人形遊びEX2

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完結
文字数
22,355
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61
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11人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
人形遊び番外編(人形遊びEX)の続編です。
番外編の続編ってややこしいですね……申し訳ないです。
それと、またこりずに俺の妄想が暴走してます。


「人形遊びEX2」

あらすじ
1学期も終わり夏休みに入った。そのころ真紀はある悩みを抱えていた……その悩みとは?


主な登場人物

主人公:眞田真紀(さなだ まき)
性格、容姿等は「人形遊び番外編」と同じです。
交通安全教室以降、お互い同じ性癖を持っていることを知ったので、上凪(人形遊び番外編を参照)とかなり仲良くなった。
相変わらず美優に会えないので、アリスちゃんになってからは着ぐるみを着ていない。


磯崎美優(いそざき みゆ)
性格、容姿等は「人形遊び2」と同じですが、4年前と比べると性格が大人になりました。
中学校の国語の先生で、バドミントン部の副顧問をしている。
バドミントン部が今年はイイ線までいっているため夏休みも練習練習の毎日で忙しい。
12人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
上凪勇美(かみなぎ いさみ)
性格、容姿等は「人形遊び番外編」と同じです。
だいぶ左の小指が治ってきたが、一応包帯を巻いている。
暇なときは真紀とよく遊ぶようになった。真紀とは「真紀さん」「勇美ちゃん」と呼び合っている。
真紀の秘密を知る数少ない人物。
真紀と美優の関係も、サキのことも知っている。


岬香織(みさき かおり)
性格は「人形遊び番外編」と同じですが、髪が肩ぐらいの長さになりました。
実は胸が結構大きかったりする。
真紀を通じて上凪と最近よく遊ぶようになった。上凪とは「勇美ちゃん」「香織さん」と呼び合っている。
13人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
「8月の8日あいてるんだけど、美優はあいてる?」
『ちょっと待ってくださいね!えっと……あっ!すみません……ちょっと無理そうです……』
「そっか……じゃあ、あいてる日があったら一緒に遊ぼ♪最近暑いから体に気をつけてね♪」
『はい♪』
「それじゃあもう遅いから電話きるね、おやすみなさい。」
『おやすみなさい♪』

 私は美優が電話を切るのを確認して、ケータイを閉じた。
 そしてケータイをバックに入れてベットの上に寝転ぶ。

 美優もあいてないんだ……はぁ……

 思わずため息が出ちゃう……

 小学校は夏休みだけど、先生の私は2学期の行事の準備とか子供たちの成績の確認、プール当番とか色々あってほとんど毎日学校にいってる。
 
 でも5時半くらいには帰れるから自由な時間が多い。学校があるときと比べるとかなり暇……
 かおりんとか勇美ちゃんと遊んだりすることもあるけど、やっぱり都合が合わない日が多い。
 その分、独りの時間があるから……すごく寂しい……子供たちにもプール当番の日しか会えない……

 寂しさを紛らわせようとして私はいつものように机の前の椅子に座り、パソコンのディスプレイをつけて、あるフォルダを開く……
 フォルダの中には私が……着ぐるみを着たときの写真がいっぱい入ってる……
 美優に撮ってもらったサキの写真……それに教頭先生に撮ってもらった交通安全教室のときのアリスちゃんの写真……
14人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 ……んっ……あっ……んく……

 体がその時のことを思い出して……胸がドキドキする……
 頭がぽーっとして……感じちゃう…… 
 ショーツに入れたティッシュがもう湿ってきた……
  
「……あぁん……あっ!だめ!」
 
 独りで変な声を出してることに気づき、恥かしくなってあわててディスプレイの電源を切った。
 お風呂から上がったのにちょっと汗かいてきちゃった……

 こんなことしてちゃ……だめだよ……
 ……やっぱり私……変なのかな……

 この前アリスちゃんになってからというもの、私は毎日着ぐるみ姿の私の写真を眺めるようになった…… 
 それで毎日着ぐるみを着たときの……あの感覚を思い出して……あそこを濡らしちゃう……
 それに……ある感情が胸の中でどんどん大きくなっている……
 
 ……また……着てみたい……

 そう……今すぐにでも着ぐるみを着たい……
 昔はそこまでこんなこと思わなかった……
 でも私と美優が先生になってからは、お互い都合が合わなくて着たいときに着ぐるみが着れない……
 その不安にも似た気持ちと、この前アリスちゃんになった時の気持ちが頭の中でぐるぐる回って今の状態になってるんだと思う……
15人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 ……だめだめ!明日はプール当番なんだからもう寝なくちゃ!

 時計を見るともう12時を過ぎていた。
 パソコンの前で1時間以上も写真を見ながら悶々としてた……

 私は立ち上がり、トイレで用を済ませてすぐにベットに潜った。

 頭にまでタオルケットを被せて目をつむる……
 でも着ぐるみが全然頭から離れてくれない……

 どうしよ……まだ胸がドキドキして……目がさえちゃって……眠れないよぉ……
 ……あっ!パソコンつけっぱし!

 私はパソコンの電源を切るのを忘れちゃってた……
 あててベットから降りてディスプレイをつけてシャットダウンしようとした。

 ……そうだ!いいこと思いついちゃった♪

 私の頭に名案が浮かんだ!
 
 着たいなら……自分で買っちゃお♪
 なんで今まで気づかなかったんだろ……私ったら……
16人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 そしてネットを開いて検索ワードを入れる。

 着ぐるみ、制作、マスクっと……
 ……えっと、○×工房だっけ……たぶんこれかな?

 昔美優に聞いておいたホームページを開く。
 それはアニメに出てきそうな女の子の着ぐるみを作ってる会社のホームページで、ここで美優がサキのマスクを注文したらしい……
 「マスク」ってところをクリックすると色んな顔の女の子のマスクが出てきた。 
 一つ一つのマスクに名前がついてる……もちろんサキのマスクもあった。

 ほんとは「ルリ」っていうんだ……でも……私が着るのと「サキ」になる……
 なんか特別って感じで……恥かしい……

 顔を赤くしながら次へ次へとマスクを見ていく……そしてあるところで私の指がピタッと止まった。

 うそ……これ……私と同じ……

 私は画面にくぎづけになった……そこには私と同じ名前を持つ「マキ」という女の子のマスクが映し出されていた……
 でも私と顔が全然違う……私はみんなからよく子供っぽいって言われる……
 マキは全く正反対だった……目がキリッとしてて大人っぽい女性って感じだった……
17人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 これ被ったら……私は「マキ」になっちゃうんだ……あぅぅ!……
 なんか……同じ名前だから余計に……ドキドキしてきちゃった……

 マウスを握ってる手が汗で湿ってきた……
 まだ着てもないのに……注文さえしてないのに……胸がパンパンになってる……

 ちょっと恥かしいけど……これにしちゃお♪
 
 私は自分と同じ名前のマスク、「マキ」を買うことにした。
 ホームページ上では全部のマスクがそれぞれのウィッグをつけてあるけど、注文するときはウィッグの髪型や色、瞳の色まで選べるようになってる。
 もちろんサキみたいにマスクに猿轡をつけるオプションもある……

 猿轡はいらないよね……顎いたくなっちゃうもん……
 肌タイは……やっぱり股にチャックついてた方がいいかも……おしっこするとき便利だしね!
 服は……自分の着ればだいじょぶだし……
 髪型とかどうしよ?……同じにしちゃおっかな……私と……ふふ♪

 私は購入のページを開き、敢えて髪を黒髪のロングで瞳は黒……私と同じ特徴を持つマキのマスクを買い物カゴにいれた。
 そして肌タイも買い物カゴにいれる……どんどん現実味がでてきて脈が速くなってくる……
18人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 合計で10万8千円……結構かかる……
 だけど貯金もあるし、これ位ならだいじょぶだと思う。
 そして住所とかカード払いの設定をして、あとは購入ボタンを押すだけとなった。
 
 あとはクリックするだけ……
 それで2週間待てば……着ぐるみが届く……
 そうすれば……着たいときに着れる♪
 そしたら……

 そう考えた瞬間、私はマウスから手をはなした……

 ……どうなっちゃうんだろ……
 毎日……着ちゃうかもしれない……それで毎日……感じちゃう…… 
 そしたら……私……おかしくなっちゃうよぉ……

 急に体が震えだした……
 怖くなってきた……毎日肌タイを着て……顔をマスクで覆って……そのうえ感じちゃう……
 それを日課にしてしまいそうな……着ぐるみがないと生きていけなくなってしまいそうな……自分に……

 でも……着ぐるみは着たい……それに今になって欲しくなってきた……自分が所有する着ぐるみを……
 しかもマウスをワンクリックすればそれが両方叶ってしまう……

 着ぐるみを買って毎日マキの中でおぼれるか……それとも買わないでサキになれる日まで悶々と過ごすか……
 どっちもおかしくなっちゃいそうで……私には選択できなかった……
19人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 自分に押しつぶされた私は、ついに泣きだしてしまった……

 ひっく…ひっく……どっちに……すればいいの……ひっく……わかんないよぉ……
 ……あっ!美優に相談し…

 私の頭に美優が浮かんだけど、すぐに消えていった……
 私が着ぐるみを買う、って言ったら美優は怒ると思うし……美優を傷つけちゃうかもしれない……
 それに美優は着ぐるみを見て楽しむ方だから私の気持ちが伝わらない気がする……
 着ぐるみのことなのに美優にさえ相談できない……すごく一人ぼっちに思えてきた……

 こんなこと……誰に相談すればいいの……ひっく……
 私の気持ちなんて……ひっく……誰も……わかんないもん……
 ひっく…ひっく………私の……気持ち?
 
「勇美ちゃんだ!」
 私は勢いよく椅子から立ち上がり、夜中だということを忘れて大声で勇美ちゃんの名前を叫んだ!

 勇美ちゃんならわかるかもしれない!こんなときどうすればいいか……
 だって勇美ちゃんも……着ぐるみ着ると感じちゃうって言ってたもん!

 そう思ったら気持ちが急に楽になって、私はいつの間にか泣きやんでた。
 ウィンドウを全部閉じてパソコンを消し、私は再びベットに潜った。

 明日相談してみよ……勇美ちゃんに……
 それで……どうすればいいか……きけば……

「すーー……すーー……」
20人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
真紀ちゃん 着ぐるみ買いたい……でも……編  完  です。

今回も着るまでが長いです……申し訳ないです。
それと「勇美ちゃん」=「上凪さん」です。わかりにくくしちゃってすみません。
21人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 ………ん~~……暑いよぉ……

 私は暑さとともに目を覚ました。昨日はあのまま寝ちゃってたみたい……

 ……目覚まし……鳴らなかったかも……今何時だろ……
 
 ベットの上に目覚まし時計がない……ベットから落ちて床に転がってた。
 それを拾って時間を確かめる……

 ……12時……30分?……え!!

 目をこすってもう一回見てみる!確かに12時半だった!
 今日はプール当番だから45分にはプールに行って準備をしなくちゃいけない!

 ど、どうしよ!遅刻しちゃう!ご飯食べなきゃ!
 あっ!その前に着替えなきゃ!……じゃなくてトイレ行かなくちゃ!

 私はあわててトイレに駆け込み用をすませると、パジャマと下着を脱いで紺色の競泳用水着を着て、そのうえにTシャツと短パンを身につけた。
 そして冷蔵庫からウイダーインゼリーを取り出してそれをくわえながらバックを持って、いそいで部屋を飛び出した。
22人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
「はぁ…はぁ…はぁ……間に合った……」

 なんとか時間ぎりぎりに学校のプールに着いた。
 今日はすごく暑いし蒸してる……それに走ったからもう全身汗ビッチョリになってた……
 職員用の着替え室に入るとかおりんが水着姿で立っていた。
「おはよう……」
「お、おはよう……えっと……だいじょぶ?顔真っ赤だよ?」
 かおりんが心配そうな顔で私のおでこに手を当てた。

「だいじょぶ……ちょっと寝坊しちゃって……走ってきたから……」
「ふふ♪」
 かおりんはおでこから手を離すと、私の顔を見ながら口を押さえて笑い出した……なんだろ?

「……何かついてるの?顔に……」
「違う違う!まきちゃんも寝坊することあるんだと思って……急に可笑しくなってきちゃって……ふふふ♪」
「寝坊ぐらい誰だってするよ…………もお!笑いすぎ!」
「ごめんごめん!……あっ!もう着替えてあるの?」
「うん……家で……着てきちゃった……」
 恥かしくなってまた顔が真っ赤になった……
 そんな私を見て、かおりんがまた笑ってた……

「っと、いけない!時間過ぎちゃってるから準備始めよっか!」
「うん!」
 かおりんもTシャツと短パンを水着の上に着てバックから水泳キャップを取り出した。
 私もキャップを取り出し、髪をゴムでまとめて二人で着替え室を出た。
23人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 今日は前半が5、6年生、後半は1年生がプールの日だった。
 前半は高学年の子たちだから笛を吹いたりするだけだけど、
 後半は1年生だから浅いほうのプールに私たちも一緒に入って泳ぎ方とかを教えてあげる……
 みんな結構日焼けしてて、元気一杯にプールの中を泳ぎ回ってた。
 久しぶりにみんなと遊べてすごく楽しかった……

 子供たちも帰り、私たちは後かたずけをし終わって二人で着替え室に入った。

 かおりんは髪をタオルで拭きながらこう言った。
「ふぅ~、今日暑かったね。」
「うん。でもみんなの顔見てたら暑いことなんて忘れちゃってたかも……結構楽しかった♪」
「うん♪私も♪」
 そう言いながら、かおりんは私の前でいきなり着てるものを全部脱いで裸になった!
 私は顔を真っ赤にしながらあわてて両目を手で塞いだ!

「い、いきなり脱がないで!」
「へ?……女同士なんだからいいでしょ♪」
「そ、そうなの?」
「うん♪」
 私はちょっとだけ指を開いてかおりんを見た……もう下着はちゃんと着たみたい……
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 そしてかおりんが下着姿で私に近寄ってくる……なんかニヤニヤしてる……
「私の見せたんだから、まきちゃんのも見せて♪」
 かおりんはそういって私のTシャツに手をかけた!
 私はあわててかおりんから離れた!

「い、いや!……やめて……」
「いいじゃない♪真紀ちゃんスタイルいんだから♪おねがい!」
 かおりんは両手を合わせて頼んでくる……
 でも……やっぱり見せたくない……恥かしすぎる……

「ほんとに……だめだってば……」
「ふふ♪冗談だよ♪」
 かおりんはそう言って私に背中を向け、Tシャツを着始めた……
「……もお!」
 私もかおりんに背を向けてから水着姿になり、体にタオルを巻いた。

 恥かしくて見せられないよ……私の体なんて……
 それに……かおりんのほうがスタイルいんだもん……胸おっきいし……
 ……なんでみんな私よりも……大きんだろ……

 そう思って自分の胸を見る……
 私は背ばっかり伸びて高校の頃と比べてもそこまで胸が大きくなってない……
 すこしショボンとしながらバックの中の下着を探す……
25人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 ……あれ?……どこいれたっけ……

 バックの中を隅々まで探す……下着がない!

 うそ!なんで!……あっ!

 私は部屋を出る前のことを思い出した……急いでたから下着のことなんて忘れちゃってたみたい……

 ……しょうがないから水着で帰ろ……
 昨日用意しとけばよかった…………昨日?……あっ!

 私は昨日の夜のことを思い出した!
「そうだ!!着ぐる……」
「ど、どうしたの!」
 「着ぐるみ」って言いそうになったから、あわてて口を塞いだ!
 体に巻いてたタオルがパサッと下に落ちる。
 私は着ぐるみを買うか買わないかを勇美ちゃんに相談しようとしてたのを忘れちゃってた……
26人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 ゆっくり振り向くとかおりんが心配そうな顔で私を見ていた……

「……えっと……下着忘れちゃって……」
「そお……急に声出したから何かあったのかと思った。
 ……今日は私が鍵返してくるよ、早く帰って着替えないと風邪ひいちゃうよ♪」
「うん……ごめんね、迷惑かけちゃって……」
「困った時はお互いさまでしょ♪」
「え?……うん!ありがと♪」
 
 ……着ぐるみのことはかおりんに言えないし……
 みんなと一緒だったからすっかり忘れちゃった……

 私は体をササッと拭いて、水着の上に着てきたTシャツと短パンを着て、先に着替え室を出た。
27人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
真紀ちゃん もお!かおりんったら!編  完  です。
28人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 学校を後にし、私はアパートへと向かった。 
 独りになると、また着ぐるみのことで頭が一杯になってきちゃう……

 悪いことしちゃった……かおりんに……
 私個人の悩みのせいで……色んな人に迷惑かけちゃう……
 それに……これからまた迷惑かけちゃいそう……勇美ちゃんに……

 私は部屋に戻ると水着を脱いで、朝脱ぎっぱなしだった下着と一緒に洗濯機に入れて、今度はちゃんと下着をつけてから服を着た。
 そして時計を見る……6時だから一応市役所の勤務時間は終わってる。

 ……よし!

 私はバックからケータイを取り出し勇美ちゃんに電話をかけた。
『プルルル…プルルル……ピッ!…はい!上凪です!』
「真紀です。勇美ちゃん、今だいじょぶ?」
『はい、だいじょぶです。あっ!どこか行くんですか?』 
「ごめんね……そうじゃなくって……着ぐるみのことで……相談があるの……」
『えっ!……じゃあ今から真紀さん家行ってもいいですか?ここから近いので。』
「う、うん……ごめんね急に……」
『いえいえ!あと10分位でつくと思います。じゃあ一回切りますね!』
「うん」
『それでは!……プツッ!……ツー……ツー……ツー……』
「……ほっ……」
 ひとまず安心してケータイを閉じた。
 そしてバックにケータイを戻し、部屋を片付けてお茶の準備を始めた。
29人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 それからちょうど十分後、勇美ちゃんが私の部屋にきてくれた。
 勇美ちゃんはバックを床に置き、腰をおろすとすぐに私に聞いてくれた。
「あの……相談というのは……」
  
 勇美ちゃん……すごく真剣な顔してくれてる……
 ……私もしっかりしなきゃ!

 私は大きく息を吸い、勇気をふりしぼってあのことを言ってみた。
「私……自分の着ぐるみ買おうと思ってるの!」
「え!……」
 勇美ちゃんはびっくりしてた……
 いきなりこんなこと言われて驚かない人はいない……私の秘密を知ってる勇美ちゃんだってそうだと思う……
30人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 私は膝の上の拳をギュッと握りしめ、勇美ちゃんに悩みを打ち明けた……

「この前アリスちゃんになってから……ちょっと変なの……
 日に日に着ぐるみが着たい、って気持ちが大きくなっちゃって……でも……最近美優と会えないから着れなくて……
 それで……いつでも着られるように……着ぐるみを買おうと思ったんだけど……」

 その先を言おうとしたら唇が震えてきた……

「もし……買っちゃったら……毎日……着ちゃいそうで……
 それで毎日……着ぐるみで感じて……おかしく……なっちゃいそうで……ひっく……
 ……怖く……なってきちゃったの……ひっく……着ぐるみがないと……ひっく……やっていけなく……なっちゃうんじゃないかって……」

 目の前の勇美ちゃんがぼやけてきた……
 私の目から涙が出てた……
 泣いちゃだめって思っても……このこと考えると自分が怖くなって……どんどん涙が溢れてくる……

「でも……ひっく……次に……いつ着れるかわかんないし……ひっく……不安で……切なくて……
 ひっく………もうどおすればいいか……ひっく……自分じゃ……わかんないの……」

 私は勇美ちゃんの前だというのに、その場に泣き崩れてしまった……
31人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
「……真紀さん……顔上げてください」
「ひっく…ひっく…ひっく……」
 顔を上げると、勇美ちゃんが優しく微笑み、私の涙を手でぬぐってくれた……
 そして泣きやむまで私の頭を優しくなでなでしてくれた……
 
 私は勇美ちゃんのおかげでやっと落ち着いてきた……
「ごめんね……急に泣きだしちゃって……」
「いえいえ!それよりさっきの話なんですけど……」
「う、うん」

 勇美ちゃんの中では答えが出たみたいだった。
 私は勇美ちゃんの顔をじーっと見つめる……
 そしたら勇美ちゃんはニコッと笑ってこう言った。 
「買っちゃいましょう!着ぐるみ!」
「え!……でも……」
「実は今まで秘密にしてたんですけど……私……MY着ぐるみ持ってます♪」
「……え!ほんと!!」
「はい♪今は指が治ってないんで着れないんですけど……」
 私は2回も驚かされた!
 一番驚いたのは勇美ちゃんが着ぐるみを持ってることだった!
32人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
「私サークルとかに入ってなかったから大学生の時にバイトで毎週着ぐるみが着れたんです。
 そのころはよかったんですけど……公務員試験が近くなってくると、そうもしてられなくなっちゃって……
 それで思いきって貯めておいたバイト代で着ぐるみ一式買っちゃいました!」
 
 勇美ちゃんはニコニコしながらすごくさっぱりと話すから私はあの疑問を聞いてみた。
「毎日着たいとか思わなかったの?」
「買ったばっかりの頃はそう思いました……でもそれじゃだめだ!って思って自分の中でルールを作りました。」
「……ルール?」

 勇美ちゃんがまたニコッと笑った。
「着る日を決めて着ぐるみを着る!ってルールです♪メリハリをつけるってことです!」

 着る日を……決める?……メリハリ?

 私がポカンとした顔をしてたら、勇美ちゃんは立ち上がって私の部屋のカレンダーを指さした。
「例えば……土曜日にしましょう。そしたら土曜日に全部マーク付けて毎週着ぐるみを着ます!」
「え!毎週!」
「はい♪買ったばかりの頃は毎週でも間隔が短いぐらいです……でも一ヶ月間我慢すれば大体慣れてきます!」
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 驚きの連続だった……
 今まで不定期に、予定がない日だけ美優に着せてもらってたからかもしれない……こんなこと思いつかなかった……
 
 でもここでまた疑問が浮かんだ……
「もし……忙しくなっちゃったり……その日に着れなくなっちゃったらどうするの?」
「そしたら……無理してでも着ます!」
「え!」
「あまりにも無理そうだったら着る日の前か後の日にします。
 あと、特別ルールでどうして着たくなったときは我慢せずに着ちゃいます!悶々するのが一番良くないですから!
 あっ!でも連日は着ちゃだめです!……そうすれば最高で週に3回は着れますよ♪」
「う、うん!」

 私もなんとか頑張れば……これなら出来そうかも……
 あっ!……でも……あの問題が解決してない……
 
 そう……これじゃあ着ぐるみがないと生きていけないのと同じだった……
 あんなに一生懸命説明してくれたのに……こんなこと今更言えない……
34人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 私が俯いていると勇美ちゃんが優しくこう言ってくれた……

「真紀さん……無理して着ぐるみを自分から離そうとすると……いつか壊れちゃいますよ」
「そうだけど……でも……」
「誰にでも息抜きは必要です。
 たとえ人と違ってても……それが着ぐるみであっても……それでもいいじゃないですか!
 着てるときは着ぐるみを楽しんで、そうじゃないときはちゃんと仕事したり友達と遊んだりすれば♪
 ……それに真紀さんだけじゃありません……私も一緒です!ね♪」
「……ありがと……勇美ちゃん……」

 そっか……私だけじゃないんだ……
 ……勇美ちゃんも……おんなじなんだ……
 私……独りじゃないんだ……うぅぅ……

 こんなことで苦しんでたのは私だけじゃなかった……勇美ちゃんもいた……
 そう思うと安心して……嬉しくなって……また目からボロボロと涙が溢れだしてきた……

 勇美ちゃんは私が泣きやむまでギュッと私を優しく抱きしめてくれた……相変わらず私は子供で勇美ちゃんは大人だった……

 
 その日は勇美ちゃんの目の前でマキの着ぐるみを注文して、そのあとかおりんを誘って三人で外食した。

 着ぐるみが届くまでの間は、ホームセンターで大きな鏡を買ったり、着ぐるみの手入れの仕方を勇美ちゃんから教わったりした。
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真紀ちゃん 勇美ちゃんの着ぐるみ相談室編  完  です。
36人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 そして注文してから2週間後……8月7日金曜日、午後6時すぎ……私の部屋に着ぐるみが届いた。

 宅配業者さんから受け取ったダンボール箱をテーブルの上に運ぶ……
 引き出しからカッターを取り出し、ガムテープを慎重に切っていく……どんどん脈が速くなってきた……
 そしてフタを開け、発泡スチロールやビニールに包まれた物体を1つ1つテーブルの上に並べていく……
 
 1つ目は肌色の全身タイツ……もちろん顔の部分が開いていて、股にはチャックがついてる。
 新品だから肌触りが気持ちよくてサラサラしてる……

 2つ目はウィッグ……黒髪のロングで私と同じ髪型……
 裏側はマジックテープがついててマスクに固定できるようになってる。

 そして最後は……私と同じ名前を持つ「マキ」のマスク……

 私はマキにウィッグを被せてみた。
 瞳は黒でキリッとしてて真っ直ぐ何かを見据えている。
 眉毛はスッと長くて強さの中にも優しさがある。
 鼻筋もスッとしててちょっと高め。小さい口は、つぐんで上品に微笑んでいる。
 顔の大きさは……アリスちゃんぐらいかもしれない……かなり小顔……
 凛とした大人の女性の顔をしてる……
 私と真逆のもう一人の私……それがマキだった……

 ……あれ?……泣きぼくろついてる……
 しかも……私とおんなじとこだ……

 よく見たら左の目じりの下に泣きぼくろがついてた。
 私も同じ所にほくろがある……私が泣き虫なのはこのほくろのせいだと密かに思っている……
37人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 私はマスクを膝の上に置き、大きく息を吐いた……

 ついに……買っちゃったんだ……
 私の……私だけの着ぐるみ……

 マキの顔を見てたら急に胸がパンパンになってきた……
 体も着ぐるみを着たときの……あの感覚がきそうな感じになってる……

 一気に現実味が増してきた……私の生活の中に……着ぐるみが取り込まれることが……

 ふぅ~……明日は土曜日……予定もない……みんなとも都合が合わない日……
 ……明日……明日から始めよう……私の……新しい毎日を……
 着る日以外は……あんまり考えちゃだめ!着ぐるみのこと!
 メリハリが大事って勇美ちゃんも言ってたもん!

 私は胸に手をあて深呼吸し、もやもやした気持ちを沈めていった……
 そしてマキをダンボール箱の中に戻し、箱を部屋の隅に置いてサキと出会う前の……あの時の私を思い出してその日を過ごした。
 でもやっぱり心配だから一応ショーツにナプキンをつけて寝た……
38人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
真紀ちゃん 明日は……マキになる!編  完  です。
次の章から着ぐるみを着ます。
39人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 ……ピピピピ!ピピピピ!

 ……ん~……もう朝に……なっちゃったの……

 アラームを止めて時間を見ると朝の9時だった。
 結局昨日は興奮してあんまり眠れなかった……
 
 私はベットか降りて目をこすりながらトイレに入った。
 パジャマと一緒にショーツをゆっくりと下す……ちょっとだけナプキンが湿っちゃてる……

 昨日はだめなのに……
 ……まだ初日だから……しょうがないのかな……

 私は用を済ませた後、朝ごはんを食べた……でもまだ眠くて頭がよく回らない……

 眠いよぉ……今日は着ぐるみのこと……考えていい日なのに……
 ……なんか全然……考えらんない……

 眠気覚ましに顔を洗ったり部屋を掃除したりした……まだ眠い……
 しょうがないから冷蔵庫からピーチdeジュースを取り出してちょっとだけ飲んだ……ほんとは着た後に飲む予定だったんだけど……
 
 ゴクッ…ゴクッ…ゴクッ…………ぷはっ!おいしい♪

 一気に目が覚めた!朝飲むピーチdeジュースもやっぱり美味しかった♪
 もうちょっと飲みたかったけど朝から贅沢してる気がしてそれ以上は飲めなかった……

 よし!頑張るぞ!
 
 ピーチdeジュースのおかげで元気が出た。私は着ぐるみを着るための準備をテキパキとこなしていった。
40人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 それから数分後……私は最後の確認をしていた。

 お風呂も入れたし!エアコンもつけたし!服も用意したし!それから……ラジオペンチもあるし!OK♪
 …………あとは私が……着るだけ……

 いつもと違う新鮮な感覚だった……
 たぶん自分が選んで自分が買った着ぐるみをこれから着るからだと思う……
 それに今日は私しかいないから……我慢せずに着ぐるみで……エッチな気持になっていい……
 そう思うとドキドキして……どんどん濡れてきちゃう……

 まだ何もしてないのに……よし!もう着ちゃお♪

 私はナプキンをゴミ箱に捨て、パジャマと下着を洗濯機に入れて裸になった。エアコンがきいてるから結構寒い……
 そして髪をゴムでまとめ、濡れたあそこをティッシュで拭いて、床に広げてある肌タイを拾いあげてチャックを開けた。

 ストッキングを履くみたいに右足を肌タイにするすると入れていく……
「あぅ……んっ…………あっ!」

 やだ!変な声……だしちゃった……
 ……でも……いいよね……今日はそういう日だもん……
 
 私の足が肌タイで覆われていく……なんか久しぶりだし新品だから……肌触りがすごくいい……
 続いて左足も入れて腰まで肌タイを引っ張り上げる。

 んくぅ!……

 肌タイであそこが優しく擦られて……あそこがちゅくん!ってなった……
41人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 次に両手を通して首にぶら下がってるフードを被る……
 私の肌は顔と背中以外肌タイで覆われてる……どんどん呼吸が速くなる……

 一人でチャック上げるの……はじめて……ちゃんとできるかな……

 背中に手を回して腰にあるチャックのつまみを探す……なんとかつまめた……
 そしてつまみを上げていく……
 ジ~っという音とともに背中が肌タイで覆われていく……体が肌タイでキュッ!っと優しく締め付けられる……
 髪を挟まないように気をつけてチャックをしっかりと最後まで閉じた……なんとか一人で肌タイを着れた。
 サイズは測ったように私の体にぴったりだった……

 さっそく顔以外タイツで覆われた自分を、この前買ってきた鏡で見てみる……

 はぁ…はぁ…はぁ……ふぅっ!……

 顔が真っ赤になってる……脇がちょっとだけ湿ってる……
 それに……

 ……こんなに……濡らしちゃった……おしっこ漏らしちゃってるみたい……

 まだマスクをつけてないのに……あそこがビッチョリになってた……
42人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 肌タイを着た私の体が……すごく柔らかそうに見える……
 ちょっと肌タイの手で体をさすってみる………やっぱり柔らかい……
 それに、よくわかんないけど……タイツでこすれあう感じが……すごくきもちいい……

 はぅっ!……なんか……これ……いいかも……
 ……んくっ!……やみつきに……なっちゃいそう……

 体がどんどんほてってきて……心臓がドックンドックンいって……エッチな気持になってきちゃう……
 気づいたら……自分のおっぱいとあそこに手が伸びてた……
 私はあわててそこから手をどけた。

 だ、だめだよ!こんなとこ触っちゃ!
 ……そろそろ……マスクつけちゃお……

 鏡を見たらあそこがさっきよりも濡れちゃってた……
 私は顔を真っ赤にしながらティッシュで濡れた所を拭いて、テーブルの上のマスクを手に取った。
43人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 マスクを手に取ったらさらに胸がドキドキしてきた……
 床にペタンとお尻をつく……
 頭に血が昇っちゃってぽーっとする……あのまま立ってたら倒れちゃってたかもしれない……
 でも座っててもあんまり変わらない……

 ……ちょっと落ち着こう……時間は一杯あるんだし……
 すぅーー……ふぅ~~……すぅーー……ふぅ~~……

 私は意を決してマキと向き合った……

 これが今から……私の顔…………あぅぅ!……
 ……それでも私と同じ……名前なんだ…………よし!

 私は頭頂部の蝶番を支点にしてマキを前後にパカッと開いた。
 そして自分の頭の上に持ってくる……
 ちょっと体が震えてきた……

 やっぱり……怖い……
 被ったら……私じゃ……なくなっちゃうもん……
 ……でも……やっぱり………着たい……

 私はマキで頭をサンドイッチし、すばやく両脇をコの字パーツで固定して黒髪のウィッグを被った。
44人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
『あぅぅ!!』

 やっぱり……顔が潰れちゃう……首も……きついよぉ……
 ……あれ!?くっ、苦しい!口に穴がない!……鼻も!
 だ、だめ!外さなきゃ!

 私はパニックになった!今更マスクに呼吸穴がないことに気づいた!
 あわててマスクを外そうとする!
 でも固定してあるからもちろん外れない!顎にマスクが引っかかった!

 ち、窒息しちゃう!息吸わなきゃ!
 すぅーー

『んむぅぅ!!』
 
 無理やり息を吸ったら口にマスクが張り付いてきた!
 私はあわてて息を吐きだした!
 
 ぷはっ!!……息が……吸えない……
 どうにか……しないと……死んじゃう……
45人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 意識が朦朧としてきた……
 そんな中、私は出来るかぎり顔からマスクが離れるように、手でマスクを前に引っ張った。
 そしてゆっくり息を吸ってみた……すると目のあたりがスースーする……なぜかマスクの中に外の空気が入ってきた。

 はぁ…はぁ………もしかして……目のところに……穴があるの……

 マキの顔を触ってみる……ちょうど目の上のところが少しくぼんでた。
 たぶんここがマキの呼吸穴なんだと思う……大変だけど静かに息をすればマスクも口に張り付かない……
 息が出来ることに安心した私はその場に寝転んだ。
 
 はぁ…はぁ…はぁ………あぶな……かった……
 このまま……死んじゃうのかと……思った……

 私は怖くてちょっと涙が出てた……でも泣いててもしょうがないと思ってとりあえず起き上がった。
46人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 しばらくそのまま座ってたら気持ちが落ち着いてきた……
 
 マキは瞳がサングラスになっててそこから外が見える。
 それと目の上らへんにある呼吸穴からも一応見えるようになってる……

 私は呼吸穴もそうだけど覗き穴の確認を忘れちゃってた……
 いつも着る前に美優とか勇美ちゃんがしてくれてたから全然気が回らなかった……

 二人とも年下なのに………私もしっかりしなきゃ!

 私はマキのほっぺを叩こうとしたけどマキの顔があった。
 
 そっか……着てるんだった……どんな感じなんだろ?

 私は立ち上がって鏡に体を向けた……
 そこには全身をタイツで覆われたマスクを被った私……マキが立っていた……

 ゾクゾクッ! 

 あぅぅ!……んくっ!……
 
 さっきまであんなに落ち着いてたのに……胸がキュンってなって……あそこから愛液がじわじわと染み出てきた……
47人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 これが……今の私……マキなんだ……ふぅっ!……
 やだ……すごくエッチっぽい……恥かしい……
 あぁん!……どうしよ……立って……らんない……

 鏡の中のマキを直視できない……
 私が他人の裸を見てるような……複雑な気分になる……
 それに肌タイの裸体が……女っぽくって……いやらしく見えて……すごく恥かしい……
 顔は全く別人なのに……その中にはたしかに私が入ってる……
 そう思うと胸が一気にパンパンになって……ドキドキして……感じちゃう……
 
 私は鏡に背を向けてその場に座り込んだ……体がちょっと震えてる……
 
 はぁ…はぁ…はぁ…………いくら感じて……いいっていっても……んんっ!……これじゃ……おかしくなっちゃう……
 ……もう服着ちゃおっと……

 私は着ぐるみを着る前に用意しておいた服を着ることにした。
48人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 まずは……これにしよ……

 私はプール当番の時にいつも着てる紺色の競泳用水着を手に取り、早速着始めた。
 やっぱりマスクしてるからかなり大変だったけど、なんとか着られた。

 そして振り返って鏡を見る……私の水着を着ているマキが立っていた……

 また胸が高鳴る……

 んくぅ!……さっきよりはだいじょぶだけど……やっぱり……変な気分に……なってきちゃう……
 私って普段……こんな感じなのかな……あぁん!……

 胸はいつも気にしてたから見てたけど、独りで自分の体をこんなにまじまじと見たのは久しぶりだった……
 昔よりもふとももとか、腰の周りが女っぽくなってて……ちょっと嬉しくなった……
 体をよじっておしりを見てみる……おしりもプリン!てしてて……すごくエッチっぽい……

 私もちゃんと大人になってたんだ……なんか……嬉しい……
 ……はっ!なにやってるの!私!

 いつの間にか自分の体に見とれてたことに気づいて急に恥かしくなってきた……
 マスクの中で顔を赤くしながら肌タイの手で目を隠そうとした……もちろんそこにはマキの顔がある……
49人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 そっか……今……マキなんだ……
 ……ちょっと恥かしいけど……やってみよ……

 私はマキになっていることをいいことに、美優が写真を撮ってくれるときみたいなポーズをしてみた。

 やっぱり初めは……あれからやってみよ……美優の好きなやつ……
 ……ちょっと下向いて上目使いっぽくして……手はうしろに、っと……

 マキが私の思い描いてた通りのポーズをとる……

 んくぅ!……やっぱり……恥かしい……

 鏡に映ってるのはマキだけど、中の私がこんなポーズをとってると思うと……どんどん濡れてきちゃう……
 それにこのポーズがマキらしくなくて……それでまた感じちゃった……

 マキは大人っぽいもん……こんなポーズはとらないよね…………どんなのかな?
 ……こんな……感じかな……

 今度は腕を組んで足も交差させて、頭は俯き加減でちょっと横に向けてみた……
 そして横目で鏡を見る……

 ……うん……これっぽい……ふふ♪

 ちょっとそれっぽくて私は嬉しくなった。
50人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 そのあとも色々ポーズをとってみる……着ぐるみを着てるとやっぱり大胆になっちゃう……
 なんかモデルさんがするようなポーズがマキには合うみたい……
 
 あっ………んん………あぅん………あんっ………

 ポーズをとるたびに着ぐるみを着ていることを実感して……そのたび感じちゃった……
 それに顔まで覆われてるし……体がほってってるせいでかなり蒸し暑い……水着の部分が蒸れてきちゃってる……
 マスクの中も私の吐いた息があんまり出ていかないからすごく蒸してる……中のスポンジが湿ってきた……
 結構大変だけど……着ぐるみを満喫できて……すごくいい……
 
 でも……これだけじゃ物足りなくなってきた……

 せっかく着たんだもん……やっぱり……写真撮っときたい……

 今の私を……マキを記録に残したかった……
 でも一人じゃそれが出来そうにない……ちょっと切なくなってきた……
 私はデジカメをあんまり使ったことないからタイマーの仕方とかわかんないし、タイマーだとポーズをとるのが難しい気がする……

 なにかいい方法ないかなぁ……

 そんなこと考えてたら外で12時のサイレンが鳴った。
51人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
真紀ちゃん 着ぐるみ着用!マキになる!&着ぐるみ満喫、午前編  完  です。

相変わらず一人で盛り上がっちゃってすみません。
それと続きは出来たら明日ってことで……
54人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 私はひとまずお昼を食べることにした。
 ラジオペンチで固定パーツを外してマスクを取り、肌タイの顔の穴から頭をだした……顔にエアコンの涼しい風が吹きつける……
 そして大きく息を吸う……久しぶりに新鮮な空気を吸えた……

 やっぱり……きもちい……

 私は暫くマスクを膝に置いたままぽーっとしてた……
 でもこのままだと風邪ひいちゃうからとりあえず頭の汗をタオルで拭きとった。

 私は肌タイと水着を着たまま冷蔵庫からウイダーインゼリーをだしてそれをチューチュー吸った。
 渇いた喉を冷たいゼリーがちゅるん!と通り抜けていく……その感じがすごく心地よくて美味しかった……
 そしてウイダーインゼリーを飲みながら私は一人で写真が撮れる方法を考えてみた。

 無理なのかな……撮りたいときに自分で撮るのって……
 ……あれ?私のデジカメって……リモコン付いてなかったっけ?

 私はウイダーインゼリーを飲みほしてそれをゴミ箱に捨てて、デジカメの箱を引き出しから取り出した。 
 箱の中にはカメラと一緒にリモコンも入ってた!

 やった♪これで写真が撮れる♪……のかな?
 ……これ……どうやって使うんだろ……

 リモコンはちっちゃいんだけどボタンがいっぱいついてる……
 試しにカメラをテーブルに置いて適当にボタンを押してみた……なにもおきない。
 説明書を開いてみる……文字ばっかりでよくわかんない……

 ……1つずつ押してみよう!
55人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 それから十分後……

 なんで撮れないの……ぐすっ……全部押したのに……

 私は半べそをかきながらいまだにカメラと闘っていた……
 どのボタンも何回も押したのに写真が全然撮れない……

「ひっく…ひっく…………あっ……」
 涙を拭いてたらリモコンが手から落っこちた。
 それを拾おうとしたらある事に気がついた。

 ?……なんだろ……このタブ……

 リモコンの裏に変なタブがついてる……とりあえずひっこ抜いてみた。
 
 それからまた一つずつボタンしていく……
 そして丸くて赤いボタンを押した……その時!

 カシャ!

「きゃっ!」
 さっきまで全然反応しなかったのに急にカメラにフラッシュをたかれた!
 私はビックリしてのけ反りそうになった!

 ……もしかして……撮れた?

 カメラの画面を見てみる……驚いて目をつぶってる私の写真が撮れてた!

 やった♪これで一人で写真撮れる♪

 私はそんなことで子供のようにウキウキしてた。
56人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
真紀ちゃん ひとりで撮れるもん!編  完 です。

すみません。30行超えちゃいました……
57人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 私は肌タイのフードを被ってから床に置いてあるマスクで頭覆い隠し、横の隙間をパーツで閉じて再びマキになった。
 相変わらずキツイ……それに頭をマスクでサンドイッチしたときに中のスポンジから汗がグチュッて染み出してきた……

 うぅぅ……なにこれ……

 気持ち悪いのを我慢してテーブルの前に座る。
 そしてテーブルの上のカメラを私に向けてリモコンの赤いボタンを押してみた。

 カシャ!

 またフラッシュがたかれて写真が撮れた音がした。
 デジカメの液晶画面を見てみるとちゃんと座ってるマキの写真が撮れてた!

 ふふ♪撮れた♪
 ……でも目が光っちゃってる……フラッシュいらないかも……

 フラッシュの消し方なら知ってるから、今度はフラッシュをたかないでマキの写真を撮って、また画面を確認する……今度はちゃんと撮れた。

 うん♪OK♪
 あとは……どんどん撮っちゃお♪
 まずは美優の好きな……女の子座りにしよ♪

 私はリモコンを握り締め、内股になってお尻をペタンと床につけて女の子座りをした。
 股が私の愛液でヌルヌルしててすごく気持ち悪い……

 ……もうこんなに……グチョグチョ……
 ここもちゃんと拭いとけばよかった……
58人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 あまりにも気持ち悪かったから自然とふとももを擦り合わせてた……
 その動きで……あそこが刺激されちゃう……

 んくぅ!……あっ!また濡れてきちゃう……一回ちょっと拭こう……
 えっと……ティッシュは……

 周りを見回す……すぐ横に置いてあった。
 私はその体勢のままティッシュで濡れたあそこを拭いた……

 カシャ!

『え?』

 なぜかカメラのシャッターがきられた!

 な、なんで!

 私はリモコンを探した……どこにもない……
 でも手の中に四角く固いものがあるのを思い出した。
 ゆっくりと手を開く……濡れたティッシュとリモコンがあった……
59人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 ……撮れちゃったの……今の写真……

 リモコンを握ったままあそこを拭いてたからそのときボタンを押しちゃったみたい……
 テーブルの上のデジカメを手に取ってみる……女の子座りのまま両手で股にティッシュをあててる水着姿のマキが写ってた……
 マスクの中で私の顔が真っ赤になった。 

 やだ!恥かしい……あぅぅん!…… 

 さっき拭いたのにまた濡れてきちゃう……
 でも写真の消し方もよくわかんない……
 しょうがないからカメラをテーブルの上に戻してマキの撮影会を再開することにした。

 女の子座りのまま両手を膝の上に置き、なるべくリモコンが手で隠れるようにボタンを押す……シャッターがきられた。
 そしてまた画面を確認する……今度はちゃんと撮れてた。
 でも……マキのイメージと違う気がする……
60人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 ちょっと違う………もっと大人っぽい感じに……そうだ!

 私はテーブルの上にダンボール箱を置き、その上にカメラを乗せた。
 そして机の前の椅子をテーブルの前に持ってきた。

 大人っていったら……やっぱり……これかも……
 
 私は椅子に腰を下ろし、足と腕を組んでリモコンのボタンを押した。
 胸をドキドキさせながらカメラを手に取って撮れた写真を確認する……
 
 んくっ!…………うん……これっぽい………

 イメージした通りの……大人の感じのマキが撮れてた……
 胸は相変わらずだけど……足組みしたふとももが……ちょっとエッチっぽい……
 それに椅子に水着の女の人って感じがまたミスマッチで……もっとエッチな感じにさせてる……
 そしてなにより……この写真に写ってる女性の中に私が入ってると思うと……なぜか嬉しくて……恥かしくて……ドキドキして……感じちゃう……
 
 そのあともいろんなポーズで私の……マキの写真を撮っていく……
 モデルさんがするポーズ……グラビアアイドルの子がやってそうなポーズ……

 カシャ!………カシャ!…………カシャ!…………カシャ!…………
『あっ……………あん………………んんっ……………あぅっ……………』

 私しかいない部屋に、カメラのシャッター音と……私のちょっとエッチになってる声が響いてる……
 
 気持ちもポーズも……どんどんエッチになってきちゃって……どんどん体が熱くなって……あそこがどんどん濡れてきちゃう……
61人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 ……あっ!……これはちょっと……恥かしすぎるよ……
 でも……別に……いいよね……今の私は……マキなんだから……
 ……それに今日は……エッチになっても……いいんだもん……

 気づいたら顔とお尻をカメラに向けて……四つん這いのポーズでボタンを押そうとしてた……
 普段じゃ絶対こんなことやらないのに……着ぐるみが……マキが私を大胆にさせた……
 恐る恐るボタンを押そうとする……

 体がすごく熱い……心臓がバックンバックンなってる……
 息も荒くなって……すごく苦しい……
 それに……体がピクピク震えて……感じちゃう……

 はぁ…はぁ…はぁ……ふぅぅ!……これ撮ったら……次の服着よう……
 じゃないと……んんっ!……体力が……もたなくなっちゃう……
 …………よし!

 カシャ!        『あぁぁん!』

 シャッター音が鳴ると同時に……私の体が電気が流れたみたいにビクビクッ!てなった……
 脳がとけちゃいそう……あそこが急に濡れてきた……
 着ぐるみを着て……ただ写真を撮ってただけなのに……いっちゃった……
 私は腰が抜けてそのままうつ伏せになった……
62人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 はぁ…はぁ…はぁ……んんっ……美優と……一緒のときは……ここまで……なんないのに……
 やっぱり……独りだと……んくっ……いっぱい……感じちゃう……
 あぅん…………疲れちゃった……今日はもお……おしまいに……しよ……

 まださっきの余韻が残ってて……体がビクビク震えて……じわじわ濡れてきちゃってる……
 体に力が入らなくて……全然立てそうにない……
 それになんだか……眠くなってきちゃった……
 
 ……き、着替えなきゃ……このまま寝ちゃったら……風邪ひいちゃう……

 私は腕をプルプル震わせながら、なんとか女の子座りの体勢までもっていった。
 両手で体を支えて顔を上に向ける……だんだん意識がはっきりしてきた……

 もお……脱いじゃお……

 私はマスクを外さずに座ったまま水着を脱ぎだした。
 それがいけなかった……
63人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
真紀ちゃん 独りでエッチな撮影会……編  完  です。

次は……もっとエロエロです!
64人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 水着の肩ひもをずらし、両腕を抜いてひもを持ちながら腰まで水着を下そうとした……そのときだった!

『ふわっ!…………え?……』

 肌タイの手で私の胸が……乳首がちょっと擦られた……たったそれだけのことだったのに……

 ……なんか……きもちよかった……かも……

 ゆっくりとおっぱいに手を伸ばし……もう一回乳首をさすってみる……

『はぅん!』

 ……やっぱり……きもちいい……
 やだ……また変な気分に……なってきちゃった……
 
 自然と右手が水着の上から……ふにゃふにゃになってるあそこをなぞってた……

 あぅっ!……はぁ…はぁ………あんっ!……きもち……いい……
 ……あっ!だ、だめだよ!

 鏡に映ったマキが目に入った……
 私は自然と手を止めた。

 はぁ…はぁ…はぁ……こんなことするために……着たんじゃ……ないんだから……

 私は立ちあがって水着を一気に脱いだ。
 でも鏡の中のマキを見たら急に胸がパンパンになっちゃった……
65人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 マキはすごくいやらしかった………水着を着てたところが汗染みだらけで……首周りも結構湿ってて……私の肌が透けちゃってる……
 それに……おっぱいも透けちゃってて……肌タイの上からでも……乳首が立ってるのがわかる……
 そしてなによりも……つまむと滴るぐらいに……ビッショリになるまであそこを濡らしてる……
 でも目の前の着ぐるみはマキであって……私でもあった…………私は立ってられなくてその場に座り込んだ……
 
 ドックン!ドックン!ドックン!…………ゾクゾクッ!

 んくぅ!…………このまま……おわりなんて………いや……

 私に魔がさした……
 マキが片手で胸を揉み……もう一方の手で……あそこをのぞり始めた……

 はぅぅ!……はぁ…はぁ……きもち……いい……んんっ!

 でもそれをしているのは……紛れもなく……真紀だった……

『はぁ…はぁ……んくっ!……はぁ…はぁ………ふぅっ!……
 はぁ…はぁ…あんっ!……はぁ…はぁ…はぁ……あぁっ!……はぁ…はぁ………あぁん!』

 ……あっ!……い、いっちゃう…………あっ……

 ぶわっ!!       『あぁぁぁん!!』

 あたまが……まっしろ…………なにも……かんがえ……らんな……

 バタン!……びくびく……びくびく……

 私は仰向けに倒れ込み……体を小刻みに痙攣させて……股から蜜を噴き出し続けながら気を失った……
66人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 ……くる……しい……

 私は息苦しさで目を覚ました……もちろんマキの中で……
 そしてさっき私がしてしまったことを思い出した……

 ……やっちゃった……ぐすっ……あんなことするつもりじゃ……なかったのに……
 ぐすっ……これじゃ彼氏なんか……できないよね……
 
 起き上がると、またマキの姿が目に入ってきた……また胸がドキドキしてくる……

 あぁん!……やだ……またエッチに……なっちゃう……

 私は鏡に背を向けて、ペンチでパーツを外してマスクをとった。
 そしてそのまま肌タイも脱ぐ……
 私のあそこからおつゆがピチャピチャ垂れてて……床に小さな水たまりが出来てる……とりあえずティッシュで床を拭いた。

 体中汗ビッチョリ……エアコンの風が寒いぐらいに吹きつけてくる……
 でも……いつもみたいな着ぐるみを脱いだときの……あの解放感がない……

 ……喉かわいた……ピーチdeジュース飲も……

 私は裸のまま冷蔵庫から、朝開けたピーチdeジュースを取り出した。
 だけど……今はあんまり飲みたい気分じゃなかった……
 しょうがないから水道の水を飲んだ……ぬるくて美味しくない……
 
 ……お風呂はいろ……

 私は肌タイとマスクを床に置いたままお風呂へと向かった。
67人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
真紀ちゃん 着ぐるみを着て……やっちゃうなんて……編  完  です。
68人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 ピンポ~ン♪

「きゃっ!!」

 いきなりインターホンが鳴った!
 私はその場にドテン!と大きな音を出して転んだ!
 そしたらドアが勢いよく開いて誰かが私の部屋に入ってきた!

「先輩!どうかしたんですか!!…………あっ!」
 美優だった!
 美優は私の体を見てちょっと顔を赤くしてた……
 私も顔を真っ赤にしながら自分の胸と股を手で隠した……

 あっ!あけっぱ!

「ドアしめて!」
「は、はい!」 
 美優はあわててドアを閉めた。

「……お風呂……ですか?」
「うん……」
 美優は頬を赤く染めながらも私の体をずっと見てる……
 このカッコじゃ恥かしいから、さっき着てた水着を床から拾ってそれを身につけた。
 でもここはプールじゃないし、あそこが私の愛液でビッチョリだから……すごく恥かしい……
 水着姿の私を美優は不思議そうに見てる……
69人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 そっか……鍵閉めるの忘れちゃった……
 でも……どうして美優が……
 
「今日あいてなかったんじゃ……」
「あの……だいじょぶになったんで、驚かせようと思って……きちゃいました……すみません……」
 美優が申し訳なさそうに頭を下げた……
 そして頭を上げたと思ったら急に大声を出して部屋の中を指さした。

「先輩!それなんですか!」
「へ?………あっ!」
 美優は私がさっき脱いだ着ぐるみを指さしてた!
 私の体から冷や汗が出てきた…… 

 どおしよ……ばれちゃった……
 ……でも……私が美優に隠してたのがいけないんだし……正直に言おう……

「これは……その………私……買っちゃったの……着ぐるみ……」
「え!!」
「ごめんなさい……」
「……」
70人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 美優は急に真剣な顔になって靴を玄関に脱ぎ捨て、私の横を通り過ぎてマキのマスクを拾った。 
「……さっきまで……着てたんですか?」
「うん……」 
 美優に顔を合わせられない……やっぱり怒ってると思う……

「……私が片付けときますから先輩はお風呂入ってください。」
「でも……」
「そんなカッコじゃ風邪ひいちゃいますよ!」
「……うん……ごめんね……」
 ちょっときつく言われた……
 私は着ぐるみの片付けを美優にまかせてお風呂に入ることにした。

 お風呂場で水着を脱ぎ、髪を留めてたゴムをとって、汗まみれの体をシャワーで流す……
 美優にいろいろ申し訳なくてシャワーだけ浴びてお風呂を出た。

 お風呂から出ると、美優は座わりながらマキのマスクの中をティッシュで拭いてくれてた。
 私はタオルで体を拭いて、とりあえず下着とTシャツ、短パンをタンスから出してそれを身につけた。
71人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
 私は美優の前に正座して着ぐるみを買った理由を話すことにした……
「最近美優に会えなかったから……着ぐるみ着れなかったから……私……すごく着ぐるみ着たくなっちゃって……それで買っちゃったの……
 サキがあるのに……勝手なことしちゃって……ほんとにごめんなさい…………怒ってる……よね……」

 さっきの無表情な美優が怖くて……やっぱり目を合わせられない……
 私はずっと俯いたまま頭を上げられなかった……
「……ふふ♪怒ってないですよ♪」
「え!」
 顔を上げるとそこにはニコニコと嬉しそうに笑ってる美優の顔があった……

「逆に嬉しいです♪先輩の口から着ぐるみが着たいって言葉が聞けて……いつも私が無理やり着せてるのかなって思ってたから……
 それに……これでまた先輩の違う着ぐるみ姿が見れますし♪
 あっ!さっきはすみませんでした!私いろいろ考え込んじゃって……それであんな感じになっちゃて……」

 美優はちょっと照れくさそうに笑ってる……
 そしてマスクを膝の上にのせて黒のウィッグを被せてそれを指さした。
「この子なんて言うんですか?名前!」
「笑わないでね………マキっていうの……」
 私は恥かしくて顔が真っ赤になっちゃった……

「へ?………先輩と同じ名前じゃないですか!!」
 美優は目をくりくりさせながら叫んだ。

「うん……だから……これにしたの……」
「このマスク、○×工房のやつですか?」
「うん」
「私がサキちゃん買った頃には、このマスク無かったんですけど……」
 そう言いながら美優はマキの顔を見てる……なんだか私を見られてるみたいですごく恥かしい……
72人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
「……あっ!いいこと思いつきました!」
 美優がマキをテーブルの上に置いて、私に満面の笑みを向けてた……でもいいことって……なんだろ?
 私がポカンとした顔をしていると美優が私にこんなことを聞いてきた。
「先輩!お盆なんですけど、どの日があいてますか?」
「えっと……14日ならだいじょぶだよ。」
 すると美優が意地悪そうな顔になった……絶対なにか企んでる……

「着ぐるみを勝手に買っちゃった罰として……その日はず~とサキちゃんかマキちゃんで私のそばにいてもらいます!」
「……え!ずっと!!」
「はい♪24時間着ぐるみ着っぱなしです!汗だくになっても、泣いちゃっても絶対脱がしてあげませんからね♪」

 ゾクゾクッ!じわ……

 んくぅ!……そ、それは……無理だよぉ……一日中なんて……
 そんなに着てたら……ずっと感じっぱなしで……おかしく……なっちゃう……あぁん!……

 一日中着ぐるみを着せられてる自分を想像して……急に胸がドキドキしてきちゃって……ちょっと感じちゃった……
 顔を真っ赤にしながらもじもじしてる私を見て美優はニコニコ笑ってた。
「冗談ですよ♪でも先輩には、その日着ぐるみを着てもらいます♪」
「へ?……うん!」
 私は安心してた反面……一日中着ぐるみを着ることをちょっと期待してたかもしれない……

「約束ですよ♪」
「うん♪」
 そういって美優は右手の小指を立てた……私も小指を立てて美優の小指と結んだ。

『指きりゲンマン、嘘ついたら針千本飲~ます! 指切った♪ 』

 <おしまい>
75人形遊びEX2 ◆zEHLoba/D2
「人形遊びEX2」 完  です。

ご感想いただき有難うございます。
今回は独りで着ぐるみ着るとエッチになっちゃう……&肌タイのエロス!をテーマに書いてみました。
ちょっと暴走しすぎました……申し訳ないです。

お盆編も考えているのですが、24時間はちょっと難しそうです……すみません。
それが出来たらまた書かせてください。その際もよろしくお願いします。

そして読んで頂いた方々に深くお礼申しあげます。