ロボットへのお仕置き(仮)
- 状態
- 完結
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- 137 :1/9 ◆WKkH0lIows:
都心にある高級マンション。 その一室に一人の男がいた。 部屋は生活用品が一通り揃えられているが、必要以上に綺麗に整理されているため、逆に生活感が感じられない。 そして、男の正面には女性型のロボットが立っていた。 ロボットといっても、スラリとした細身のシルエットなので、何かのアニメに登場するようなスタイリッシュなアンドロイドと表現した方がイメージしやすいかもしれない。 その表情は決して変わることなく、見方によって遠くを眺めているようにも男を見つめているようにも見える。 全身をピンクを基調とした硬質のパーツが覆っているが、伸縮性が必要と思われる間接部は、厚手のビニルレザーのようなものでしっかりと接続されており、部屋の照明を受け黒光りしている。 目には綺麗なクリアパーツがはめ込まれ、鼻の部分には僅かな穴が開いている。 男は、そっとロボットの手に触れる。 手の甲は硬いが、手の平側は、まるで生身の人間に触れているかのような柔らかい感触と温もりがあり、男の手に優しく伝わった。 男はそのまま、まるで万歳をするようにロボットの両手を上に持ち上げると、ロボットは男の動きに従い、両手を上げた。 男が静かに手を離すと、ロボットはその状態を維持したまま立っている。 男は軽くロボットの脇をくすぐってみた。 すると、ロボットがほんの僅かだが震えた。 更に指の動きを大きくしてみると、ロボットの震えも大きくなった。- 138 :2/9 ◆WKkH0lIows:
男は腕を上げたままのロボットを横目に見るように側面に回った。 ロボットの腕を下げると、まるでエスコートをするように壁際へとロボットを移動させた。 移動といっても、男が軽く力を加えて促すと、ロボットはまるで意志を持っているかのように自ら歩を進めた。 壁際まで行くと、ロボットを壁に向かって前屈みに立たせ、両手は体を支えるように壁に伸ばした。 そして男はロボットのお尻に軽く触れる。 お尻の部分には硬質のパーツはなく、レザー状の生地が剥きだしだ。 指で押すと絶妙な弾力性があり、男の指を押し返した。 男は一人で納得したように頷くと、腕を大きく振りかぶり、思い切りロボットのお尻に手の平を叩きつける。 静かな室内に乾いた音が大きく響く。 お尻は小刻みに揺れて止まる。 その後も、男は何度となくロボットのお尻に容赦なく手の平を叩きつけた。 その度に静かな室内には大きな音が響き、消えていった。 やがて男の手の平が真っ赤になると、ようやく叩く手を止めた。- 139 :3/9 ◆WKkH0lIows:
男は一度ロボットの元を離れると、おもむろにエアコンのリモコンを操作した。 暖房運転、最高温度、最大風量に調整する。 静かだった部屋に、急にエアコンの動作音がうるさく響き渡る。 男は冷蔵庫からドリンクを取り出すと、手近にあった椅子に腰を下ろし喉を潤した。 ロボットは先程から動くことなく、両手を壁についたまま立っている。 それから数分。 部屋にはエアコンの動作音だけが響いている。 室温はどんどん上がり、あっという間に快適な温かさを通り越して不快を感じる暑さに達っする。 男は飲みかけのドリンクをテーブルに置き、おもむろに立ち上がると上着を全て脱ぎ捨てた。 そして、ゆっくりとロボットに近寄った。- 140 :4/9 ◆WKkH0lIows:
男はロボットを操作して、床に座るようにロボットの体を動かした。 ロボットは先程と同様に、自らの意志で動いているかのように床に座る。 最後、お尻を床に下ろす時に少しだけお尻をかばうような仕草が垣間見えた。 こうして、両足を前に伸ばした姿勢で床に座らせた。 男はロボットの背後に回ると、後ろから覆い被さるような格好でロボットの両足を掴み、腕に力を込めてゆっくりと開脚させた。 ある程度まで足が開くと、抵抗力が強くなりそれ以上は開かなくなった。 ひとまず足を開ききったところで、男はロボットの背中を少し前に倒すと、そのままロボットに腰を下ろした。 まるでロボットの柔軟体操だ。 ロボットは全体的に硬質のパーツで覆われているものの、間接部の可動範囲はそれなりにあることがわかった。 尚もロボットの上に腰を下ろしていると、ロボットから小刻みな振動が伝わった。 男が腰を下ろし続けていると、ほんの少しずつだが、じわりじわりと足が開いて体が前に倒れた。 しかし、遂にそれも止まり、本当にロボットの可動範囲の限界と思われたところで、男は全体重を一気に乗せた。 男によってボディが強引に伸びようとする力と、それに抗う抵抗力が拮抗し、ロボットの体ががくがくと震えている。 頃合いを見計らって男はロボットから腰を上げた。 男が立ち上がると、ロボットは無理のない範囲まで自動的に体を起こした。 先程まではしっかりと伸びた足も、今はだらりと力なく開いているようにも見える。- 141 :5/9:
次に、男はロボットをうつぶせに寝かせた。 そしてロボットの腕を器用に折り曲げると、上半身を少しだけ持ち上げるように起こす。 まるで腕立て伏せのような姿勢だ。 肘に少しだけ角度を付けてしばらく放置していると、時間が経つにつれて腕がプルプルと震え始めた。 男は、先程と同じようにロボットに腰を下ろした。 男の体重が掛かると、ほとんど耐えることが出来ないまま床に崩れてしまった。 どうやらこのロボットは柔軟性に比べると、パワーはそれほど強くないようだ。 男はロボットの腕を掴んで、強制的に立たせた。 ロボットの動きが少し鈍くなったようだが、それでも男の動きに従って立ち上がる。 立ち上がると最初のように直立の姿勢に戻った。 だが、先程までと違ったのは、腹部の関節部のレザーが一定のリズムで膨らんだり縮んだりしている点だった。 こんなことをしている間も、エアコンはフル稼働で容赦なく部屋に熱風を送り続け、男の上半身は裸にも関わらず汗が噴き出し、髪の毛がべたりと肌に張り付いている。- 142 :6/9 ◆WKkH0lIows:
男はロボットの手を引くと、ベッドに向かった。 ロボットは、男に従いベッドへ向かう。 ベッドまで来ると、男はロボットを抱え上げ、ベッドに寝かせる。 ロボットの間接部のレザーが、かなりの熱を帯びているのが男の手に伝わったが、男は特に気にする様子もなく、ロボットに厚手の毛布を掛け、その上から更に厚い布団までもしっかりと掛けた。 ロボットの体は厚い毛布と布団に包まれ、頭部だけがちょこんと首を出している。 男は毛布と布団を少し引き上げ、頭まで完全に覆うように被せた。 布団に隠れたことにより、はっきりと様子はわからないが、布団が少しもぞもぞと動いたのがわかる。 男はその状態のまま、一度キッチンへ行くと料理用のラッピングフィルムを手に戻ってきた。 そして、ロボットの顔の部分だけ布団をめくる。 間を置かず、男はラッピングフィルムをロボットの顔にピタリと貼り付けた。 わずか十秒も待たずにロボットは顔を左右に振り始めた。 しばらくベッドに横たわった状態で首を振っていたが、やがて自動的に手が動き、顔に張り付いたラッピングフィルムを剥がすような動作を始めた。 しかし、ロボットの指では顔にピタリと張り付いたラッピングフィルムが上手く剥がせない様子で、徐々にロボットの動きが激しさを増した。 ロボットが、ばたばたと手足を動かした勢いでベッドから転がり落ちるが、尚も顔のラッピングフィルムを剥がそう必死で手を動かしていた。 ここでようやく、男がロボットの顔に張り付いたラッピングフィルムを剥がした。 すると動きが次第に収まり、ロボットの動きが止まった。 ロボットは床に転がったままの状態で、まったく動く気配はないが、それとは裏腹に、腹部のレザーは膨らんだり縮んだりを激しく繰返していた。- 143 :7/9 ◆WKkH0lIows:
男はロボットの様子を確認すると、すぐに視線を部屋の隅に移した。 部屋の隅にはスポーツジムにあるようなランニングマシンが置かれていた。 男は倒れたままのロボットを、半ば強引に立たせランニングマシンへ連れて行く。 ロボットの歩みはとても遅かった。 歩行姿勢もロボット特有の直立から、うなだれた猫背気味なものへと変わっていた。 ロボットをランニングマシンに立たせると、すぐさまランニングマシンのスイッチを操作した。 足下のベルトがゆっくりと動き出す。 ベルトの動きに応じて、ロボットは自動的に歩き始めた。 しかしその姿は、もはやロボットというよりも、まるで疲れ切った人間がダラダラと歩いているような雰囲気に似ている。 そのまま数分間、ロボットが不格好ながらも歩いている姿を確認すると、男は再びスイッチを操作した。 ベルトの回転が少し早くなる。 ゆっくり歩く速度から、軽い小走り程度の速度になった。 ベルトの回転に応じて、自動的に歩行速度を速めるロボット。 ロボットの頭が徐々に下がり、腕は力なく振られている。 男はそのまま数分間、ロボットを放置する。 ロボットの姿勢がどんどん崩れ、ベルトの回転速度にロボットの走るスピードが少しずつ追いつかなくなると男は更にスイッチを操作した。 ベルトの回転は益々早くなり、しっかり走らないと追いつかない速度になった。 ロボットは、自動的に小走りから速度を上げて走り始めた。 だが、それも長くは続かない。 しばらくすると、まるで助けを求めるように男を見て頭を左右に振った。 結局このまま男の放置は続き、ロボットは足がもつれて転倒し、ランニングマシンの後方へ転がり落ちてしまった。 ランニングマシンは安全装置が作動し、自動的に動きを停止させた。 ロボットは転がったままの状態で倒れたまま動かない。 しかし、腹部のレザーの動きは更に激しさを増し、その動きと連動するように肩のパーツも大きく動いてた。- 144 :8/9 ◆WKkH0lIows:
男は間髪入れずに強引にロボットを立たせる。 明らかに、自動で動く力が減ったために、少々手間取ったが何とかロボットを自立させた。 立ち上がったことにより、腹部と肩の動きが相当激しいことがわかった。 男はおもむろにベッドへ行くと、先程使ったラッピングフィルムを手に取り、ロボットの方へ振返った。 そして、わざと時間を掛けるように一歩一歩ゆっくりとロボットへ近付いた。 ロボットの目の前まで来ると、男はラッピングフィルムを引き延ばし、ゆっくりとロボットの顔に近付けた。 そして、今まさにラッピングフィルムがロボットの顔に張り付こうかという瞬間、まるでロボットの中で張り詰めていた何かが一気に切れてしまったかのように、勢いよく床に倒れてしまった。 ここまで色々なアクションをしたロボットとは対照的に、男はほとんど動いていない。 それでも、エアコンにより強制的に暖められた室内にいるため、上半身には玉のような汗が浮かんでいる。 ズボンも汗を吸って色が変わっていた。 ロボットが動かない事を確認すると、ここでようやく男はエアコンを停止させた。 熱風を激しく送り込んでいた動作音が止まり、室内は一気に静けさを取り戻した。 すると、床に倒れたままのロボットから、定期的な動作音が鳴り響いているのが聞こえた。 音はロボットの顔の辺りから出ており、腹部や肩の動きに連動している様は、あたかも人間が苦しげに呼吸をしているようにも聞こえる。 どうやら負荷の掛かりすぎにより、ロボットの活動が一時停止してしまったようだ。 人間で例えると、気絶したような状態といえばわかりやすいだろう。- 145 :9/9 ◆WKkH0lIows:
それから数時間後。 部屋に、一人の女がいた。 その女の正面には、男性型のロボットが立っている。 女性の手には、ラッピングフィルムが握られていた……。