キュアアクアとキュアピーチ(仮)

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544ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 
 まだ僕が幼かったころに近くのスーパーで撮った1枚の写真……

 今日、幼馴染である結衣(ゆい)と高校受験の合格発表を見に行った帰りに
彼女の家で見つけた1冊のアルバムは僕の鼓動に高鳴りを抱かせた。
「懐かしいな、まだ5歳のときだったんだよな。」
感情と裏腹に当たり障りのない言葉を選んでいるのは何故だろう、
僕の中にはやはり『これ』に対して興味とともに羞恥心を持っているのだろうか。
僕と結衣が当時日曜朝のテレビ番組ではやっていたセーラー●ーン、
そのアニメの着ぐるみに囲まれてVサインをしている姿に
おそらく結衣は欲情的な心を抱くことなどないであろう。
「で、どうしてこんな懐かしいものを今頃見せてくれるんだい?」
僕は純粋に結衣が昔の写真を見せてくれることにも疑問を抱いていた。
そもそも以前に彼女は昔の自分にコンプレックスがあると
口を酸っぱくして言ってたものだ……いったい何故だろう?
「うん、でさ……私このバイトを明日からすることになったんだ。」
「はっ???」
一瞬呆気にとられて次の言葉をよりすぐるのに1分はかかっただろうか。
「……バイトって……セーラー●ーンのか?」
「うんん、それは小学生ぐらいにアニメ放送終わってるから、
 最近じゃプ●キュアの着ぐるみショーが一般的みたいなの。」

 ……ここ数年、小さな女の子たちの間で人気絶頂のプ●キュア。
そういえば数か月前に駅前のデパートに服を買いに行ったときに
屋上でそのショーをやっていたので少し気にはなっていた。
友人と行っていた手前、屋上に行くことは叶わなかったが
感情のやり場に困り家に帰ってから1人ネットで画像検索をしていたものだ。
「赤と青の女の子が変身して悪に立ち向かっていくあれね。」
いや、それくらいは言われなくても分かるのだが初めて知るような素振りで誤魔化した。
「でさ、祐也(ゆうや)もこのバイト手伝わない?」
「えっ?」
バイトの手伝い?
それはいったい何だろう???
僕に何かしらの期待感が膨らんでいく。
「どうも主催の人が言うには裏方の手伝いが少ないみたいだから人がほしいみたいなの。
 私もバイトって初めてだしさ、知ってる人がいるとちょっと安心かなって思って
 祐也を誘ってみたってわけなの。バイト代は1日6000円だって。」
6000円などに余り興味はない、僕の食指が向かう場所はもっと他にある。
少し期待外れなところもあるが、それでも着ぐるみを扱う仕事の裏方に
脚を踏み入ることができるチャンスでもある。
「6000円か、僕も明日から暇になるわけだし、いいよ。」
「やった~!じゃあ主催の人に連絡入れておくね。」
545ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 その日は高校合格のささやかなお祝いに家族と外食に出かけたが
正直、翌日のバイトが気になってステーキの味もよく覚えていなかった。
子供のころに夢見た着ぐるみが出入りするテントの中……
そのことが脳裏にこびりついて離れなくなった僕は結局興奮であまり眠れなかったが
朝日が差し込んだ瞬間にはパチリと目が覚めていた。
『祐也、おはよう、モーニングコールだよ。』
わざわざ携帯に電話を入れてくれた結衣、時計を見るとまだ5時半。
しかし今日は7時には会場のセッティングがあるとのことで急いで支度をして
まだ雪が残る道を勇み足で歩いていった。

 今日、僕たちが仕事をするのは家から歩いて20分ほどのところ、
大型ショッピングモール内にある広い駐車場の一角に会場を設置して
プ●キュアショーをするというものであった。
天気は晴れ、雪は残るものの日曜日のためにお客さんの入りは多いであろう。
まず僕は結衣と一緒に主催者やスタッフの人に軽く挨拶をした。
「昨日結衣にこのバイトを紹介していただきました青木祐也です。
 バイトそのものが初めてなのでご迷惑をかけることもあると思いますが
 よろしくお願いいたします。」
「あぁ、君が祐也くんだね。自分が今回の主催の田口って言います。
 会場の設営とかはいろいろと重労働なんだけど、がんばってください。」
無精ひげを生やし少し小太りのこの男性が昨日結衣が言っていた主催の幸(こう)さんだ。
温和で気さくそうな表情だがどこかしら忙(せわ)しそうである。
「後3時間ぐらいで最初のステージがあるから、それまでに用意しないといけないの。」
あぁ、なるほど、時間がおしているのか……それならば仕方がないだろう。
事実、他のスタッフの方々も慌ただしく準備を始めている。
ただ僕の興味はバイトそのものではなく着ぐるみ舞台の裏側だ。
あまり仕事として気乗りはしないのだがバイト代が出る手前、そうも言ってられない。
スタッフの1人である山口孝司(こうじ)さんにアドバイスをいただきながら
ステージやテントの設営を急ピッチで進めていった。
546ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 時刻は丁度9時、雪の残る道に日差しが照りつけキラキラと共鳴しあう中で
ショッピングモールは開店時間となり駐車場にもちらほらとお客さんの姿が
見受けられるようになった。
ひょこひょことあどけない足どりで小さな子供たちがステージ前を動き回っている……
本来、着ぐるみという媒体はこの子たちのためにあるんだよな、と
僕はテントの中から少し顔を出しながら自分の不純な心に苦笑いした。
今、僕はテントの中で悪役の着ぐるみをされる男性スタッフの着替えの手伝いをしている。
子どもたちの目線とは明らかに違う、しかしドキドキという意味では一緒だ。
「そうそう、それでそこのファスナーを上げてくれ。」
全身タイツ、着ぐるみのお面……僕は舐めまわすようにそれらを見入りながらも
しっかりとスタッフのフォローをしていく。
着ぐるみに欲情しているなんて思われることのないように極めて自然に、
心の中に燈(とも)った感情をコントロールしながらの作業、それは神経を磨り減らす。
「じゃ~ん!祐也~、ちょっと来てみて~♪」
突如、もう1枚のカーテンで仕切られた先から結衣が腕を出して手招きしている。
カーテンを隔てて男性と女性の着替えを分けているのだが、
そこから呼んでいるということは着替えを手伝ってほしいのだろうか?
「どうした?」
彼女と僕は幼馴染だ、他の人とは違って彼女の着替えぐらいならどうってことはない。
「入るぞ、いいか?」
ひとこと断って、僕はカーテンの先に脚を踏み入れた。
547ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 すべっとした艶やかなもっちり肌、ぴっちりしつつもふんわりとした衣装、
すらっとした赤い髪、そして愛くるしい、くりっとした瞳が特徴の顔……いや、お面……
外から子供がはしゃぐ声のする中で僕の心の中が虚空に満たされた。
えっ?これがあの結衣か???
元気いっぱいにガッツポーズをするその美少女は僕の手を握りしめてきた。
どう?どう???と言わんばかりに瞳を見つめてくる……僕を困らせようとしてるのか?
おそらく中にいるであろう結衣は確信犯だ、だが少し目を反らすことぐらいしかできない。
「…………とりあえず、何かしゃべってくれないか?」
しかし赤髪の美少女は口元に人差し指をあてて首を横に振る。
なるほど、完全に彼女はキュアピーチになりきっている様子だ。
しかしここで僕はあることに気付く。
もう1人のヒロインであうキュアアクアの姿がないのである。
「えっと、何だっけ、もういっぽうの青髪のキャラはどうしたんだ?」
ふっと横を見ると段ボールの中に入っているアクアの衣装一式にお面、いや、マスクが
ひっそりと置かれている……配役の人はどうしたんだ?
ピーチは腕を組みながら首を横に傾(かし)げた。
どうやらまだ来ていないみたいだ……とはいえ、最初のステージングは午前10時、
残り20分ほど始まってしまうという状態だ。
するとそこに主催の幸さんが慌てた様子で入ってきた。
「やばい、アクア役予定の人がこれなくなってしまったんだ。」
548ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 僕以外のスタッフはその瞬間、凍りついて少しの間身動きがとれなくなっていた。
「どどど、どうしてですか!!?」
ピーチの中から結衣が顔のマスクを脱いでいた。
スタッフの緊迫な表情……しかし僕の意識はもっと別のところを向いていた。
「アクア役の子は御親戚に不幸があったらしいんだ。」
肌色のタイツは顔の部分だけくり貫かれていて、結衣の顔だけがすっぽりと出ており
そのタイツにはうっすらと汗染み……あぁ、やっぱりここはテントの中だ。
「じゃあステージは中止ですかい?」
僕の思い描いていたテントの中、舞台裏がここにはある。
こんな情景にすら鼓動の高鳴りを感じるなんて、僕はやっぱり変態なのであろう。
「……仕方ないだろ、とりあえず1stはグリーティングのみにしようと思う。」
長い髪の毛がタイツの中にしまわれていて、まるでお坊さんみたいな状態の結衣。
よく見るとそのタイツには少し毛玉ができている。
と、ふと僕は我に返って結衣に尋ねた。
「グリーティングって何?」
549ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 結衣の話だとこうだ。
ステージングは物語に沿って演技をしていくもので少しの期間練習をしなければならず、
いざ配役の子に休みが出てしまうと実行は不可能になってしまう。
グリーティングというのは逆に子供たちとの触れ合いの時間であり
握手したり写真を撮ってあげるというものらしい。
「ということは、ちょっと待てよ……。」
まさか結衣はその演技の練習をやっていた、ということか?
……受験が終わってから何をしていたのかと思いきや、
こんなことをしていたなんて……何だろう、羨ましいという感情か?
何はともあれ、そのグリーティングというのなら確かに練習は必要ない。
そのキャラの動きっぽいのを何となく真似ていれば、いや、もっと言うなら
女の子らしい振る舞いさえしておけば後は子供とじゃれあっていればいいのだ。
残り時間はもう5分ほど、そろそろ登場しないといけない時間だ。
「隣町でショーをやっているチームに今、連絡をして演技ができる子を
 今手配しているところだ、とりあえず今回はグリのみで。」
幸さんのひとことで方向性は決まった。
結衣は再びピーチへの変身を遂げて僕にフリフリと手を振るとテントを後にした。
彼女一人で子供たちの相手をすることになるとは……
着ぐるみでいられることに羨ましさを隠しきれずにいたが、
僕は黙ってそんな彼女を見送ってあげることしかできなかった。
550ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 しかし次の瞬間であった。
主催の幸さんや周りのスタッフが僕を見ながら何やら話をしている。
どうしたんだ?僕に何かあったのか???
もしかして、僕の働きっぷりはどうかを聞いているのか???……
確かに僕は仕事という面ではあまり興味は持っていなかったが
ただ給料が出る手前、力を抜いているようなことはしていないつもりだ。
すると幸さん、そして悪役のスーツを着ている孝司さんが僕に迫ってきた。
おぃおぃ、ここで叱責かよ、勘弁してくれよ……。

 「アクアになってくれないか???」

 は…………い…………???
ちょっと待った、あなたたちは何を言ってるんですか?
「例ははずむ、ピーチのみでグリーティングをさせるのも大変だし、
 無理なお願いだとは思うんだけど一緒に参加してくれないか???」
タンマ、本当に何を言ってるのかが分からない。
えっ?アクアになってくれ???何で僕が???
「いや……何で僕なんですか???」
今日初めて仕事に参加した僕は正直、この人事?にとまどいを隠せない。
僕は男だし、何よりもまったくの素人だ。
「君はそんなに背は高くないし体もすらっとしている、君なら大丈夫だと思ってね。」
確かに僕はクラスの背の順ではいつも前のほうだが、女の子の体型であるとは思ってない。
でももしかしてこれは千載一遇のチャンスじゃないのか?という気持ちもあった。
しかしアクアに最も適している人ならいるじゃないか……
外でMC役として待機しているおねえさんが。
「あの人はショーやグリーティングをまとめる人だから。」
幸さんと孝司さんがさらに僕に歩み寄ってくる。
確かにあのおねえさんを除けばアクアができるギリギリの?体型の持ち主は
僕以外にはいない様子だ。
「…………お役に立てるかどうかは分かりませんが、やってみます。」
551ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 「み~んな~!!!こ~~~んにちは~~~!!!」
MCのおねえさんの掛け声と同時に時刻が10時になったのを確認した。
結衣、もとい、キュアピーチのいなくなったテントの中にも聞こえてくる
元気いっぱいのおねえさんと子供の声、外にはお客さんがいっぱいいそうな雰囲気だ。
そんな中で僕は孝司さんに手伝ってもらいながらテントの中で急ピッチで着替えていた。
ブリーフ1枚になった状態でまず、シリコンの入ったやわらかなブラジャーを付けて
胸のふくらみを作り、その状態で背中にファスナーのある肌色の全身タイツを身につける。
「おっと、忘れていた。君は男の子だからこれをつけておいて。」
そう言われて孝司さんが取り出したのはコンドーム。
いや、何でだよ……それにはさすがに抵抗があった。
「でも付けておくと後々便利だからさ、ははは。」
…………何だろうその不敵な笑みは。
僕は恥ずかしながらも孝司さんの言われるがまま、パンツの中にある僕の大事なところに
そのコンドームを装着した。
「今日は、ちょっと事情があってステージでのショーはなくなっちゃったんだけど、
 代わりにピーチがみんなに勇気と元気を与えにきてくれたよ~!!!」
わ~っという歓声とともに子供の足音とカメラのシャッター音が聞こえてくる。
子供のころに見た主役登場のシーンがステージ上で見られることであろう。
「ちょっと、孝司さん……きついです……。」
タイツのファスナーが上がると体中が締め付けられるような感覚に襲われた。
「あっ、そっか……一応これは女性用に作られているものだから、
 小柄だとはいえ君にはきつかったかな?」
悪役のスーツのまま笑顔で話してくる孝司さん、ちょっとぐらいは我慢してねと
言わんばかりにすぐさま下着である白いパンツを穿かせてくる。
もう問答無用と言わんばかりだ。
しかしこんな自分の状態に興奮を抑えきることはできなかった。
むくむくとそそり立つ僕の股間、パンツに竿のラインがくっきりと浮かび上がる。
やばい、人前でこんな風になって……抑えないと、抑えないとと意識を他に逸らそうと
必死になるが、カチンコチンに硬くなった僕の息子はもうはちきれんばかりだ。
もちろん内心はうれしかった、まさか僕が着ぐるみに、しかも女の子キャラに
なろうとしている……内心、呼吸も少し早くなってきただろうか。
552ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 「あれ?キュアアクアは~???」
外から女の子の声がする。
今のキュアアクアは全身タイツに下着を身に付けただけの変態容姿だ。
白い靴下をはいたら次は衣装だ。
しかしここで重大な問題が発生してしまう。
「きっ、きつい……。」
ドレスはやはり女性物、入ることには入ったか胸やおなかを圧迫し呼吸すらままならない。
「あ~っ、大丈夫だいじょうぶ、すぐになれるよ。」
孝司さん、その根拠はどこから出てくるんですか?
「俺も1度だけセーラー●ーンを着たときにはきついって思ったんだけどさ、
 ホント10分もすれば呼吸の苦しさも忘れていたんだよ。」
外では結衣が、いや、ピーチが1人で子供の相手をしている。
苦しいのもあるけどとにかく今は急がなくてはならない。
おなかに圧迫感をかかえたまま今度は下のスカートをぐいっと穿く。
しかしこれもやはり女性物でサイズは小さい。
ここで呼吸などとは大違いの、別の意味で致命的な問題が発生した。
そう、僕の股間が硬く大きくなりすぎてスカートがもっこりとそそり立っているのだ。
「……………………。」
孝司さんの前で僕は恥ずかしさで顔を真っ赤にしてしまった。
やばい、意識を逸らして小さくしないと……しかし僕の気持ちとは裏腹に
深層意識化にある悪魔のささやきが邪魔をしてまったく納まる気配がない。
「とりあえず後から考えよう、今は衣装をきこんでしまおう。」
続いて首周りにつけるアクセサリー、さらには靴を身につけ、
これで頭のマスク以外は一通りの準備がととのったことになる。
「じゃあ、頭をかぶせるよ。」
553ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 ……青というよりは水色といった髪の毛、愛くるしい瞳、かわいらしい顔立ち。
後ろにあった大きな鏡に映る自分は先ほどの全身タイツの変態容姿などではなく
あのみんなの人気者、キュアアクアの姿に変身を遂げていた。
「これが、自分…………。」
鏡に近付いてマジマジと僕の容姿を凝視する。
虹彩の上部にもうけられた覗き穴の中には僕の眼球があるのだろうが、
穴に黒い紗が貼られていてはっきりとは分からない。
そう、僕はみんなのアイドル、キュアアクアなんだ……。
片足でくるっと体を回転させてポーズをとってみる……やばい、かわいい……。
「おぉ~、よく似合ってるね~。」
幸さんが様子を伺いに中に入ってきた。
「えぇ、一応準備はばっちりですよ。」
しかし最大の問題、股間のそそり立ちはまったく解決していない。
こんな容姿を鏡で見て中にいる僕は興奮の絶頂に置かれている。
これで僕の息子を穏やかにしろ、なんていうほうが無理な注文だ。
かわいい容姿でひときわ目立つスカートの出っ張り、幸さんもさすがに苦笑いだ。
僕は、いや、キュアアクアは恥ずかしそうに顔に手を当ててしゃがみこんだ。
「うんうん、女の子らしい動きはできるみたいだね。
 ……後はちょっと股間のほうをどうするかだな(笑)」
時刻は10:15、しかしこの状態では子供たちの前にグリーティングになどいけない。
「じゃあちょっと5分ほど待ってください……ほら、アクア、こっちにおいで。」
いきなり孝司さんは手を引っ張りあげると女性のほうが着替えるカーテンにしきられた先に
僕を、いや、アクアを連れてきていた。
そばにある椅子に腰を下ろすように言われ、孝司さんはアクアの目の前に
大きな姿見用の鏡を配置する。
「じゃあアクア、力を抜いておいてね。」
んっ?いったい何を始めるつもりだろう???
孝司さんはアクアの後ろに椅子を置いて腰掛けている。
「いいかい、アクアはただ力を抜いて鏡を見ているだけでいいから。
 5分、長くても10分ぐらいで終わるから。」
554ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 すると次の瞬間、僕は動揺するとともに下半身に強烈な電流を感じ腰が砕け落ちた。
こ、孝司さん!いったい何をするんですか!!?
少し不敵な笑みを浮かべながらアクアのスカートの中に手を入れてくるではないか!
しかも僕のそそり立つ股間を裏筋からすっとなでまわしてくる。
「最初にゴムをつけてもらった理由はこれなんだよ。
 俺も昔、セーラー●ーンに最初に変身したときには勃起が止まらなくてね。
 だから俺もこんな風に先輩にしてもらったことがあるんだよ。」
アクアの中でそそり立つ僕のペニスを上に下にさすりさすりと……
「んぐっ!」
思わず中にいる僕は声を上げてしまう。
「気持ちいいだろ……何も考えなくてもいい、気持ちよくなればいいから。」
やばい、き、気持ちがいい……全身タイツのすべすべ感も相まってか、
アクアの、いや、中の人のペニスがはちきれんばかりに硬さを帯びてくる。
ずるずると椅子を滑り落ちるように体が下に落ちていくアクア、
脚の震えが止まらず、いつの間にか女性らしいと幸さんに褒められたアクアは
O脚の男丸出しのポージングに変わっていた。
スカートをめくられるとパンツの上にくっきりと浮かぶ中の人のペニス、
な、何なんだこの倒錯的な感覚は!!?
「……んぐ……んあっ!」
声を押し殺すことができない。
ただひどいポージングをとっているのに笑顔でいる美少女のアクア、
中にいる僕はハァハァと恍惚な表情になり果てているはずなのに…………。
555ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 だんだんと孝司さんの手の動きが早くなってきた。
やばい、そんなことをされると射精してしまう。
「いっていいんだからね。」
耳元でボソッと、低いけれどもやさしい声……
「……んぐ、んごあ……ぐあ!」
シャカシャカと肌タイの布が孝司さんの手とこすれあう音が外の元気な子供たちの声と
混じりあってさらなる興奮を中の僕にうながしてくる。
やばい、下半身が、股間が熱くなってきた……
たったテントの白いカーテンに隔たれた中で僕は子供の夢などおかまいなし、
僕はもはや自分の性欲をむき出しにして上下に股間を動かしていた。
腰から下が気持ちいい、本当に気持ちいい、じんわりじんわりと熱を帯び始め
体はどんどんと下半身を反り立たせる姿勢へと変わっていく。
やばい、出そうだ、卑猥すぎる、もう、限界が近い。
「……んぐ……んあっ……あっ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~!!!」
かわいい美少女の中から声変わりしたてのぐぐもった低い声がテントの中を斬り裂く。
熱を帯びたペニスは孝司さんの高速で動く手に耐えきれずに、
ぐっと下半身を宙に浮き上がらせてそのまま臨界点を突破した。
『ぶちゅっ!!!』という射精音が僕の体内をかけめぐり聞こえてきた気がする。
ガタンと椅子の上から転げ落ちるアクア……わずか10分未満の出来事ではあったが
あまりの気持ちよさに時を忘れていた。
556ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 それと同時に僕の股間は急速に縮んでいき、衣装を押し上げることがなくなった。
ハァハァと呼吸を荒げる中でアクアは、いや、僕は孝司さんから渡された
コンドームの、そして呼吸の苦しみはすぐに分からなくなるという意味を知った。
「お疲れ様、じゃあちょっとつらいけどもう1仕事行ってきてもらうよ。」
孝司さんはカーテンの向こうにいる幸さんにOKのサインを出した。
少しぺたん座りのまま微動だに出来なくなったアクアだが、
「今、アクアちゃんもきてくれましたよ~!!!」
というMCのおねえさんの声が聞こえてくると同時にむくっと立ち上がり、
孝司さんに向かってありがとうの意味を込めて一例をした。
「いやいや、どういたしまして。外に出たら君は絶対にアクアだからね。」
アクアはガッツポーズを見せて孝司さんに手を振った。
まだ下半身に余韻の残る中、僕はアクアとなって子供たちに姿を見せた。
557ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 ステージの上でこぶしを高々と上げて子供たちの声援に応えるアクア、
その姿に一番驚きを隠せなかったのは結衣、いや、ピーチのほうであった。
アクアの子は親戚の不幸のために来られないはずでは……
そんな驚いているピーチを見て、アクアの中にいる僕はしてやったりの表情を浮かべた。
ステージの下に降りるとあっという間に子供たちに囲まれるアクア、
そんな中で僕はピーチのびっくりするしぐさに興奮を覚えずにはいられなかった。
ピーチの中にいる結衣にはアクアの中にいるのが僕だとは分かっていない、
おそらく中が誰なんだろう?と気になっているに違いない……
変態じみているがやはり『中の人』が誰だろうと不思議がられたい、という欲求が
僕の中にはあるみたいだ。
そんなことを考えていると少しずつアクアの中にある下半身が再び硬さを
帯び始めていくのを感じ取った、これはまずい。
「写真お願いいたします。」
ふと、大きなお友達と呼ばれる何台もカメラをかかえた男の人がやってきた。
この人はちょっと危ないかも……アクアの中で僕の本能はそう呼びかけていた。
こういう人や中高生の悪ガキあたりというのはいたずらで中の人が男か女かを
探りに股間を触る危険性がある。
もちろん写真を断る理由はないために手を大きく広げてポージングをとったが
どこかしらでアクアは警戒感のある動きに変わっていた。
そして次の瞬間、その警戒は現実のものとなってアクアに、いや、僕に襲いかかった。
558ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 結論から言うと一瞬のスキをつかれて股間を触られてしまったのである。
ただ、この30歳代ぐらいのカメラマンにではない。
彼に向ってポージングをとっていたときに背後からやってきた3人の男子中学生に
少し硬くなっているであろうアクアの股間を鷲掴みにされたのである。
「うげ~っ!こいつ、男じゃね~か!!!」
……やってしまった……スキを見せてしまった。
中にいる僕の表情を見られているわけではないのに真っ赤になってその場にしゃがみこんだ。
「きっもちわる~!」
悪ガキどもは笑ってその場を立ち去っていった。
確かに気持ち悪い、中の人は女装をしているというのがバレたわけなのだから。
周りの子供が大丈夫?みたいな感じで歩み寄ってきたが、さすがに精神的ショックは大きい。
するとカメラを持っていたおじさんがアクアの耳元に顔を近づけてひとこと、
「いやいや、男の方でしたか。でも私はそっちのほうが萌えますよ。」
いや、まるでフォローになってないからその言葉……
でもアクアは立ち上がり、その人に向かって深々とお辞儀をした。
何はともあれこの人は悪気があって言ってるわけではなさそうだ。
559ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 正午を周り、昼とはいえさすがにアクアの中では汗がじゅわりとしたたりおちていた。
が、それよりも危険なことが1つあった。
時間の流れとともにどんどんと中にいる僕の下半身がそそり立ってくるのである。
そろそろMCのおねえさんに終わりの合図をいただきたいものである。
「はい、そろそろピーチとアクアが帰る時間になっちゃいました~!!!」
おぉ、天の助けである。
最後にピーチとアクアがステージの上で腕を組みながら観客にポーズをとる。
あぁ、ピーチの、結衣の腕が僕にからまっている…………
本当にバイトに来てよかった。
給料なんて正直一銭もいらない。
こんな貴重な体験ができるのならタダ働きで全然問題ない。
バイバ~イと大きく手を振るピーチとアクア、子供たちに背を向けて
テントの中へといったん引き下がっていった。
560ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 テントの中に入るとすぐさまピーチの中から結衣が顔を出した。
「えっ!?ちょっと……この中って誰なの!!?」
やはり僕の思ったとおりである。
さっきのグリーティングの時間中、結衣はアクアの中が誰かが気になって気になって
仕方がなかった様子だ。
そんな状況にやはり興奮を覚えてしまう僕、いや、アクア……
うふふと口に手を近づけかわいいしぐさで応えてあげる。
幸さんや孝司さん、周りのスタッフもそんな結衣の質問に苦笑いの状況だ。
「いや、しかしまさかこんなにうまいとは思っていなかったよ。」
幸さんの安堵の表情が僕にはうれしかった。
幸さんだ~いすき、という感じで僕は彼の頭をなでる。
「ははははは、そろそろ結衣ちゃんに見せてあげたらどうだい???」
孝司さんは再びあの不敵な笑みを浮かべる。
どうやらこの孝司さんも僕と同じように着ぐるみという媒体に対して
何らかのフェチ的な感情を抱いているのではないだろうか?と思わずにはいられない。
しかしさすがにアクアの中にも疲れはどっとたまっている。
外の新鮮な空気を吸わないとそろそろ危ないだろうと僕はアクアの面をはずした。
561ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 「え~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!!!???」
結衣の声はテントの外にまで響いてるのではないだろうか……。
「祐也くん、お疲れだったね。」
顔にびっしり汗をかいている僕の顔をタオルで拭いてくれた。
「あっ、どうもすみません。」
「ちょちょちょちょちょ、ちょっと、何してるの~!!?」
そんな結衣の反応に僕の股間がまたちょこっと反応しはじめる。
しかし今はあのかわいいアクアから僕の顔がむき出しの変態女装へとなり変わっている。
少し恥ずかしい気分にもなってきた。
「あんまり……見ないでほしい……。」
幸さんに冷たいジュースを渡されて、それを一気に飲み干す。
喉が潤いを取り戻し、声もまた普通に戻っていた。
「結衣がステージに出て行った後でみなさんに頼まれてね……。」
「そそそ、そうなんだ……びっくりした~。」
まだ動揺を隠せない結衣。
それはそうだ、まさかアクアの中が他ならぬ僕なんて、びっくりして当然であろう。
「で、でも……か……かわいかったね……。」
「ありがとう。」
僕にはそれは褒め言葉だ。
何だろう、子供たちに喜ばれる達成感もさることながら、他ならぬ結衣に言われたこと……
こんな貴重な体験をできて、僕は幸せだった。
562ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 午後になり隣町のショーチームから応援の女の子がやってきたために
僕はアクアを脱いでその子へとバトンタッチした。
正直、応援が来なければよかったのにと思っている。
まだまだアクアでいたかった、いや、僕はアクアでいたい。
 しかしそれとともに僕には違う興奮が脳内を駆けずり回っていた。
隣町からの応援に来たのは大学生のおねえさん、着ぐるみ歴3年の中堅さんらしいが
さっき僕が着ていた面やタイツを身につけている……そう、直接ではないにしろ
孝司さんの手によって射精までしてしまったあのタイツである。
嫌でも興奮せずにはいられないであろう。
こうして午後はアクション入りのステージショーも開催することができた。
とりあえずは幸さんも一安心といった感じだ。
僕は観客がいる後ろからそのショーの様子を逐一観察していたが、
何だろう、アクションとかがすごいという感情も出てきてはいるのだが、
僕からアクアが離れてしまったことに対する虚無感のほうが大きかったのだろう。

 僕はアクアだ、かわいい美少女なんだ……
1度あの快感を味わった後では次から次へと襲ってくる言いようのない感情を
どこにぶつければいいのだろうか……本当にやり場に困る。
午後のショーも終わり、機材やらテントを片付ける中で僕は1つ大きくため息混じり。
でも、1度だけではあるが貴重な体験ができた、それだけでも奇跡に近いんだ……
僕は夕日が落ち、暗くなってきた中で幸さんや孝司さんに深々とおじぎをした。
「いや、今日は本当にいろいろとよくしてくださって、ありがとうございました。」
明日から僕はまた、普通の一般市民に逆戻りだ。
みんなのヒーロー、キュアアクアはこれにておしまいだ。
563ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 ……そう思っていた僕に再び、脳内を駆け巡る興奮を与えてくれたのは、孝司さんだった。
 幸さんに色をつけていただいたバイト代をもらったところで後ろから孝司さんが
どうしようかしら?と神妙な面持ちでこっちを見ていたのである。
「どうしたんだ山口?」
幸さんが尋ねると孝司さんは僕に不敵な笑みを送りながらこう言ったのだ。
「今日応援に来てくれたおねぇちゃん、やっぱり今回だけの臨時だってことになりまして
 ……来週移行もうちのアクアの子はこれなくなってしまいましたし……。」
ぉ、と僕の中に淡い期待が芽生え始めた。
それとともにもう1度僕に対して孝司さんは笑みを浮かべる。
……間違いない、この人は僕の気持ちをよく分かっている。
待っていましたとばかりに幸さんから僕に1つの提案が持ち込まれた。
そう、正式にアクアの中の人になる相談だった。
横に結衣がいる中では「是非っ!」とは恥ずかしくて言いづらかったが、
「今、彼以上にアクアを操れる人は捜してもいないでしょうね。」
と、孝司さんが横から絶妙なフォロー。
僕が返事をする間もなく、事はすでに決定していた。
 すごいうれしかったとともに、僕のすべてを見透かしている孝司さん……
いったい彼は僕の何を狙っているのだろうか???
いや、そんなことは大した問題ではない、事のいきさつを純粋に喜ぼう。
「じゃあ祐也くん、これね。」
そういうと孝司さんは僕と結衣に少し大きなバッグを渡してくれた。
「その中にステージショーを撮影したビデオがあるから、
 2人とも、特に祐也くんは家に帰ってからきちんと練習しておいてほしいんだ。
 もう受験が終わって暇にもなっているだろうし、今度の金曜日に僕の家で
 ゆっくり練習の成果を見せてもらうからがんばってよ。」
なるほど、そのためのバッグか……にしては少し大きすぎないか?
とりあえず僕は深々とお辞儀をして帰路へと急いだ。
564ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 「でも祐也が中に入ってるなんてホント、びっくりしたよ~。」
結衣は家の前で僕に何か言いたげな表情だった。
あぁ、たぶんいろいろと聞きたいことはあるんだろうな……。
「また、今度話すよ。」
今日はさすがにいろいろなことがありすぎてどっと疲れが出てきた。
家に帰ってひとっ風呂浴びてベッドに横になりたい気分だ。
「ねぇ、明日うちで練習しない???」
「そうだね……次のステージまで1週間しかないしね、
 実際結衣からいろいろ教えてほしいところだよ。」
「じゃあ、また明日ね。」
僕は結衣が家の中に入るのを見届けた後、どっと疲労感が襲ってきたのを肌で感じ取った。
すがすがしい疲れだ……今日はきっといい夢が見られそうだ。
565ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 しかし家に戻り、ご飯とお風呂を済ませた後の自分の部屋で
僕は再び目を疑うような光景と出くわすこととなった。
時計の針は午後11時、明日は父も母も仕事が早いらしくすでに寝込んでおり、
妹も友人の家に泊まりに行っているために家の中は静まり返っている……が、
僕の心臓がドクンドクンと、家の中に響き渡るかのようにその鼓動を強める。
父も母もこの音で目を覚ますんじゃないのか???
少なくとも僕の呼吸音が部屋にスー、スーと響いているのは確かだ。
いやいや、いったん冷静になろう……大きく深呼吸をして窓を開ける。
ひんやりとした乾いた空気が流れ込む中で、僕は再度、今日渡されたバッグを確認した。
やけに大きなバッグだなぁ、と疑問には思っていたがこんなオチが用意されているとは……
確かに孝司さんが言ってたとおり、1本のビデオテープがあったが、
付随してそこにはキュアアクアの着ぐるみ一式が入っているではないか。
しかもご丁寧にマスクにはしっかりとビニールをかぶせており、
またペットボトルぐらいの大きさの消臭剤まで入っているというおまけっぷりだ。
「…………やられた。」
1つ分かったことがある、孝司さんは僕と同じように着ぐるみに対してフェチ的な
感情を持っている。
そして僕の心も見透かしている。
「ハハ、ハハハハハハハハハハ。」
笑うしかなかった。
しかし孝司さんは僕をそんな気持ちに期待を裏切らない。
カチッカチッと時計の音だけが支配している中で、それを決断するのに時間はいらなかった。
566ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 1階のリビングから両親を起こさないように忍び足で姿見用の鏡を2階の僕の部屋へと
運び、さらにはその脚ですぐさまコンビニまで駆け足でコンドームを買いに行った。
正直、女性との性行為目的以外でこんなものを購入することになるとは……
しかし僕の抑えきれない感情はもはや理性などというちっぽけな制御装置など
どこ吹く風である。
ゆっくりと部屋のドアを閉めてパチンと電気を付ける……。

 ゴ~ン!ゴ~ン!

一瞬、僕は心臓が停止するかのような恐怖に襲われた。
1階のアンティーク時計から真夜中を知らせる鐘の音……
すると下から足音が聞こえてくるではないか。
「……………………。」
ドアにへばりついて息をこらえる自分……何だ、何でこんなにコソコソとしてるんだ?
ジャーっというトイレの音が聞こえた瞬間に安堵したが、今日の僕は異常なくらいに
いろいろなことに脅えている。
「…………よし。」
僕を妨げるものは何もない。
バッグからタイツを取り出し、まずゴムをペニスに装着し、偽のシリコンでできた
ブラジャーを装着すると、タイツのファスナーをゆっくりと上へ進ませる。
ジ・ジ・ジ・ジ・ジ……微かに聞こえるファスナーの音……
これさえも今の僕にとっては不安を増幅させる因子である。
だが僕を止められるものは何もない、本能が着ろと言っているのだ。
パンツ、靴下、ドレス、スカート……今回は靴は身につけはしないが、
どんどんとアクアへの変身に近付いてくる。
何だろうこのワクワク感は……鏡に映る僕の恍惚で支配された表情がすべてを物語っている。
ビニールの袋から面を取り出すときにもシャワシャワという音がするが、
取り出した瞬間に僕の目に飛び込んでくるアクアの愛くるしい眼差し……。
「ただいま、アクア。」
僕はアクアの唇に1度、口づけをしてからゆっくりと頭にかぶった。
567ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 あぁ、あのときと同じ感覚だ……すでに股間はカチンコチンとなり
アクアのスカートを押し上げている。
しかし今は子供の目など気にしなくてもいい。
ペニスを中に潜ませたいやらしいアクア、その倒錯した状況をゆっくり楽しもう。
一瞬、呼吸がつらくはなったものの次の瞬間には順応している。
2度目とあってアクアの中には余裕が生まれているのだろう。
 しかしふと先ほどのバッグを見てみると暗くてよく分からなかったが
もう1枚紺色の布のようなものがあるではないか。
いったい何だろう?
気になって手にとってみるとそれに中の僕は再度興奮の高まりを覚えた。
スクール水着である。
「……………………。」
孝司さんの罠だ。
でも最大限の愛情を持った罠だ。
1度面をはずし衣装を脱ぎ棄ててからその水着を着用してみた。
くっきりとそびえたつ僕の股間がさらに強調されているではないか……
何だか光沢のある水着のために、蛍光灯の光に反射するとひどいぐらいに
僕の一物が目立つ。
再びアクアの面をかぶり鏡越しにその姿を確認する。
笑顔で見つめてくれるアクアに浮き上がる下半身の竿、
日曜日の朝やキャラショーでは絶対に見られないおぞましい姿がそこにはあった。
だがそれこそ中にいる僕が望んだ姿である。
もう呼吸を荒げずにはいられなかった。
568ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 「ハァハァ……ハァハァ……。」
アクアが下半身をさすっている。
あくまで事を行なっているのはアクアである。
いやらしく中の人を悩ますかのごとく上下にさするとアクアは後ろにのけぞる。
やばい、もう気持ちよくなってきた。
真夜中にこんないかがわしいことをしている、親に見つかれば大変だ……
しかしそんな危険に身を置いている自分にすら今は興奮を覚えている。
鏡の位置をずらし、今度は枕を股間に押し当ててうつ伏せで
体を前に後ろに動かしてみる……ぐぐぐ、ぐぐぐぐ。
「ぐあっ!……うは……ハァハァ……。」
一瞬、もうイキそうになっていた。
すごいダイレクトに伝わってくるペニスの裏筋がしごかれる感覚。
それもそのはず、今回は朝に着用した状況とは異なり、ブリーフを穿いていない。
そう、今は肌タイツとゴムだけの状況なのだ。
おかげで中にいる僕のペニスが水着を押し上げすぎて、少し不自然な形をしている。
さらにはブリーフがないために中にある竿は右へ左へと肌タイの中で
方向や位置を変えるのだ……それがまた絶妙に気持ちいいのである。
さらにはコンドームと肌タイが擦れ合って枕の下でぎゅっ、ぎゅっといやらしい音を
たてるのである。
これで興奮するなというほうが土台、無理な注文である。
ぎしっ、ぎしっとベッドのきしむ音に合わせてアクアの中で鳴り響くゴムの音、
下半身は会陰部から熱を帯びて、それが亀頭の先に伝わるのに時間はかからなかった。
「ぐあっ……あぁ……やばいやばいやばいやばい……。」
念仏のようにマスクの中にいる自分が声を荒げる。
あっち向いたりこっち向いたりするペニス、ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅっ……。
「ぐあぁ!!!!!!!!!!!!」
569ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 下半身、主に股間部に走る強烈な電流。
こすれたペニスが我慢を忘れるかのごとく『ぶちゅぶちゅ!』と白濁液を
アクアの中ではじかせた。
まるで風船が割れるかのようにパーン!と放出された僕の子種たち……
朝に射精したときよりもさらに大きな快感が波のごとくに訪れ、
そのままアクアはベッドに倒れこんだ。
気持ちいい、気持ちがよすぎる……こんなことをしていると頭がおかしくなりそうだ。
しかし少し呼吸を整えて休んでいるとまた股間がそそり立ってきた。
その時間、わずか10分程度。
ちらっと鏡に映るアクアを確認すると、2度目の自慰行為に走るのに時間はかからなかった。
「んぐ……んぐ……。」
今度はじっくりと、ゆっくりとなでまわすように体全体をさすってみた。
肌タイツごしに伝わってくるアクアの愛撫、もう中に自分などいないのではないかという
錯覚に陥りそうである。
ただその事実を盛り上がるペニスだけは否定していた。
再び触ると稲妻のごとく駆け巡る快感、先ほどの1回目の射精にてさらに体が
敏感になっているのだろう、少し触るだけでも体がのけぞる。
さらにはゴムの中には一度目の精液がぐちゅぐちゅと溜まっている。
それがさらにすべすべ感を助長させてまたもや発射寸前までに気持ちよくなっていた。
「……んぐあ……ハァハァ……んっ……んぐ……。」
相変わらず笑顔をふりまくアクア、何だか罪悪感すら覚え始めてきた。
しかしそれも本能というハードルに打ち勝てるわけもない。
ぐちゅぐちゅと股間の中が揺れ動く中で僕は天高く股間を突きだした。
「あああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
570ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 がたがたがたがた!!!ベッドが激しく揺れ僕の叫び声はマスクの中を木霊する。
『ぶちぶちっ!!!』とさらなる白濁液を空に向けて一気に放出した。
「ハァハァ……ハァハァ……。」
やばい、完全に大ハマりである。
こんなに気持ちのいいことが世の中に存在しているとは……
もう言葉にできないくらいに気持ちがよすぎて、他のことがどうでもよくなってくる。
とりあえずアクアの中から脱出し、肌タイを脱ぎ棄ててティッシュで股間の処理をした。
時刻は午前2時、僕はいったい何をしているんだろう……
衣装やマスクをたたんでバッグの中にしまうと、電気を消して目をつぶった。
確かに、いい夢が見られそうだ。
まだ熱が残る股間を触りながら、再び硬くなっている自分が恥ずかしかった。
明日はまた朝から結衣と一緒にショーの練習がある……
ワクワクする僕の感情、当分眠れそうにはないな…………。

 実際に目が覚めたのは午前11時、両親はとっくの昔に出勤していた。
カーテンを開けるとカラッと晴れ渡る空が僕を照らす。
目が覚めたと同じタイミングで携帯電話に結衣からの着信が入る。
「もしもし?」
『もしもし、祐也~。ちょっとね、うちに父の会社の人が来るから
 私の家使えなくなっちゃったの~。そっちに行ってもいい?』
今日も妹は不在、両親は夕方までは帰ってはこない。
「別に大丈夫だよ。」
『うん、10分後にそっちに行くね~。』
10分は早すぎる、まだパジャマ姿で寝癖がひどい僕は急いで着替えを済ませた。
何だろう、まだ気持ちふとももあたりがしびれている……
昨日やりすぎたせいだろうか?
眠い目をこすりながらさっと歯を磨き、服を着て結衣が来るのを待った。
571ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 一緒に早めの昼ごはんを食べた後、いざ、アクションショーの練習にとりかかった。
リビングにあるテレビに昨日もらったビデオを挿入してまず動きを覚える。
右へ左へ、体を大きく使いながらの動き……これは大変そうである。
実際、着ぐるみを装着しての動きであるから、体力が持つのかどうかが心配である。
とはいえ昨日これを結衣もものの見事にこなしていたわけだ、
女性にできて男性にできないってことはないはずである。
とりあえず再生、ストップ、巻き戻し、また再生を繰り返しながらの演技……
体が硬いせいか思ったようにうまくいかず、結衣と一緒にストレッチも交えながら
1つ1つ、そのアクションをこなしていく。
さすがに飛び跳ねたりするのは家の中ではできないが、
面をかぶってもいないのにハァハァと呼吸が荒げる……この分ではやばい。
 そんなことをしつつみっちり4時間、足腰がガタガタになってきたところで、
「じゃあ今日はもうおしまいにしましょう。」
結衣のその言葉でソファーにぐったりと倒れ落ちた。
「きついなぁ……これ、結衣は平気なのか?」
「う~ん、実際これにグリーティングもあるから、終わるころには脱水がひどくて
 立っているのも結構ギリギリだったりするのよね~。」
なるほど、思ったほど楽な仕事ではなさそうだ。
こういった練習をしているときに給料がでるわけではないので
実質の給料もそこまで高くはない、好きではないとやっていけない仕事であることは確かだ。
572ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 「ところでさ……孝司さんからやっぱ渡されてるんだよね?」
「!!?」
僕はそのひとことで今までの疲れがふっとぶかのような緊張に襲われた。
「やっぱり、そうだったんだね……。」
結衣は僕の前に昨日渡された大きなバッグを置いて見つめてくる。
「練習しなさいっていう意味で渡してくれたんだとは思うけどさ……
 まさかこれを私たちに預けてくれるなんてちょっとびっくりだよね。」
「……ちょっとさ、上で話さない?」
時刻は午後の4時、そろそろ親が帰ってくるかもしれないデッドラインである。
そんなときにリビングでこの話をするのは危険この上ない。
僕は冷蔵庫からコカコーラを取り出して自分の部屋へと案内した。
573ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 そう言えば長年の付き合いであるにも関わらず結衣を自分の部屋へと
招き入れたのはこれが初めてである。
そもそも僕はいつも自分の部屋は神聖な場所だからと言って誰も入れようとしなかった。
おそらく結衣にとっても招き入れられたことにびっくりしていることだろう。
「へぇ~、きれいな部屋だねぇ~。」
何せ僕は毎日、掃除にだけは事をかいたことがない。
少しでも汚れていたりするとすぐイライラしてしまうのだ。
また女性の部屋みたいに物であふれかえっているというのも好きではなく、
おかげで部屋にモノは少なく整然とした雰囲気である。
 だからこそ孝司さんに貸していただいたあのバッグが目立ってしまう。
やっぱりといった表情を浮かべながら結衣は何も言わずにバッグを開いた。
「やっぱりアクアちゃんだ~。」
結衣も持ってきた同じデザインのバッグを僕に手渡してくれた。
中には……予想通り、ピーチの着ぐるみ一式だ。
「私ね、昨日夜に家で着ちゃったの。」
まったく自分と同じ行動である。
「…………ここに鏡あるだろ…………僕も昨日着てみた。」
ちょっと恥ずかしくももうここからは何も隠さず話すほうがよさそうだ。
 夕日で部屋に光があまり差し込まなくなってきたために電気を点ける。
何だろう、結衣が突然言葉を発しなくなったぞ……
僕に何かを言ってほしいのだろうか?
とはいいつつも、何を言ってほしいんだろうか???
僕の●●を事細かに教えてほしいのだろうか?いや、そんな変な話はないだろう。
じゃあ何だ?
もしかして…………、
「あのさ、結衣……ひょっとして、アクアも着てみたいの?」
その瞬間、彼女の顔がカーッと真っ赤になるのを見逃さなかった。
そう、ビンゴだった。
574ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 その後、僕と結衣との間で交わされたのはほんのふたことみことだった。
「僕も……ピーチのほう着てみたいよ。」
「じゃあ、やってみようか。」
それで僕は部屋の中央をカーテンでしきってお互い別々に着替え始めた。
しかしまさか今度は僕がピーチを着ることができるとは……
アクアとは対照的に大きく開いた口が特徴のその面が僕に笑いかけてくる。
とりあえずまずは着替えだ。
もう3度目の着替えになるから手順もだいぶんスムーズになってきている。
胸をつけて、ゴムを装着してから肌タイツのファスナーを上にあげる。
ジジジっとほぼ同じタイミングで彼女のほうからもファスナーの音。
自分の部屋で結衣と一緒に着ぐるみをやる……ダメだ、もう興奮してきた。
すでにガチガチの股間、スカートにくっきりと浮かぶ竿のライン……
こんな状況を彼女に見せてもいいものなのだろうか?
あまりに卑猥だ。
しかしこの股間をどうにかする手段を今は持ち合わせていない。
とにかくすばやく着替えをすませて、面をつけるまでに持っていった。
「結衣いいか???」
「……うん、大丈夫。」
「じゃあ10秒後にカーテンを開けるよ。」
「分かった。」
僕は笑顔のピーチを頭にすっぽりとかぶった。
あぁ、これで今度は結衣が前まで着ていたピーチになってるんだ……
一度下半身を確認してみるとそびえ立つ股間がスカートの中で悲鳴を上げている。
何だろう、苦しいよぉ~と言わんばかりだ。
575ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 3、2、1……。
シャーっと隔てていたカーテンを取り外すと目の前には元気いっぱいのアクアの姿、
僕の、いや、ピーチの姿を目認したと同時に瞬時に抱きついてきた。
ぎゅ~っ……ピーチの、いや、僕の亀頭にアクアのおなかあたりが当たる。
一瞬、これだけで射精しかけて腰が崩れ落ちた。
どうしたの!!?といった感じでアクアがピーチの体を支えてくれた。
きっと中にいる僕がどういう状況なのかは彼女には分からないであろう。
とりあえずベッドに座り、目の前に鏡を置いてお互いに見つめあった。
今までは自分であったアクアが今度は目の前にいて、
鏡を見てみるとピーチがアクアと抱きついてじゃれ合っている姿……
しかしアクアにはないスカートの盛り上がりがくっきりと映っている。
さすがにアクアのほうもそれに気付いたみたいだ、少しバツが悪そうに驚いてみせる。
あぁ、これできっとピーチ、いや、僕は変態だって思われただろうな……
脱いだ後、きっと気まずいことになりそうだ。
 しかし次の瞬間であった。
「んぐっ!…………。」
あまりのとっさの出来事に思わず声が漏れてしまった。
下半身に走るあの感覚……アクアがスカートごしにピーチの盛り上がる竿を
さわさわと触り始めていたのだ。
どどど、どういうことだ!!?
さすがにこれには驚いて体が半歩ほど後ろにのけぞる。
口に指を当てて首を傾げるアクア、すぐにピーチの腕を引っ張り鏡の前に戻ると
すかさず今度はスカートの中に手を突っ込んできてピーチの股間をさわさわと……。
「んあっ!」
2度目の吐息が漏れる。
触られているのはアクアとはいえ、その中には幼馴染の結衣がいる。
いったいどういうことだ???
ピーチの、いや、僕の思考は崩壊寸前だ。
576ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 そのときふと、とある考えが僕の脳裏をかすめた。
もしかしてアクアも、いや、結衣も着ぐるみに対してフェチ的な感情を抱いてる?
……しかしどうやってそれを確かめればいいだろう?
着てしまってる今では話すことは不可能だ。
こんなことを考えている合間にも僕のペニスの裏筋をやさしくなでまわしてくれる。
やばい、女の子に、しかもアクアにしごかれている……
視覚的にも気持ち良くなるのは必然で、いつの間にかピーチはO脚になっている。
 よし、ダメでもともとだ、試してみよう。
僕は、いや、ピーチは意を決してアクアが股間をなでまわしてくる中、
彼女の胸を横からぐっと握りしめぐにぐにと揉んでみた。
「んんっ!!?」
……アクアの中から漏れてくる結衣の声……やはり正解だ。
彼女もまた着ぐるみに対してフェチ的な感情を抱いていたのだ。
タイツのすべすべが乳首に伝わっているのだろうか……
首を少し上に向けながら体を震わせ悶えている。
もしかして孝司さんは彼女もフェチだと気づいて着ぐるみ一式を化してくれたのだろうか?
だとすると僕らは完全に彼に見透かされていたということになる……
いや、今となってはそうとしか思えない。
でも孝司さん、ありがとうございます…………。
577ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 それさえ分かればもう迷うことはなかった。
鏡の位置をずらしてお互いベッドの上に横になる。
そして僕はアクアの下半身に手をつっこみなでまわした。
「んんんっ……あぁぁ!」
色っぽい声が部屋を木霊する、お返しと言わんばかりにアクアの手もピーチのスカートの中へ。
「んあっ!……ハァハァ……。」
気が狂いそうだった。
幼馴染みがこの中にいて、恍惚の表情を浮かべていると思うといてもたってもいられない。
するとアクアがピーチの上にまたがってきた。
ピーチの、いや、僕のペニスにアクアの股間がぴったりと……
これだけでも発射寸前になったのに、アクアはそのまま問答無用で腰を前に後ろに
動かし始めたからたまったものじゃない。
「んあっ!!!……んんんっ……あぁ!」
やばい、気持ちいい、気持ちがよすぎる!!!
どう言葉にしていいか分からないけど、アクアの股がピーチの一物を激しくしごく。
ベッドのきしむ音がエロい、彼女のやわからな股がエロい、
視界に入ってくるアクアの首を振ってあえいでる姿がエロい……
きっと中にいる結衣も感じている、僕もたまらなく感じている。
「ピーチ……気持ちいい、気持ちいいよ~!」
とうとう彼女が声をあげて悶え始めた。
ぎしぎしとベッドも激しく前後に揺れる。
「ハァハァ……ハァハァ……。」
「ダメ、ピーチ、いっちゃう……いっちゃうよ……。」
イキそうなのはこちら側も一緒だ。
これほどダイレクトに女の子の股間がペニスをしごきあげているんだ。
気持ちよくてもうおかしくなりそうだ。
あぁ……ダメだ……アクア……いっちゃう、いっちゃうよ……。
「ピーチ、ごめんね……先に……いっちゃあああああああああああああああああっ!!!」
「んぐっ……んあああああああああああああああああああああああああああああっ!!!」
578ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 『ぶぢゅぶぢゅ!!!』
彼女の体重など何のその、ピーチが突き上げた股間はアクアの体を軽々と持ち上げていた。
お互い、絶頂を超えるとそのままアクアがピーチの上に倒れこんでくる。
ピーチの偽乳にアクアのおっぱいがボヨンとやわらかく押してくる。
こんなに濃密にアクアと、いや、結衣と接したことなど初めてであった。
気持ちよかった、気持ちよすぎた……もう僕も結衣も立派な変態さんだ。
何と言えばいいのだろう、この2日間で体験したことは僕にとっては激しすぎた。
でも、でも……心から言える、うれしいと。
いつの間にか耳元に聞こえるアクアのすやすやと寝息を立てる音……
まさか、この状態で中にいる結衣は眠ったというのだろうか?
しかし僕もあまりに濃密な触れ合いをしたせいか、疲労感から眠気が少し出ている。
もう少しすれば両親が、妹が、帰ってくるかもしれない……
名残惜しいがアクアをやさしく起こし、再度カーテンを仕切って着替えを済ませた。
ぐっちょりと放出された精液……ピーチから脱皮した自分に襲いかかる罪悪感。
「……………………。」
着替えが終わり元の自分たちに戻ると、お互い恥ずかしそうに見つめながら抱き合った。
「祐也……ごめんね……ごめんね……。」
「謝らないでよ……僕だって、ごめん……。」
「ねぇ、また明日も来ていい?」
「うん、明日も練習しないとね……。」
時刻は午後5時、玄関に母親の車が帰ってきたところで、
僕は結衣が夕日に向かって走り去るのを見送った。
579ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 明日もまたこんな濃密な時間を過ごすことになるだろう。
そして僕は今、今日の夜はどうやって楽しもうかということばかり考えていた。
今日は隣の部屋に妹も帰ってくるのに……もう病みつきになった僕は止まらない。
誰にも止めることなどできない。
そしてふと、リビングにショーのビデオを入れっぱなしだったことに気付き、
母のいる中でどうやって取り出そうかと思案することになった。
もう僕はこれから先、高校生になってからもこの仕事を離れるつもりはない。
着ぐるみは人を喜ばせ、己の性欲を極限にまで満たしてくれる。
金曜日に孝司さんところに行ったときには、
セーラー●ーンの中に入っていたという当時のことを教えてもらおうと思った。
きっと喜んで当時のことを教えてくれるはずである。
そして僕と一緒、きっと自分の姿を見て欲情してたはずである。
580ミカルディス ◆JDmJrao8rU
 おしとやかなアクアというキャラクター。
となりで笑うそのマスクは僕を180度変えてしまった。
たにんには決して言えないけども、僕は着ぐるみフェチだ。
ピ-チの中に入っている結衣も、孝司さんもフェチだ。
湯気が立ち込めるお風呂の中で今、僕はいい仲間に恵まれたことに感謝している。
おもいだしただけで鮮明に蘇る昨日からの濃厚な着ぐるみに向ける性の執着。
待ち遠しい……すでに明日が待ち遠しい。
硬い僕の下半身を石鹸で洗いながら、飢えた野獣のような心でこう叫んだ。
「いっぱい気持ちよくなってやるぜっ!」


                          (続く……のか?)
581ミカルディス ◆JDmJrao8rU
2回も30行を超えてしまった……吊ってくるorz
駄文失礼いたしました。