不思議な河童(仮)

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ある日、近所に資料館がオープンした。
夏休み、家にいても暑いだけなので覗きに行くことにした。
そこは河童の資料館であった。
昔からゆかりのある土地であったことから町興しの一環であるようだ。
最近はゆるキャラブームで盛り上がるところもあるので、それを狙っているようである。
館内に人だかりができているところがある。
そこはガラス張りの展示スペースになっていた。
人々の合間から覗き込むとそこにはリアルな河童の姿が・・・。
河童の身長はそれほど高くはなく、150センチそこそこに見えた。
蝋人形かと思ったが、動いている。
機械的な動きでもなく、それに胸のふくらみもあるように見える。
女性が演じているのかと思いしばらく見入ていしまった。
気付けば最前列で見ていた。
動き回っている姿を見ていたが、チャックらしいものも見当らずどうやって着たのかが気になった。
我に返り辺りを見渡す、ずっと前にいるのも他の人に迷惑かと思いその場を離れた。
離れ際、河童と視線があったような気がした。
出口付近には、やはりブームに乗るためか、ゆるキャラがいた。
それをチラッと見ただけで家に帰った。
家に帰ってからもあの河童のことが頭から離れなかった。
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翌日も昨日の衝撃が頭から離れず、開館とともに入場した。
オープンして2日目ということもあり、今日も入場者は多かった。
また、ガラス越しにあの河童を見る。
昨日はずっと河童ばかり、見入ってしまっていたので気にならなかったが、中には池のようなプールがあり、周りも自然の雰囲気をうまく出していた。
河童の彼女は、ゆっくりと動きまわり、たまに池に入ったりしていた。
そうしなければ室内とはいえ、真夏なのですぐに倒れてしまうだろう。
今日も気付けば最前列、ガラスに張り付くようにして見ていた。
ふと我に返り、赤面しながらその場を離れる。
ほかの展示物を見ながら、自分を落ち着かせる。
建物は2階建てで、昔のこの地方を再現したジオラマがあり、そこで休憩できるようになっている。
少し休んでから再び河童の元へ。
その姿はガラスの向こうにあった。
河童の動きがどうゆうものかわからないが、動きを見ているとそれが河童の動きに見えてくる。
しかし、その動きは女性らしい仕草だった。
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3日目も資料館にいた。河童の彼女に会うために。
しかし、河童の姿は展示スペースにはなかった。
河童がいなければ、来た意味がないので帰ろうとしたとき、後ろから声をかけられた。
振り返ると高校時代の水泳部の遥先輩がいた。
今は専門学校にいっているとは聞いていた。
高校のときもかわいかったが、少し大人ぽくなり、きれいなお姉さんになっていた。
久しぶりに、遥といろいろ話しをした。
遥の父がここの館長をしていて、遥もここでバイトをしていることを知った。
何のバイトをしているのか聞こうとしたとき、遥の方から「君、毎日来てるね。」と言われてドキッとした。
どこかであのガラスに張り付くように見ているみっともない姿を見られていたのかと。
動揺しながらも何か話そうとするが言葉が出てこない。
そうしているうちに、遥が「河童に興味あるの?」と、続けて「河童を近くで見てみたい?」と聞かれた。
どう答えていいかもわからないくらい動揺していたが、コクリと頷くと、遥はついてきてといって、バックヤードの方へ歩き出した。
呆気にとられていたがすぐに後を追っかけた。
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後をついて行きながらドキドキが止まらなかった。
河童の中の女性が見られるのではないかとか、もし、着替え中に遭遇したらとか・・・。
そして、どうやって着替えているのか聞けるなら聞こうとか考えていた。
途中、小柄な女子大生くらいの子とすれ違った。
なかなか、かわいい子だった、あの子が河童を演じているのかとか想像していた。
遥が扉を開けて、部屋へ入れてくれた。
そこはいつも河童を見に来ていた場所へつながる部屋、つまり、控え室のようなところだった。
展示スペースへ出て見ると、外からもよく見えていたが、中からもガラスの向こうがよく見える。
遥が「君、ガラスに張り付き食いつくように見てたわよ」といって、笑っていた。
その時、あの河童が遥であることがわかった。
そして、同時に恥ずかしさから、汗が止まらなかった。
動揺して、慌てていると、ここで少し待っててといい残して別の扉の向こうへ消えてしまった。
しばらくして、やっと落ち着きかけたとき、扉が開き、河童が現れた。
河童は胸の少し上辺りを水掻きのついた手で指差し、「ここにチャックがあるから閉めて」といってきた。
指示された辺りをさぐるとチャックがあり、それをゆっくりと閉めた。
河童になった遥は「どう?近くで見れた感想は聞かせて」と。
正直、凄かった。かなりリアルである。「感動しました」と答えたとき、河童の遥が抱き着いてきた。
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思わず抱きしめかえした。
触った感触はやわらかく、見た感じ光沢はあるがヌルヌルはしていなかった。
河童になった遥は、このあとバイトがあるので、河童の姿のままバックヤード出口まで送ってくれた。
外からもう一度覗くと、手を振ってくれたので振り返して、家へ帰った。
家で一人ベッドで横になっていると、あの抱き合ったときの感触が思い出された。
そして、あの時違和感を感じていた。
自分も確かにドキドキしていたが、河童のリアルなスーツ越しに別のドキドキを感じたのだ。
河童のスーツがそれほど分厚くなかったからなのか、それとも遥も・・・。
それに抱き合ったあと、それまでよくしゃべっていた遥もあまりしゃべらず、扉まで送ってくれた。
いろいろ考えている間に、知らぬ間に寝ていた。
朝早く1本の電話で起こされた。
遥からバイトの誘いであった。
遥のアシスタント的なものならば、いいのにと考えながら、ここ最近、通い慣れた道をゆく。
バイトの内容は、遥一人でやっている河童は体力的にきついので一緒にやってくれないかということだった。
遥と一緒に、しかも気になっていた河童に自分もなれるとなると、断る理由もなく、すぐに引き受けた。
しかし、すぐにスーツもないので、アシスタントとしてバイトをすることになった。
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仕事は、遥の着替えの手伝い、展示スペースの掃除や雑用など。
遥の河童の動きを見て、勉強。
バイトが終わると一緒に帰ったり、ご飯を食べに行ったりもした。
そして、いよいよデビューの時がきた。あらかじめ、水着を用意するようにいわれていた。
部屋に入るとそこには、競泳水着を着た遥がいた。
そして、まず渡されたものは、ゴム製の全身タイツだった。
普通の着ぐるみの場合、全身タイツを着用するが、河童は水に入るため布製だと、水を含んで重くなってしまう。
そのため、ゴム製なのだそうだ。
しかも、目と口の部分しか開いていないのだ。
遥に教えてもらいながらまず、足を通していく。
すべりが悪く格闘している横で遥も同じように着ていく。
それを見ていると股間が熱くなり益々着るのが難しくなった。
そして、頭の部分を残し2人とも黒光りするスーツに身を包んだ。
遥の身体のラインが強調され、色っぽく感じた。
次に河童のスーツだが、キッチリと採寸して作ってあるので、ぴったりしている。
内側の素材は海女さんが着ているウエットスーツのような感じであった。
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苦戦していると、遥がローションのようなものを足に塗ってくれた、すると腰の辺りまですんなり入ったが、すでに汗だくである。
遥も同じように腰の辺りまで着ていたが、汗はそれほどかいてはいなかった。
あまり、汗をかいているので、少し休憩しながら話をした。
クーラーの風が当たり心地よかった。
遥も始めはかなり苦戦したようだった。
オープンの1ヶ月前から、スーツを着たまま動きの練習をしたそうだ。
誰も動きがわからないので、いろいろな動物の動きを混ぜ合わせたそうだ。
それを聞いて、急に不安になった。
今日までなにも練習をしなかったことに。
困っていると、「歩き方は簡単だから大丈夫」と、そして「今日から残って少しずつ練習しようね」といってくれた。
頭の先まで黒いゴムに包まれ、腕にもローションを塗ったあと、河童のスーツに腕を通しながら、上へと引き上げる。
背中にはちょうどパーカのフードのようについている頭を被れば、ほぼ完成である。
今まで自分がしていた手伝いは遥の友人の恵理さんがやってくれた。
何度か通路で見かけたことはあったが、いつもどこかの扉に消えていくのは見た。
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恵理さんに普段どこで仕事しているのか聞いてみたが、笑ってごまかされてしまった。
また、彼女もはるかとは違う魅力があった。
そして、いよいよ人前へ、自分自身の姿ではないのだが、緊張してしまいどう動いていいかわからず、じっと
してしまうことが多かった。
結果的には変に動くよりもじっとしている方が、河童ぽく見えたことを聞いたのは、だいぶあとであった。
初めての公開も終わり控室へ戻った。
なんとか一人で脱げないか試みたが、水掻きが邪魔して無理だった。
もちろん、遥も水掻きがついているので、恵理さんを待つしかなかった。
閉館時間になり、皆いろいろと作業があるのでだれも来てくれそうになかった。
そのとき、遥が館内を見て回ろうと誘ってきた。
このまま?(河童のまま)と思いながらも、遥の強引な誘いを断れなかった。
遥も働いてはいるが、実はほとんど回ったことがなく楽しんでいるようであった。
表情は河童のままでわからないが。
ときどき、ガラスに映る自分たちの姿に驚いたりしていた。
急に後ろから声をかけられた。
そこには息を切らせた恵理さんがいた。
控室にいなかったので捜しまわってくれたようだ。
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恵理さんに二人とも注意されたあと、ようやく顔を出し、クーラーに当り涼む。
遥はすっぴんの顔を見られたくないのか恵理さんとシャワー室の方へ行って着替えるようだ。
シャワーは一つしかないので、座って待っていたが、疲れていつのまにか寝てしまっていた。
着替えの済んだ遥と恵理さんが、起こしにきてくれた。
慌ててシャワーを浴びに向かう、一人では脱ぎにくいからと、遥が手伝いにきてコツを教えてくれた。
腕を抜くときは、いくら引っ張っても抜けないので、着るときに使用したローションを流しこむとすんなり抜けた。
あとは自由になった両手で足も同じ要領で脱いだ。
河童スーツもゴム製の全身タイツも乾燥室で乾燥室へもっていった。
乾燥室にはすでに遥がさっきまで着ていたスーツが掛けてあった。
そこへ吸寄せられそうになったが、外から呼ぶ声がしたので、すぐに外へ出た。
今日は食事の約束をしていたので、3人で食事をして帰った。
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バイトはいつも昼前に昼食を食べてから、着替えに入る。
一度、着ると脱いだり着たりが面倒なため、最後までやりきることになった。
オープン時、つまり遥一人の時は、昼食抜きで、がんばっていたようだが。
少し早く行くと入口付近にゆるキャラの着ぐるみがいた。
エアーで膨らむタイプのもので空気の多く入っているところはユラユラと揺れていた。
エアー着ぐるみがどういう仕組みなのかと近くによっていった、そのとき中から「昨日はお疲れ様」と女の子の声が・・・。
「え!恵理さん!?」
ゆるキャラは大きな頭をゆっくりと縦にふった。
遥の河童にも驚かされたが、今回も驚かされた。
あとで知ったのだが、このエアー着ぐるみは一人で脱着可能だそうだ。
だから、休憩のときに自分たちの着替えの手伝いに来ていくれていたのだ。
そして、今日も汗をいっぱいかきながら、恵理さんは手伝いにきていくれた。
今日もいざ客の前へ。
今日はいつもより暑くたまらないとき、遥が池に見立てたプールへ誘ってくれた。
なるほど、水に浸かるとすごく気持ちよかった。
少し仰向けで浮いていると、調子に乗らないように注意されてしまった。
あと、外からは見えないところにもストローを挿したスポーツドリンクもあり、時々水分補給もできた。
それでも体力的にきつい時があるのか、遥は甘えるような仕草をし、二人寄り添い、じっとしていることもあった。
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オープンしてから、少し落ち着いたのもあり、初めての休館日を迎えた。
バイトを始めて楽しく休みはいらないくらいだったが・・・。
仕方なく家でゴロゴロしていた。
その日の昼過ぎくらいに、遥から電話があり、外で会うことになった。
遥に対して少し前から恋し始めていた自分にとって、断る理由もなく、すぐに待ち合わせ場所へ向かった。
駅前のカフェに入り話をした。
カフェではバイトの話がメインであったが、他に遥のこと。
現在、特殊メイクの専門学校へいっていること。
河童のデザインも遥のを元にプロが造ったこと。
恵理さんも同じ学校であること。
カフェを出てべつのところへ移動することになった。
そこは造形スタジオ。
遥のデザイン作製した作品を見てほしいとのことだった。
遥のあとについて部屋へ入る。
ところ狭しと手や頭の部分作品が並んでいる。
さらに奥の部屋へ行くと着ぐるみのような大きな作品が並んでいた。
自分が遥の作品を着たりするのか、それとも遥自身が着たりするのかとかいろいろ想像した。
遥は「ちょっと待ってて」といい残すと扉の奥へ消えてしまった。
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すぐに扉が開き遥が、手にビデオカメラを持って出てきた。
使い方を簡単に教わったあと、二つのお願いをして、再び扉の向こうへ消えてしまった。
二つのお願いは、呼ぶまでは部屋に入らないこと、もう一つは動く物体を私がいいというまで止めないで、撮り続けること。
ビデオカメラの練習で辺りをしばらく撮影していると、扉の向こうから遥の呼ぶ声がした。
扉を開けると、そこはジャングルのようなセットのスタジオであった。
辺りを見渡すと、セットの端の方でなにやら動いている。
早速カメラを回し近づいていく。
しばらくすると、その動く物体は立ち上がり、セットの中央の方へ移動し始めた。
近寄りよくみると、トカゲのような恐竜のような感じではあるが、スリムで人間とを掛け合わせたような感じであった。
その中は遥なのであろう、そんなに背は高くなかった。
その恐竜人間をいろんな角度から撮影していく。
着ぐるみのようだが、どうやって着たのかはわからない。
触ってもいいのか尋ねてみると、コクリと頷いたように見えたので、各部分をカメラを回しながら触れてみた。
触れてみながら、チャックを探してみたが、見つからない。
口の部分かと手を突っ込んでみた、柔らかくてヌルッとするものに触れてびっくりし、慌てて手を引き抜いた。
その後もカメラを回しながら観察を続けた。
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5分ほどしたとき、急に恐竜人間はうづくまってしまった。
遥になにかあったのかと着ぐるみを脱がそうとするが、どうしたらいいかわからない。
そのとき、恐竜人間の口が大きく開き、血のようなものと一緒に内臓のようなものが飛び出してきた。
腰を抜かしそうになりながらもよく見ると、その内臓は人の形をしている。
その内臓は立ち上がりお腹の辺りを押さえながら笑っている。
なんなのかわからず呆気にとられていると、「もう、カメラ止めていいわよ」と、内臓の着ぐるみから顔を出していった。
遥によると、学校の課題でホラー的なものを造ることになって、造ったものだったのだ。
リアルさを追求した結果、内臓のようなスーツを着てから着ぐるみに入ってたそうだ。
しかも、着るときの潤滑のローションも血のような色のものを使用したそうだ。
ただ、二重に着ぐるみを着るので短時間しか無理のようで、ビデオの撮影時間は5分ほどであった。
一人で何度か挑戦したが、固定カメラではうまくいかなかったので、撮ってもらったとのことだった。
汗をかくと今日は着替えをもってきてないので、内臓着ぐるみの中は何もつけていない。
それで途中に入ってこられるとまずいので、絶対に呼ぶまで入らないようにいったのだ。
帰りにビデオを確認したが、途中までは自分でも感心するくらいうまく撮れていた、うずくまったときもカメラを台の上に置いていたが、奇跡的に枠内に収まっていた。
ということは、そのあとの自分の慌てっぷりと腰を抜かしそうな仰天ぶりも見事に撮影されていた。
遥は、再び大笑いしていた。
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翌日のバイト、機嫌の直っていない自分をさとっとたのか、遥が自分の頬に軽くキスをして、「今日もがんばろうね」と耳元でささやき、離れていった。
テンションが上がり1日いつも以上にはりきってバイトが終わった。
それに水掻きのついた手でも着替えることができるよう工夫したおかげでみんなが帰る頃には、シャワーを浴びて帰れるよになった。
まず、遥に自分が脱げるようにしてもらってから、次に遥の順で脱いでいた、遥が汗のかいたスッピン顔をみられたくないためにそうしていたが、そのうちに恥ずかしそうにしながらも顔を見せてくれるようになった。
だいぶ慣れてからは、一緒にシャワー室に入り脱ぐのをお互いに手伝った。
河童のスーツから、遥のゴムの全身タイツに覆われたおしりや足が出てくると怪しく黒光沢りし、艶かしく、触りたい衝動にかられる。
そして、さらにタイツを脱がすと、白い肌が出てくると、もう、抱きしめたくて仕方なくなるが、この関係が崩れてしまうことを考えると手を出せない自分がいた。
いつもじっと凝視してしまうので、あんまり見ないでと水着の上からタオルで隠されてしまう。
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翌週の休館日、遥と会う約束をした。
また、前のように驚かされるのかと思いながら、遥に付き合う。
やはり、前回と同じ造形スタジオにやってきた。
更衣室に遥に手を引かれて入る。
今回は自分も何かするのかと思っていると、ゴムの全身タイツを渡された。
そして、バイトのときのように着替えるようにいわれ着替え始めると、遥も着替え始めた。
辺りを見ると前回遥が着ていた内臓スーツが二つ。
今回は自分と二人でと思っていると、遥が内臓スーツの着替え方をレクチャーしてくれた。
まず、腰辺りの前面にマジックテープがあり、それを外すとチャックが現れた。
チャックは内外両方から開閉が可能になっている。
その部分はうまく筋を表現しているため、すぐには見つけられなかった。
まず、足を入れ腰まで引き上げ、次に頭からすっぽりとかぶったあと、腰の部分のチャックを閉めてから、腕を通してからお腹の辺りのマジックテープを上から叩くようにしてつける。中からの視界はよく、前で内臓のような物体の遥が腰の辺りをゴソゴソしているのが見える。
その後、腕が横へ伸びお腹の部分を叩いている。
そして2人でバックがグリーンになっているスタジオへ。
そこには、大きな芋虫のようなものが置いてあった。
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その大きな芋虫のようなものの入口側はしっかりと造られているが、奥はすぐに破れてしまいそうだった。
二人で密着し抱き合うようにしながらそれに入る。
覗き穴から遥と視線があったが、少し恥ずかしそうに、笑ったように見えた。
身体がほぼ全部、その芋虫内に収まったとき、外から聞き覚えのある声で、「撮るよー」という声が聞こえてきた。
遥が「恵理に頼んだのと、私を押し出して手足を使わないようにして出てきて」と言われた。
指示通り押し出し、そして後に続いて外へ。
外へ出たあとも手足を使わずにモソモソと動いた。
遥はゆっくりとその動きを小さくしていき、そして動きを止める。
自分も遥と同じように動いた。
それから、しばらくして恵理さんの声でOKというのが聞こえてきた。
遥は立ち上がり、内臓スーツを腰の辺りまで下ろし、全身タイツは頭の部分だけ脱いだ状態で映像の確認をしている。
かなりいい感じに撮れたようで、二人とも喜んでいた。
前回遥と恵理の二人で、カメラを固定してやったが、途中恵理さんが出られなくなり、失敗したそうだ。
それで今回は自分が選らばれたようだ。
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撮影は学校の課題で、必要なのだとか。
二人でいろいろ作っているらしく、それを見せてもらうことになった。
ただ、見せるだけでは、つまらないということで、作品を着てくるからといって、二人は扉の向こうへ行ってしまった。
10分ほどたったとき、扉が開き、台車に乗せられてなにかが出てきた。
それは全身鱗に覆われている。
人魚のような、半魚人のような、遥が台車を押しているので、中身は恵理さんだ。
また、驚かされるのではと警戒して構えていると、はるかから初期の作品では仕掛けを考える余裕はなかったからといわれた。
でも、今までと同じでどうやって着ているのかは、わらないように工夫はしているとのこと。
確かにぐるり1周してみたがさっぱりわからない。
中の恵理さんもいろいろと動いて見せてくれた。
どうやって着たのかも気になったが、それ以上に恵理さんの胸が大きく、動くたびに揺れそっちの方に視線がいってしまった。
いろいろ探してみたが、恵理さんもきつそうなので降参すると、尾鰭(足)の先の部分の小さな穴にファスナーが2つ付いており、足の外側へ開くと、恵理さんのゴムの全身タイツの足が出てきた。
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ただ、その足にはラップが巻かれていた。
二人で支えて立たせてから、遥はラップを取り外し始めた。
恵理さんは自分の腰の辺りを触っている、しかし水掻きが付き、鱗のついている手ではしたいことができないようで、どうすればいいか声をかけようとしたとき、はるかが腰の辺りへ手を入れ何かするとウエスト部分のくびれがなくなった。
そして、「脱ぐのを手伝ってあげて」と。
半魚人の上半身を引っ張り、脱がせるのを手伝う。
次は胸に引っかかったようだが強引に引っ張る。
胸を揺らせながら、ようやく脱がせることができた。
その後、すぐに足のラップも取れた。
足にラップを巻いていたのは、中で足が動くとリアリティがないからとのこと。
顔の部分も前面は水がかかっても息ができるように、呼吸穴は頭の後ろ側につけたそうだ。
はるかからもう一つあるけど、着てみないか誘われた。
少し嫌な予感もしたが了承すると、二人で入るけどいいか聞かれた。
はるかと二人なら喜んでと思っていると、いきなり手を引っ張られてしまった。
いい機会だから撮影すると・・・。
そして、作品のある部屋へ3人で入る、着るのを恵理さんが手伝ってくれるようだ。
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今度も二人で入るが、ゴムの全身タイツ着用なので、遥の身体を直に感じる。
自分の感情を抑えきれるか自信のないまま、着ぐるみに足を通していく。
今回はエイリアンのようで、足が2本で腕が6本、当然足を担当し二人分の体重を支える。
そして、遥とはおんぶをした状態で密着、背中にあたたかくやわらかいふくらみを感じる。
エイリアンには太い尻尾があり、その付根部分のようで、中でおんぶしていることを想像させないようだ。
そして、6本の腕を動かしながら、辺りを耳元で遥が指示するように動き回る。
しかし、遥を背負って動き回るのにも、疲れ始めてきたとき、遥から「もう少しこうしていたい」と囁かれた。
それを聞くと、また力が湧いてきた。
でも、張り切りすぎて動くと一緒にいる時間が短くなってしまうかもしれないと思い、自分を抑えて動いた。
しばらくして、恵理さんが外でOKという声が聞こえた。
少し残念ではあるが、ゆっくりとしゃがみ開けてもらうのを待つ。
ジジッと音がして背中の方が涼しく感じた。
開けてくれたようだ、その時遥が「身体をひねって」と、言われ上半身をひねった。
突然、ギュと抱きしめられてキスをされた。
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エイリアンの中で、ビックリしてしばらく動けなかった。
どのくらい経ったかは、わからないが長く感じた。
恵理さんが心配して声をかけてくれた、その声で我に返った。
そして、遥が出るためにもぞもぞと動き出した、そして出るときに小声で「続きはバイトでね」と。
しばらく、いろいろな想像してしまい固まってしまっていた。
2人は撮影したビデオを確認している。
うまくいかなかったのか首をひねっている。
そして、次もお願いできるか聞かれた。
遥と一緒なら、もちろん引き受けるつもりである。
ただ、次回は演技指導が入りそうだが・・・。
その日は3人で帰ったが、遥のことが気になって仕方なかった。
次の日のバイトはお互いに意識しすぎて、ギクシャクしていた。
それでも二人とも河童を演じて閉館の頃にはいい感じになっていた。
河童のスーツを脱ごうとしているとき、恵理さんが勢いよく部屋へ入ってきた。
あの半魚人のスーツをもって。
どうしたのか聞いてみると、資料館の人達に半魚人を見てもらって、気にいってもらえたら、河童のブースに一緒に入ってやってもらうとのことだった。
恵理さんは一人入口でゆるキャラをやっているのは寂しかったようだ。
しかし、河童のスーツは費用がかかってしまうので、自分の半魚人を持ち込んだのだ。
そして、見てもらうために、早速着替え始めた。
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河童のスーツを腰まで下ろした状態で、恵理さんの着替えを手伝う。
恵理さんも事前にゴムの全身タイツを着て来ていた。
頭から半魚人に入っていく恵理さん。
はるかが腰の部分を締めて調整しているとき、自分は足のラップ巻きを手伝った。
尾鰭部分のファスナーを閉めて完成。
今日は台車がないので、恵理さんをお姫様抱っこして、展示ブースへ運んだ、遥の機嫌が悪くならないことを気にしながら。
外では恵理さんを審査する数人の視線を感じた。
恵理さんをブース内に残し、ブースの影から遥と一緒に恵理さんを見守る。
はるかは腰から下は河童だが、上はすでにTシャツを着ていた。
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人魚のような状態なので、普通に動くことはできない。
そこで展示ブース内にある池(プール)に入り、そして泳ぎ始めた。
顔をつけたままかなりの時間泳ぎ続ける。
時には潜ったりしながら。
息は頭の後ろでできるので、心配することはいらないのだが、審査している人達はそんなことはしらないので、ざわついていた。
当然あとで種明かしはするのだが。
審査結果は、泳いでいる時間が長く興味をそそられたこと、河童だけでは客も飽きてしまうかもしれないとの理由で、採用となった。
恵理はすごく喜んでいたが、しかし一つ問題が・・・。
ゆるキャラをどうするかということ。
人手がもともと不足している状態であり、新しい人を募集しているがすぐにはなかなか見つからない、そのためしばらく、3人交代でゆるキャラをすることになった。
そしてある日、トラブルが発生。
恵理さんがゆるキャラを担当していた朝、足をひねって立ち仕事ができなくなってしまった。
すでに河童になっていた二人で、恵理さんを部屋へ連れてきた。
足は痛いが水の中なら足を冷やせるという、恵理さんの申し出で半魚人のスーツを着せた。
ゆるキャラはと思っていると、遥が「私は恵理を運んでいくことができないから」とゆるキャラをやると言い出した。
しかし、河童スーツを脱いでいる時間もないので、河童のままゆるキャラに入った。
心配になって、やめるようにいったが、涼しくなってきているし、体力には自信があるからといって聞かなかった。
ゆるキャラの河童になった遥は急いで行ってしまった。
こっちらも半魚人の恵理さんを抱っこして、展示ブースへ。
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ゆるキャラは人気があるので待たせることができない、遥は大丈夫だといっていたが心配でならなかった。
ゆるキャラはたしかに中のファンで膨らませているため、普通の着ぐるみに比べると暑くはならないが、すでに河童スーツを着ているのだ。
途中の休憩でゆるキャラからでてきたときは、かわいい河童のキャラクターから、リアル河童が出てくるという凄い光景を目の当たりにした、その河童は遥。
休憩の時間がたっぷりあったので、河童スーツを脱ぎ、ゆるキャラへ戻った。
さすがの遥もその日は疲れているようだった。
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秋にさしかかる頃、新しい河童スーツが来た。
今までのものより厚手だ、というのも冬も水に入らなければいけないのだ。
夏は暑かったので、水に入っても気持ちよかったが、冬はどうなるのか想像できなかった。
でも、ゆるキャラをするときは夏仕様の河童スーツを着たら、暖かいのではないかとも考えた。
そして、もう一度遥のリアル河童が出てくるところを見てみたいと思った。
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遥との関係もいい感じになってきたある日、家に遊びに来ないかと誘われた。
そして、約束の日、近くの駅で待ち合せ、遥の家へ向かう。
今は実家を出て1人暮らしをしていることや部屋が広くて気に入っていることなどを話してくれた。
部屋に入ると、綺麗に片付けられていて、いい香りがした。
遥はコーヒーを入れてくれ、しばらく雑談した。
昔と違い細く大人っぽくなった遥に見とれ、話が頭に入ってこなかった。
バイトのときは、すぐに顔も身体も河童になってしまうので、見られなくなる。
バイト終了後は恵理さんもいるので、遥のことを凝視することはできない。
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1つ前々から気になっていたことがあったので聞いてみた。
それはいつも着ぐるみの下に着るゴムの全身タイツのことである。
どこで見つけて使おうと思ったのか。
遥は外国の雑誌で見つけ気になり、インターネットで調べた。
見ているうちに、自分も着てみたい衝動にかられ、購入したのがきっかけらしい。
初めてのときは着るのにすごく苦労したが、鏡に映る自分の姿がかっこよく、
なにより肌の感覚が敏感になり、気持ちよかった。
それから、学校の課題などで、よく着ぐるみを着るのでその中で着ていても誰にも気付かれない
と思い着始めたそうだ。
すると、別の効果が現れた、そう汗を異常にかくので痩せてきたのだ。
ただ、痩せるだけでなく絞まった身体になったのだ。
遥が「ちょっと試したいことがあるから、手伝ってくれる?」と。
コクリと頷くと、遥は奥の部屋へ入り、扉から顔だけ出して、「テレビでも見てて」と言い残し扉の向こうへ。
何を手伝うのかといろいろ考えていると、テレビの内容など頭に全く入ってこなかった。
しばらくすると、奥の部屋から「いいよ、入ってきて」と。
入ったその部屋は衣装部屋のようで、普通の服もあるが、着ぐるみなども掛かっていた。
部屋にゴムの全身タイツに着替えた遥が立っていたが、いつもの使っている黒色のものではなく赤色だった。
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そして、遥が手伝って欲しいことを説明された。
それは、全身タイツの重ね着、どれくらいまで触っても気持ちいいか、どれくらい動けるのかを試してみたいと。
1人では着ることはできても脱ぐことができなかったら困るのでといことだった。
以前はもう少しポッチャリしていたが、だんだん痩せていき、その度にピッタリ感を追求するあまり
新しいものを購入していったらしい、前のものを着てもブカブカになったので、上手く利用する方法も
見つけたいようでもある。
そして、なぜか自分を着替えるようにと渡された、ゴムの全身タイツを。
それは新品しかもあそこの部分もついている。
着替えを見られるのが恥ずかしいか尋ねられたので「うん」と答えると、遥は頭の先から足の先まで全身
赤いゴム人間になってしまった。
空いているのは、口の部分だけ、それもやわらかいゴムホースをくわえたような感じで、ホースを口の中へ入れ口を閉じると穴はどこにもなく、どこから息をしているのか分からなくなってしまった。
自分の前には真っ赤なスタイルのいい、ゴム人間が立っている。
中身はもちろん遥、見とれていると、遥はこもった声で「早く着て」と催促された。
そして、サイズの小さい順に並べられた全身タイツを遥に着せていく。
赤のゴムの全身タイツの下何も着けていないようで、下着や水着のラインは見えない。
それどころか胸の先の突起とその周辺部分の色が違うのが、はっきりわかった。
抱き着き、触りたいという衝動を抑えながら黒いタイツを着せていく。
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2枚着た時点では、ただ赤いゴム人間から黒いゴム人間に変わっただけに思えた。
「触ってみて」と言われてあっちこっち触った。
胸もお尻も、調子に乗って触り叩かれもしたが、つづいて3枚目を着せる。
指や関節部が少し動かしにくそうである、またあっちこっち触り叩かれそうになるが、今度はよけることが
できた。
まだ、遥に感覚はあるようだ。
4枚目は指も間接部もあまり曲がらないようで、触ったとき叩こうとはしているが、制限された変な動きになっていた。
最後の5枚目になると、ほとんど動かせないようで、人形のようであった。
動けずなにをされるのも遥も承知の上だと。
承知してなくて後で怒られてもいいかと思いながら。
動けないそのゴム人形を触ったり、抱きついたりしてみた。
触った感触は少し柔らかいが、大きなゴム人形といった感じ、腕も足も真っ直ぐ伸びた状態で、仰向けで
目の前に横たわっている。
人形のようであるが、抱きついていると温かみを感じる、そして静かにすると、少し苦しそうな呼吸音も。
横に並んで寝ながら見ていると、胸の膨らみが小さく上下している。
その胸を撫でてしばらく横で寝ていたが、遥が小刻みに動き、言葉にならない声でなにか訴えている。
脱がせてほしいことはすぐに分かったが、少し意地悪をしたくなり、すぐには脱がさなかった。
やり過ぎると、あとの二人の関係にも影響がでそうなので脱がせてあげることにした。
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そして、1枚づつゴムの全身タイツを脱がせていく。
ようやく、赤いゴムの全身タイツに辿り着き、脱がせようとしてとき、遥が振り返り抱きついてきた。
そして、隣の寝室へ連れて行ってほしいといわれた。
ベッドの上で二人横たわり絡みあった。胸を愛撫したりして互いに触りあっているうちに興奮が最高潮に
なったとき、遥の最後の1枚を脱がし、自分も脱ぎ、初めて結ばれた。
そのあと部屋の中で二人で話もしたが、正直あまり覚えていない。
そして、いつどうやって帰ったかも。
まるで夢の中にいるようで、気付けば家にいた。

翌日、バイトのときお互い意識しすぎて、あまり顔も見れなかったが、河童のスーツごしなら引っ付いたり、
少し会話したりし、本来の自分達に戻りつつあった。
バイトが終わったときは、どちらともなく近づき、河童のまま、しばらく抱き合っていた。
恵理さんの足音が聞こえたような気がして慌てて離れ、着替えを始めるということが、
それから何度かあった。
休みの日には、遥の家で二人で過ごすことも多くなっていた。
そうしているうちにわかったことは、遥がラバーフェチであること、少しMっぽいこと。
だから、ゴムの全身タイツを重ね着したり、そしてそれによる拘束感を楽しみたかったようだ。
またそのことを自分だけに打ち明けてくれたこともうれしかった。
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ある休みの日には、遥はゴムの全身タイツ(鼻の部分しか穴が開いていないが、口とあそこの部分は袋状)になっているものを着て、その上からゴムのワンピースを着用。
腕にはエナメルグローブ、足は太ももまで覆い隠しそうなほど長いエナメルのニーハイブーツ。
全身が黒く怪しく光っている、そして動くたびにエナメルのギシギシという音と時折ゴムが擦れる音が響く。
そんな遥に抱きついたり、身体のいろんなところを触ったりして攻めてみたりする。
そしてそれだけでは、遥は物足りないかと思い、ラップで全身を拘束してあげる。
そして、身体だけでなくラバーに覆われた顔もすべて。
もそもそと身体をくねらせて動く、透明のビニールの下に黒い物体が見える。
事前に大丈夫なら身体を動かすようにいっておいた。
苦しいか聞いてみると、うねうねと元気に動く、大丈夫そうだ。
さらに、赤いビニールテープを上から巻きつけていく。
目の前には赤いミイラが完成、声をかけると動こうとはしているようだが、ほとんど動けていない。
写真は禁止されていたが、遥にはわからないのでいろんな角度から撮影していると、急に左右に激しく動かし、いやいやというような仕草をしているように見えた。
さすがの遥も苦しくなったのかと思い、カメラをかばんにいれ、テープを解いていく。
ラップの中が汗か呼吸のためか結構、結露していた。
ラップを取ると、かなり苦しかったのか、肩で呼吸をしている。
しばらくして、落ち着くと自分の横に来て甘えるようなそぶりをする。
まだ、全身黒光りするその格好のまま、抱きしめる。
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遥にはかなり気持ちよかったのか、お礼のつもりなのか、自分のズボンを脱がせて、袋状になった口で
いかせてくれた。
そのあとは、ゴムの上からではあるが交わった。
こういうのは初めてで、変な感じではあったが相手は遥なのでそれもよかった。
そのあと、遥の着ているものを順番に脱がせていく。
ゴムの全身タイツを最後に脱がせると、真っ赤な顔をした遥が出てきた。
暑かったのと恥ずかしかったのと両方あったのか、それはわからないがあえて聞かなかった。
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ある日、遥と恵理の後輩という背の小さな女の子が新しくバイトにきた。
名前は杏奈、目の大きなかわいい子だ。
ゆるキャラも新しいのを追加するというのは、前々から聞かされていた。
その適役が見つからなくてなかなか実現できなかったとか・・・。
そのキャラは遥のデザインらしい。
遥にいろいろ聞いてみたが、お楽しみとしか答えてくれなかった。
ただ、大きな着ぐるみだと威圧感があり子供が怖がるので小さくしたとだけ教えてくれた。
遥も恵理さんも無理なサイズらしく杏奈さんを説得してお願いしたらしい。
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どんな着ぐるみか期待しながら、他のスタッフと共に登場を待つ。
扉が開きいよいよ登場!
しかし、遥と恵理さんだけ?よく見ると二人の間に1mにも満たない小さなキャラが。
杏奈さんも小さいが、このキャラは小さすぎる。
その小さなキャラは短い手足を動かしすごく愛らしかった。
このキャラも河童をモチーフにしているので、手足には水掻きがついている。
頭にはお皿、背中には身体と一体となった甲羅。
顔はゆるキャラなので、かわいく造ってあった。
しかし、どうやって着ているのかさっぱりわからない、いつものことながら
どうやってきたのかが気になる。
着ぐるみをきせてから閉じ込めてしまったのかとも思えるほどだ。
そして、なにより大きさ、どうみても小さすぎる。
小さいので子供たちにも怖がられず親しまれるだろう。
がしかし、どうなっているのかわからないことだらけである。
間もなくオープン時間なのでその新キャラは短い手をスタッフに引かれて行ってしまった。
遥がずっと不思議そうな顔をしている自分を見て微笑みながら、答えを教えてくれた。
中へは手足を曲げた状態で入っていること。
そして、杏奈さんが小さいこともあるが、腕や脚も細いので曲げた状態でもキャラの
手足が太くならないことを。
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あと、子供と同じサイズなので、いたずらされないよう簡単には着るところが見つからないように
してあることを教えてくれた。
そのゆるキャラを着るには、甲羅の1枚が外れるようになっていて、そこへ手を入れて甲羅を外すと、
着ぐるみのファスナーが現れ脱ぐことができるのだとか。
中はクッションのようになっているので、膝で歩いても痛くないし、転んでも大丈夫なようにしてある
らしい。
確かにバランス悪くコロコロよく転びそうではあった。
スタッフも増員してあるので、常に付き添うかたちでフォローする。
自分達の出番は昼からなので、杏奈さんの新キャラを遥と二人で見ていた。
子供達に囲まれ、写真を撮ったり、握手をしたりと大好評のようだ。
たまに、勢いよく抱きつかれコケていることもあるが、すぐにスタッフが起こしていた。
今日は初日ということで、早めにお披露目は終了。
短い手を懸命に振りながら、控室へと戻っていく。
遥とともに杏奈さんの着ぐるみを脱ぐ手伝いにいった。
遥は甲羅の一部を外してそこから手を入れ、内側からファスナーで取り付けてある
甲羅を取り外した。
すると着ぐるみのファスナーが現れる、それを開けると中からは黒い物体が・・・。
遥に指示され、着ぐるみの腕を引っ張った。
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遥の方は、着ぐるみの中へ後ろから腕を突っ込み脇の部分を持って後ろへ引っ張った。
黒い革の頭と腕が現れたが何か様子が違う。
そう腕が異常に短いのだ。
その革の衣裳(拘束着のようなもの)は腕を曲げた状態で着ていたのだ、足の部分も同様に曲げた状態になっている。
ようやくでてきた杏奈さんはまるで、黒い犬のようである。
かなりきつい状態で着ぐるみに納まっていた杏奈さんを遥は心配していたが、
当の杏奈さんはまだまだできるといわんばかりに、犬のように遥と自分の周りを歩き回って見せた、
頭の部分だけ脱いだ状態で楽しそうに時折、短い腕を振りながら。
意外なくらい元気な杏奈さんに二人とも呆気に取られてしまった。
翌日からは朝から昼過ぎまで休憩なしで、お客さんの前に登場し、子供達を喜ばせていた。
そのあとはスタッフとして自分達の着替えの手伝いなどもしてくれたりと、大活躍だった。
新キャラの補助スタッフとして入った真人くんも始めはそのままで新キャラを起こしてたり、誘導
していたが、慣れてくるとゆるキャラに入り補助も誘導もできるようになった。
そのため、遥と恵理さんと自分の三人で展示スペースへの登場も可能になった。
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休みの日は遥の家へ遊びに行くことがここ最近多くなっていた。
遥一人で着ることができない作品や遥個人の趣味に付き合うことも。
作品については意見を求められることも。
でも、いろいろな遥をみることもでき、また攻めることやいたずらすることもできるのですごく楽しい。
あるとき、遥の趣味のゴムの全身タイツ。
別の部屋へ消えた遥をテレビを見ながら待つ、最近は少しテレビも見れるようになった。
奥の部屋からは着替えている音だけが聞こえてくる。
想像しつつ、期待して待つ。
しばらくすると、扉が開いて入ってきたのは全身緑色のゴム人間。
ファスナーもないし、呼吸する穴も見つからないし、しわ一つなく怪しく光っている。
その緑色の物体は自分に近づき抱き着いてきた。
あたたかくて、柔らかいし、どこからか呼吸する音も。
そして、自分の手をとり身体を触れといわんばかりに身体のあちこちを触らせる。
そして、胸に手を持っていき、揉めと指示してきたので、それに従う。
そのあとは、あそこへ。
そこは袋状になっていて、指が入る。気持ちいいのか身体をくねらせたり、強く抱きついたりする。
そして呼吸が荒くなり顔の部分が時折膨らんだりしぼんだりしてる。
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鼻から呼吸していたようだ、鼻の少し奥まで緑色のゴムで覆われていてよくわからなかったが、
覗き込むと奥の方は穴が開いていた。
胸を揉んだり、あそこをいじり続けると、少し声を漏らし少し震えるような仕草をみせ、烈しく抱きしめてきた。
その後、ゆっくりとした呼吸になり、自分の胸の中に倒れこむようにして動かなくなってしまった。
頭を撫でながら、背中辺りにファスナーを探したが、見当たらない。
ただ、下にもう1枚同じ色のゴムタイツを着ているのか、緑色のゴムの下にファスナーのようなあとが首から
腰辺りまであった。
しばらく、じっと抱きあっていたが、急に緑色の腕がゆっくりと下がり、呼吸も静かになってしまった。
どうやら疲れて寝てしまったようだ。
しばらく、そのまま抱いていたが起きないようなので抱き上げてソファに寝かせた。
大きな張りのある胸や乳首を触っていると寝返りをうった。
今度はお尻がめの前に、これもまた張りがあり触り心地がいい。
そんなことをしているのに、一向に起きない。
しかし、しばらくすると暑くて目が覚めたのか動き出した。
首元に手を入れ、緑色の頭部を脱ぐと黒い頭が登場した。
もう一度首元に両手を入れ左右に引っ張ると、首の部分が大きく広がりそこから脱ぐことができた。
もう1枚の黒の全身ゴムタイツのファスナーを下ろしてやると、そのまま浴室へ行ってしまった。
さっき、脱いだ緑色のゴムタイツを残して。
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なにもしないで過ごしていたかもしれない学生生活も遥のおかげで楽しく過ごすことができた。
自分の知らなかった世界をいろいろ経験させてくれた。
今は、就職、結婚と慌しく時間が過ぎていく。
仕事も少し落ち着いたので実家へ妻を連れて帰ったとき、久しぶりに思い出の資料館へ行くことにした。
もちろん向かうは、河童の展示スペース。
リアルな河童がそこにはいる。
しかし、動きは人間ぽすぎるなぁなどと思いながら見ていた。
たまたま、資料館のスタッフに会い挨拶していると、中も覗いていったらと、バックヤードへ入れてもらった。
懐かしの河童の控え室へ行くと、ちょうど休憩の2匹(2人)が戻ってきた。
自分達の後、この二人が引き継いでくれたのだ。
向こうもこちらに気付き、話を始める。
興奮気味の2人を落ち着かせ、脱ぐのを手伝う。
そして、河童の身体のままの彼らと話をした。
河童をしているうちに2人は意気投合して、付き合うことになったそうだ。
遥と自分のように。
その話を隣で妻の遥がうれしそうに微笑んで聞いていた。
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駄文読んでいただいてありがとうございました。