られたのは、白い猫だった。後ろ手で縛られていて、
体のいろんなところが汚れていた。
するとその猫は、いきなりその場に崩れてしまった。
僕は考えもせず、不意に白い猫に近づき、その白い猫を抱きかかえた。
するとその猫はいきなり、泣き始めてしまった。
かなり辛かったのだろう。
しばらくの間慰めていたのだが、
突然目の前がぼやけてきて、
そのまま力が抜けて、
体が動けなくなってしまった。